プロジェクト概要
FLASPOは、一般社団法人 未来社会デザイン機構(FSDi)および東武トップツアーズ株式会社と連携し、「未来社会デザインコンテスト2026」を開催しました。FSDiが実施主体となり、全国の学生を対象に地域課題を解決するアイデアを募集した地域活性化プログラムです(2026年6月公開・7月20日締切)。FLASPOはプロジェクト全体の企画・運営と特設WEBサイトの管理を担当しました。
- 長野県・志賀高原/湯田中渋温泉エリア:夏を舞台に、若者が一度は参加したくなる非日常イベント・体験(20件の提案・チーム員を含め25名が関与)
- 福井県坂井市・東尋坊:来訪した若者観光客が、もっと長く滞在したくなる仕掛け(21件の提案・チーム員を含め31名が関与)
審査を通過した4名のファイナリストは、8月末に両エリアで現地フィールドワークを行い、地元事業者や行政との対話を重ねて企画を磨き上げました。そして2026年9月10日の最終提案発表会で、「地域の未来をどう創るか」を問う4つの社会実装プランを発表しました。
狙いは、既存の枠組みや費用対効果にとらわれにくい若者の視点を地域に還元し、産官学の専門家からのフィードバックを通じて「アイデアの社会実装」につなげることです。学生が地域に入り込み、地域の人たちと同じ課題を共有して解決策を探るプロセスそのものが、将来の地域を支える「若い関係人口」をつくる取り組みでもあります。
プロジェクト背景
志賀高原(長野県)|魅力はあるが「誘ってでも行きたい」に至らない
志賀高原および湯田中渋温泉エリアには、国立公園の雄大な自然、源泉かけ流しの温泉、スノーモンキー、星空、夏でも平均気温25℃以下という避暑地としての環境など、多様な魅力があります。
一方で若者にとっては「自然を見る」「温泉に入る」といった目的に留まりやすく、友達を誘ってでも参加したくなるような強い体験・イベントはまだ開発の余地が大きい状態でした。
東尋坊(福井県坂井市)|「絶景を見て、お土産を買って終わり」
東尋坊は国内有数の景勝地として年間100万人以上が訪れる人気観光地です。しかし多くの観光客が「絶景を見て、お土産を買って終わり」という短時間滞在にとどまり、エリア全体での消費拡大が大きな課題となっていました。坂井市では『東尋坊再整備基本計画』にもとづく再整備が控えています。
2地域に共通していたのは、観光資源そのものは十分にあるのに、若者が「行く理由」を持てていないという構造です。そこで、資源のPRではなく「どうすれば長く居たくなるか/わざわざ行きたくなるか」という仕掛けの設計を、当事者である若者に委ねることにしました。
プロジェクト内容
STEP1|オンラインアイデアコンテスト
両地域で、若者ならではの視点から仕掛け・体験企画を募集しました。手法は問わず、SNSを活用した企画、食や体験コンテンツ、地元との交流を生む仕掛けなど、自由な発想で提案できる形としました。学生向けの周知は、学生マンションを運営する株式会社ジェイ・エス・ビー(UniLife)の協力も得て行いました。

STEP2|現地フィールドワークでの磨き上げ
審査を通過した4名のファイナリストは、8月末に志賀高原と東尋坊の現地でフィールドワークを行いました。地元事業者や行政との対話を重ね、提案したアイデアを実際の地形・動線・施設に照らして確かめながら、企画を磨き上げました。
STEP3|最終提案発表会
2026年9月10日、「未来社会デザインコンテスト2026 最終提案発表会」を東武トップツアーズ品川オフィスの会場とオンラインで開催しました。FSDiの理事・顧問陣、現地の事業者、オンラインで参加した環境省 志賀高原管理官事務所、福井県坂井市長が講評にあたりました。

最終発表会で発表された4つの提案
志賀高原エリア|消費する自然から、入り込み、記録する自然へ
| 提案 | 発表者 | 内容 |
|---|---|---|
| ただいま、志賀高原。 | 立石 悠翔さん(大阪公立大学) | 観光客の目線ではなく、自然保全などの地域の日常や仕事に「労働・体験」として入り込む。地元の人との深いつながりを生み、「ただいま」と何度も帰ってきたくなる関係人口(第2の故郷)をつくるプラン |
| 志賀高原自然図鑑プロジェクト | 橋本 明さん(名桜大学) | 絶景を「見る・撮る」だけでなく「観察して描く」手順を加えて、自然の解像度を上げる。描いた絵を夜の自然の中に投影展示し、自分の足跡が地域の魅力の一部になる滞在価値を提案 |
東尋坊エリア|完成を待つ観光から、未完成を楽しむ観光へ
| 提案 | 発表者 | 内容 |
|---|---|---|
| みんなで育てるグルメの聖地・東尋坊 | 奥出 凛乃さん(立教大学) | これから始まる再整備工事の期間を逆手にとり、地元学生実行委員会が主導してグルメアイデアを募集。完成までのプロセスをエンターテインメントにしてファンを育て、完成時のコミュニティにつなげるプラン |
| 東尋坊版 学生共創インターン構想 | 折原 知晟さん(武蔵野大学) | 「施設ができれば人が来る」という思い込みから抜け出し、再整備期間中から若者が地域課題に関わるインターンを立ち上げる。施設の完成と同時に、未来の担い手も育っている状態をつくる仕組み |
4つの提案に共通しているのは、若者を「観光客」ではなく「地域の担い手」として位置づけ直している点です。観光地を消費する側から、地域の日常や再整備のプロセスに入り込んで関わる側へ。発想の軸そのものを転換する提案が並びました。

成果

2地域あわせて41件の提案が集まり、チームメンバーを含めると56名の若者が関わりました。そこから選ばれた4名が現地フィールドワークを経て最終提案発表会に登壇し、募集から現地での磨き上げ、行政・事業者への提案までを一つのプロジェクトとしてやり切りました。
地域側では、発表後に環境省 志賀高原管理官事務所、福井県坂井市長、FSDiの理事・顧問陣、現地事業者から、アイデアで終わらせず実装を期待するフィードバックとエールが送られました。東武トップツアーズは、協定旅館ホテル連盟・運輸観光施設連盟とのネットワークを活かし、現地の自治体や事業者、賛同企業と連携した事業化・実証実験のサポートを継続する方針を示しています。
若者側では、現地に入り、地域の人たちと同じ課題を共有しながら解決策を探り、意思決定に関わる人たちの前で発表するという一連の経験を得ました。観光地を「訪れる場所」から「関わる場所」に変える入口であり、将来の地域を支える若い関係人口の芽になっています。
海の景勝地と高原の温泉地という性格の異なる2地域で同じ設計を並行して実施し、どちらでも実装に向けた次の段階へ進めたことは、この型が地域の特性を問わず展開できることを示しています。
関連リンク
- 「観光客」から「地域の担い手」への発想の転換 地域創生の新たな社会実装モデルアイデアを発表!(東武トップツアーズ/PR TIMES)
- 【イベントレポート】「未来社会デザインコンテスト2026」最終発表会を開催しました!(FSDi)
- コンテスト:志賀高原エリアの夏を舞台に、若者が一度は参加したくなる非日常イベント・体験を考えてください!
- コンテスト:東尋坊に来た若者の観光客が、もっと長く滞在したくなる仕掛けを考えてください!
- 【リリース】FSDi・東武トップツアーズと開催した「未来社会デザインコンテスト2026」に、2地域で41件の提案
- 【リリース】FLASPOは、FSDi・東武トップツアーズ株式会社と連携、「未来社会デザインコンテスト2026」を開催
- 東武トップツアーズ プレスリリース(開催時/PR TIMES)
- FSDi プレスリリース(開催時/PR TIMES)
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