Uターンと結婚はどちらが先か|移動58万人と初婚年齢31.1歳

県をまたぐ移動は20代前半に山がある

地元に戻る話と結婚の話は、たいてい同じ時期に持ち上がる。ところが統計を開くと、二つの出来事は同じ年齢に重なっていない。総務省統計局の住民基本台帳人口移動報告によれば、2025年の都道府県間移動者数は251万5731人で、前年より7518人、0.3パーセントの減少となり3年連続で減った。

この251万人を5歳階級に割ると、最も多いのは20歳から24歳の58万5495人である。次が25歳から29歳の53万3880人、その次が30歳から34歳の31万4556人と続く。15歳から19歳は14万4152人で、進学で動く層よりも就職で動く層のほうがはるかに厚い。地元を離れる、あるいは地元に帰るという判断が最も集まるのは20代前半だということになる。

東京圏の数字を重ねると形がはっきりする。2025年の東京圏は12万3534人の転入超過で、前年より1万2309人縮小した。年齢別の転入超過は20歳から24歳が8万443人と最も多く、25歳から29歳は2万3546人、15歳から19歳は2万1469人である。10歳から29歳の各階級は、年齢別の集計が始まった2010年以降16年連続で転入超過が続いている。

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25歳から29歳で動きの性格が変わる

20代前半の山を越えると、移動の量は落ちる。それでも25歳から29歳は、前年と比べたときの増え方が最も大きい階級だった。都道府県間移動者数は4362人、0.8パーセントの増加で、次が30歳から34歳の4198人、1.4パーセントの増加である。減ったのは0歳から4歳の7434人減、7.1パーセント減が最大で、小さな子を連れた移動が縮んでいる。

男女で分けると差が出る。25歳から29歳の都道府県間移動者数は、男性が29万2625人で1174人、0.4パーセントの増加にとどまるのに対し、女性は24万1255人で3188人、1.3パーセントの増加だった。都道府県間の移動者数全体では女性が6823人減っているので、この階級だけ女性の動きが逆を向いている。

同じ年齢層を県内の移動で見ると、順位が入れ替わる。2025年の都道府県内移動者数は267万4817人で、最も多いのは25歳から29歳の57万9941人、次が20歳から24歳の41万8245人、三番目が30歳から34歳の38万1410人だった。県をまたぐ動きは20代前半に偏り、同じ県の中での引っ越しは20代後半に偏る。住まいを変える理由が、仕事から暮らしの組み立てへ移っていく姿がここに出ている。

結婚のほうは30歳前後に来る

もう一方の予定表を開いてみる。厚生労働省の令和6年人口動態統計月報年計(概数)によれば、婚姻件数は48万5063組で、前年の47万4741組より1万322組増え、婚姻率は人口千対4.0となった。前年の3.9から上昇し、2年ぶりの増加である。確定数では48万5092組と集計されている。

年齢の中心はどこか。令和6年の平均初婚年齢は夫が31.1歳で前年と同じ、妻が29.8歳で前年の29.7歳から上がった。初婚の妻の年齢を各歳で並べたときのピークは26歳で、これは20年前と変わらない。変わったのは分布の形で、若い年齢の割合が下がり、高い年齢の割合が上がっている。5歳階級別の妻の初婚率は、20歳から24歳で前年より低下し、25歳から39歳では上昇した。

つまり移動の山と結婚の中心は、5年前後ずれている。県をまたぐ移動が最も多いのは20代前半、結婚の平均は30歳前後。就職のために一度動いた土地で5年を過ごしたあとに結婚の話が来る、という順番が標準的な形になる。Uターンを結婚のタイミングに合わせようとすると、就職での移動から数年あとの判断になるということだ。再婚の割合は夫17.9パーセント、妻15.6パーセントで、いずれも前年より下がっている。

初婚年齢は都道府県で3歳ちがう

全国平均だけを見ていると見落とすものがある。平均初婚年齢を都道府県別に並べると、最も低いのは夫が山口県と佐賀県の30.1歳、妻が福井県と香川県の28.9歳である。最も高いのは夫も妻も東京都で、夫32.2歳、妻30.7歳だった。夫で2.1歳、妻で1.8歳の幅がある。

この幅は、どの土地に住むかで結婚の時期の相場が違うことを意味している。東京で働きながら周囲の時期に合わせると、地元の同級生より遅れる形になる。逆に地元へ戻ると、周囲の相場のほうが早い。どちらが良いという話ではないが、戻る判断をするときに自分の見積りと土地の相場が一致していないことは知っておきたい。

年齢階級 都道府県間移動者数 都道府県内移動者数 東京圏の転入超過
15〜19歳 144,152人 — 21,469人
20〜24歳 585,495人 418,245人 80,443人
25〜29歳 533,880人 579,941人 23,546人
30〜34歳 314,556人 381,410人 —
総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告 2025年(令和7年)結果」より作成。東京圏の転入超過は日本人移動者

転出のほうも年齢で偏る。東京圏から出ていく動きが最も大きいのは60歳から64歳の4562人、次が55歳から59歳の3051人、65歳から69歳の2900人である。0歳から4歳と55歳から74歳の各階級は2010年以降16年連続の転出超過で、子育てと退職という二つの局面で東京圏から人が出ている。

二つの予定を同じ紙に書く

順番がずれているなら、別々に考えるほうが現実的だ。就職で動くときに決まるのは勤務先と住む街で、結婚で動くときに決まるのは相手の仕事と二つの家の距離である。前者は自分の意思でほぼ決められるが、後者は相手の条件が入る。だから就職の段階では「戻れる余地を消さない」という程度の構えが使いやすい。

具体的には、地元の企業や自治体との接点を細く保つ、住民票を移したあとも帰る回数を年に数回は確保する、資格や経験を地元で換金できる形に寄せる、といったところである。Uターン就職そのものの人数が公表されていない事情はUターン就職の人数は公表されていない|転入超過7都府県と関係人口にまとめた。戻ったあとの進路に事業を立てる選択を並べる見方はUターンの進路に起業を並べる|起業者465.8万人と自営業主の30年にある。

使える制度もずれて配置されている。移住支援金は仕事と居住の要件で判定され、結婚新生活支援は住居費や引越費用を対象にする。どちらも窓口と要件が別で、申請の時期も違う。両方の条件を同時に満たす設計は多くない。制度の並びは若者向け補助金|移住支援金と結婚新生活支援を要件から読むで確かめられる。地域と関わりながら進路を考える場はFLASPOでも用意している。

よくある質問

Uターンした人の数そのものは分かるのか。住民基本台帳人口移動報告は転入と転出の数を出すが、出身地に戻ったかどうかは区別しない。だから移動の年齢構成から推し量るしかない。2025年の都道府県間移動者のうち、日本人移動者は214万8329人で、20歳から24歳が48万4421人、25歳から29歳が43万968人である。

結婚してから地方へ移るのと、移ってから結婚するのでは、どちらが多いのか。公的な統計でこの前後関係を直接数えたものはない。ただ県内の引っ越しが25歳から29歳に偏り、県をまたぐ移動が20代前半に偏るという形からは、先に動いて現地で暮らしを組む流れのほうが量としては大きいと読める。

地方のほうが結婚が早いと言えるのか。平均初婚年齢で見れば、山口県と佐賀県の夫30.1歳、福井県と香川県の妻28.9歳は東京都より1年から2年早い。ただし婚姻率は人口の年齢構成に左右されるため、若い人が少ない県では件数が小さくなる。早いか遅いかは初婚年齢で、起きやすいかどうかは別の指標で見る必要がある。

転入超過が縮んでいるのは地方に人が戻っているからか。2025年の東京圏の転入超過は前年より1万2309人縮小したが、縮小幅が最も大きいのは20歳から24歳の2690人で、次が30歳から34歳の1599人、25歳から29歳の1155人だった。流入そのものが減った結果であり、転出が増えたわけではない。

数字はどこで確かめられるか。移動のほうは総務省統計局住民基本台帳人口移動報告 2025年(令和7年)結果、結婚のほうは厚生労働省令和6年人口動態統計月報年計(概数)の結果の概要にある。いずれも年齢階級と都道府県の内訳まで載っている。


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