プロジェクト概要
地域とつながるプラットフォーム「スマウト」(面白法人カヤック)とFLASPOは、「あなたしか知らない“推し地域”」をテーマにしたエッセイコンテストを共同で実施しました。
観光地ランキングには出てこないけれど、なぜか強く心に残っている地域。その魅力を400字以上のエッセイと、思い出を表した写真・一言で紹介してもらう形式で、2025年6〜8月に開催し(締切2025年8月18日)、74名から74件の作品が集まりました。
受賞した3名は、特典として鎌倉の面白法人カヤックオフィスに招待され、「観光客がより深く地域に入り、関係人口になってもらうには?」をテーマにした1dayワークショップに参加。自ら選んだ地域について企画書をつくり、スマウトチームへプレゼンテーションを行いました。
プロジェクト背景
地域と若者をつなぐとき、多くの施策は「有名な観光地」や「移住先として人気の地域」から入ります。しかし実際に人が地域に愛着を持つきっかけは、ランキングには出てこない、個人的な体験にあることが少なくありません。
スマウトは地域と人のマッチングを手がけるプラットフォームとして、次の課題を抱えていました。
- 有名観光地以外の地域が、若者自身の言葉で語られたコンテンツが少ない
- 地域に関心を持つ若者と、プラットフォームとしての接点をつくりたい
- 「移住」の手前にある、ゆるやかな関心の層に届けたい
そこで本プロジェクトでは、アイデアではなくエッセイという形式をとりました。企画力ではなく、一人ひとりが持っている地域との記憶を引き出すことで、応募のハードルを下げつつ、そのままコンテンツとして使える成果物を集める設計です。
プロジェクト内容
STEP1|エッセイコンテスト(2025年6〜8月)
「あなたしか知らない“推し地域”の魅力紹介エッセイコンテスト」として、FLASPOで開催。思い入れのある地域・場所について、400字以上のエッセイ+思い出を表した写真と一言という形式で募集しました。
結果、74件の作品が集まりました(すべて個人応募)。審査員には、面白法人カヤックのクリエイティブディレクター・合田ピエール陽太郎さんが参加。
コンテスト詳細:https://flaspo.jp/try/597
STEP2|作品をコンテンツとして公開
集まった作品は、スマウトのHP・SNSで特集紹介されるとともに、FLASPO MAGAZINEでも第1弾から第11弾までに分けて公開しました。若者が書いた文章が、そのまま地域を紹介するコンテンツになる形です。
STEP3|受賞者向け1dayワークショップ(2025年11月7日)
受賞3名への特典として、鎌倉の面白法人カヤックオフィスに招待。ぼくらの会議棟・古民家 Share Roomを会場に、13:00〜18:00の1dayワークショップを実施しました。
前半は、鎌倉のまちに点在するカヤックの拠点を巡るオフィスツアー。古民家会議室、中庭、サウナ、誰でも使える「まちの社員食堂」など、まちそのものがオフィスという空間を体感してもらいました。
後半のワークショップのテーマは「観光客がより深く地域に入り、関係人口になってもらうには?」。スマウトディレクターから過去の成功事例をインプットしたうえで、ターゲット設定・体験の導線・心の変化を企画書フォーマットに整理していきます。
途中、エッセイコンテストの審査員も務めた合田ピエール陽太郎さんが相談会に参加。「地域に継続的に関わるために必要な考え方」への答えとして、「自分のDNAが残ること」——お祭りで自分の名前が神輿に刻まれる、DIYで自分の釘を打つといった痕跡が残ると愛着が生まれ、また関わりたくなる——という視点が共有され、ワークショップの核になりました。
STEP4|企画書のプレゼンテーション
最後に、1時間半で企画書を仕上げ、スマウトのご担当者へプレゼンテーションを実施。3名がそれぞれ自分の“推し地域”を舞台にした企画を発表しました。
- 栃木県那須塩原市:温泉ゲストハウスでの「ヤドカリ体験」。「“寮”というコンセプトが新鮮。前の人が次の人に贈る仕組みなど、時間を越えてつながっていく仕掛けができると良い」と講評
- 秋田県横手市:「ここ よこてを雪解け地とする」。「“冬に人形を作って、夏に受け取りに行く”という時間の循環が、一度きりで終わらない仕掛けで素晴らしい」と講評
- 広島県呉市:「呉に来てクレ!2days地酒造り体験」。「お酒を作って、次の年にできた時に屋台の店主体験ができて『俺が作った酒飲みに来てよ』と周りを誘えるのも良さそう」と講評
いずれの企画も、審査員の「自分の痕跡を残す」という視点を踏まえ、一度の訪問で終わらず、翌年もう一度来る理由がある設計になっていた点が特徴です。
成果
若者側では、74名が自分の記憶のなかにある地域を言葉にし、その関わりを改めて意識する機会になりました。書いた文章が実際に公開されることで、自分の言葉が地域の紹介として使われるという体験にもなっています。
受賞3名は、エッセイを書く側から関係人口をつくる企画を設計する側へと立場が変わりました。参加者からは「自分の考えたアイデアに対するフィードバックや、プロの目線で見たプロジェクト企画の視点など、なかなかできない経験だった」「“関係人口を増やす”ことと“深い繋がりを作る”という2つの視点からさらに考えることができ、言語化する貴重な機会になった」という声が寄せられました。
スマウト側では、有名観光地以外の地域について、若者自身の言葉で書かれたコンテンツを74件分獲得。また、地域に関心を持つ若者との接点を、移住検討の手前の段階でつくることができました。
アイデアコンテストではなくエッセイという形式をとったことで、企画を考える自信がない層も参加できた点が本事例の特徴です。集める成果物の形式を変えることで、届く層が変わることを示しています。
関連リンク
- コンテスト:あなたしか知らない”推し地域”の魅力紹介エッセイコンテスト
- <レポート>「観光を“関係”に変える」スマウト×FLASPO 受賞者1dayワークショップ開催レポート
- 受賞者のエッセイ(第1弾・上位5作品)
- スマウト
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