CASE2 | 若者のアイデア事業化:佐賀県太良町観光協会 若者アイデア実現プロジェクト | FLASPO MAGAZINE

CASE2 | 若者のアイデア事業化:佐賀県太良町観光協会 若者アイデア実現プロジェクト

プロジェクト概要

プロジェクト概要

太良町観光協会とFLASPOは、佐賀県太良町における若年層の来訪増加と地域の新たな観光体験づくりを目的に、学生が考案したアイデアを実際の施策として実現するプロジェクトを共同で実施。

全国の若者から太良町の観光PRアイデアを募集、50件以上のアイデアから、優勝案として選ばれた「サイクリング×謎解きの町周遊型企画」 を観光協会と協働でブラッシュアップし、学生と共に実現。2024年度に実証実験としてリリース、2025年10月から、課題改善を踏まえて 本格的に施策を展開

地域にゆかりのない若者が、地域を調べ、企画を提案し、実現に関わるプロセス全体を通じて、太良町と外部の若者との継続的なつながり(関係人口)が生まれる取り組みとなりました。

学生のアイデア実現事業「太良有明シークリングミステリー」

プロジェクト背景

太良町は佐賀県内でも人気の観光地でありながら、以下の課題を抱えていました。

  • 訪問客の年齢層が高く、若年層への認知や来訪のきっかけとなる施策が必要だった。
  • 交通便が限られていて移動がしづらく、町内の滞在時間が短い課題があった。
  • 佐賀県全体でサイクルツーリズムを推進しており、太良町内でも新たな施策の推進が求められていた。

こうした状況の中で、太良町として若者との新しい接点づくりや、将来的に関わり続けてもらう関係人口の創出は重要なテーマとなっていました。

そこで本プロジェクトでは、学生や若者の視点を積極的に取り入れながら、町の課題解決と観光体験づくりを同時に進める仕組みを整備。

審査員として著名なタレントを起用する等、若者が関心を持ちやすく、かつ企画段階から関われる導線を広げることで、太良町に自発的に関わる若年層を増やしていく ことを狙いとし、プロジェクトを実施しました。

佐賀県太良町の名所「大魚神社の海中鳥居」(参照:太良町役場HP)

プロジェクト内容

STEP1|オンラインアイデアコンテスト

若年層の来訪増加に向けて、「佐賀県太良町にもっと若者に来てもらうには」をテーマに、FLASPOでアイデアコンテストを開催。賞金総額50万円を用意し、全国の学生からアイデアを募集しました。

結果、70人以上の学生が参加し、50件以上集まった提案の中から、5組7名を選出。次のステップで、アイデア実現へ向けた1泊2日への太良町訪問 & 太良町長へ向けたプレゼンイベントへと進みました。

コンテスト詳細:https://flaspo.jp/try/554

STEP2|太良町訪問(1泊2日)&町長へのオンラインプレゼン

優秀アイデアを提出した学生5組は、賞金(1組10万円)を活用して、太良町を1泊2日で訪問。ツアーではなく、全て各自で交通手段や宿泊地を手配した上で、現地の観光名所や店舗、交通動線を実際に確認。

訪問後に、企画をブラッシュアップするオンラインワークショップを複数回実施した上で、太良町長や観光協会会長らへ向け、オンラインでプレゼンテーションするイベントを実施。

若者ならではの視点を行政側も直接受け取れる貴重な機会になり、最後は投票で、太良町をサイクリングで回りながら謎解きを楽しめる企画が優勝アイデアとして選出されました。

発表会の集合写真

STEP3|観光施策としての事業化(企画の実装)

町長プレゼンを経て、優秀アイデアを「太良有明サイクリング謎解きミステリー」 として、次年度の観光協会の施策案として正式に予算化。

発表会に参加した学生らにも意見をいただきながら、2024年度下期には実証実験として施策をリリース。2024年度内でも100名近くが参加する、町の新しい観光コンテンツとして始動しました。

太良有明サイクリング謎解きミステリー

・太良町内の観光地を巡りながら謎解きを楽しむ体験型コンテンツ
・太良町観光協会で自転車をレンタルし、太良町内の各所に設置された謎を巡ることで、太良町の名所や美しい道・自然を満遍なく楽しむことが可能


STEP4|課題改善を経たリニューアル

2024年度の実証実験の結果を踏まえ、本事業の売上のみで施策が回る体制を構築できたため、2025年度は、本格リリースに向け、2つのコースを新設し正式に施策をリリース。

佐賀県に観光に来た方が太良町でサイクリングを楽しめるよう、佐賀空港や佐賀駅など佐賀県各所にチラシを掲載。

さらに、全国の若者から太良町をテーマに”一枚謎”を募集するコンテストを開催、審査員に著名なクイズクリエイターを起用するなど、外からでも太良町に関わりたくなる仕掛けを提供しました。

コンテスト詳細:https://flaspo.jp/try/616


成果

本施策は改善を重ねながら参加者が 100名を超える人気企画 へ成長し、家族連れから若者まで幅広く参加できる体験型コンテンツとして定着しました。
参加者の 半数が2回以上太良町を訪れるリピーター となり、「福岡・長崎への旅行の途中でまた寄った」「佐賀に行くついでに訪れた」など、太良町を“行きつけの地域”として再訪する動きが生まれています。

さらに、体験をきっかけに日本酒に興味を持ち、「佐賀県で働くことも選択肢になった」 と語る若者も現れるなど、観光体験が地域への関心や将来のキャリア意識にもつながりました。

外部の若者が、地域と深く関われるL創出と、若者目線の事業化を同時に実現する、新しい地域と若者の接点構築事例となっています。

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