友人関係の維持|直接会う機会が全くない9.7%という前提

友人関係の維持|直接会う機会が全くない9.7%という前提

関係が終わるのは争いではなく、間隔が開くことから

連絡を取らなくなった友人を思い出して気まずさを覚える人は多いが、原因は多くの場合もっと単純である。内閣府が令和7年12月1日を期日として実施した孤独・孤立の実態把握に関する全国調査では、同居していない家族や友人たちと直接会って話す頻度をたずねている。11,873人の回答のうち、「全くない」が9.7パーセント、「月1回未満」が16.5パーセント、「月1回程度」が16.9パーセントだった。

会う間隔が月1回未満という層を足すと26.2パーセントになる。1年に数回しか顔を合わせないという状態が4人に1人という水準で成立しているわけで、ここに特別な事情は要らない。予定が合わないことが何度か続けば、同じ場所に到達する。

裏返せば、関係を保つための作業は会う回数の設計に尽きる。相手への好意や思い出の量では間隔は埋まらない。令和6年との比較では、電話の「全くない」とSNSや電子メールの「全くない」がいずれも拡大しており、放っておけば間隔が開く方向に動くという前提に立ったほうがよい。

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手段ごとに分けると、先に途絶えるのは電話である

同じ設問は手段を3つに分けて集計している。調査結果の概要によれば、「全くない」と答えた割合は、直接会って話すで9.7パーセント、電話で16.4パーセント、SNSや電子メールなどで14.0パーセントだった。最も早く使われなくなるのは電話である。

頻度の高い側を見ると順序が入れ替わる。週4〜5回以上という回答は、SNSや電子メールなどで19.7パーセント、直接会って話すで15.6パーセント、電話では7.6パーセントにとどまる。日常の細かいやりとりは文字に移り、電話は用件がある時だけの手段になっている。

頻度 直接会って話す 電話 SNSや電子メール
全くない 9.7% 16.4% 14.0%
月1回未満 16.5% 16.3% 8.3%
月1回程度 16.9% 15.0% 9.5%
2週間に1回程度 9.7% 10.9% 9.3%
週1回程度 12.9% 12.5% 11.9%
週2〜3回程度 12.8% 10.8% 14.6%
週4〜5回以上 15.6% 7.6% 19.7%
無回答 5.9% 10.5% 12.7%
同居していない家族や友人たちとのコミュニケーション頻度。内閣府の令和7年調査(有効回答11,873人)から作成。電話はビデオ通話を含む

この分布は、維持の手段を1本だけ持っている人が不利であることを示している。会う約束は相手の予定に依存し、電話は時間を占有するため断られやすい。文字のやりとりは相手の都合を奪わないという点で続きやすいが、SNSが知人への経路に偏ることはイベントの集客でSNSの到達範囲を扱った記事でも触れた論点である。

非対面をまとめると、完全に途切れている人は6.7%になる

手段を1つずつ見ると途絶えが多く見えるが、電話とSNSや電子メールの回答を合算した集計もある。この非対面型ツールによる交流頻度では、「全くない」が6.7パーセント、「週4〜5回以上」が26.4パーセント、「週1回程度」が16.4パーセントだった。令和6年の「全くない」は5.9パーセントで、1年で0.8ポイント増えている。

つまり、電話をやめた人の多くは文字に移っており、どちらも使っていない人は15人に1人ほどに絞られる。関係の維持が難しくなっているというより、どの手段を残すかが人によって違うという状態である。相手が電話に出ないことを関係の冷え込みと読むのは、たいてい誤りになる。

ただし合算しても6.7パーセントは残る。調査結果のポイントでは孤独感が「しばしばある・常にある」と答えた人が4.5パーセントとされており、交流が完全に途切れている層とおおむね同じ規模である。地域の付き合いの現状は付き合い5割・孤独感4割を数字で読んだ記事に整理した。

一緒に食べる回数と孤独感は、はっきり対応している

維持の質を測る指標として、この調査は共食の状況を置いている。誰かと食事をともにする頻度別に孤独感を見ると、「ほとんど毎日」と答えた7,600人では「しばしばある・常にある」が2.7パーセント、「ほとんどない」と答えた971人では17.3パーセントだった。6倍を超える差がある。

中間の層は横並びに近い。週4〜5日が4.8パーセント、週2〜3日が5.1パーセント、週1日程度が3.7パーセント、月1〜2日程度が5.1パーセントで、ここには大きな階段がない。差が立つのは「ほとんどない」に落ちた瞬間であり、回数を積み増すことより、ゼロにしないことが効いている。

この構造は友人関係の維持にそのまま当てはまる。毎週会う相手を増やす計画は続かないが、年に数回でも食事の予定が入っている関係をいくつ持っているかは管理できる。会う内容を考える前に、食事という枠組みが口実として機能することを使ったほうが現実的である。

途切れた関係を戻すときの順番

連絡が途絶えた相手に声をかけるのは、気後れする作業である。ここでも分布を見ておくと見通しが変わる。まわりに不安や悩みを抱えている人がいたら積極的に声掛けや手助けを「しようと思う」と答えた人は48.4パーセント、「しようと思わない」は10.7パーセントで、拒まれる前提で身構える必要は小さい。

具体的には3段階に分けられる。第一に、手段を相手に合わせて選ぶ。電話の「全くない」が16.4パーセントまで来ている以上、最初の接触は文字のほうが通りやすい。第二に、用件を1つだけ入れる。近況を尋ねるだけの連絡は返信の負担が読めず止まりやすいが、共通の知人の話や具体的な日付の提案があれば返す形が決まる。日々の時間の使い方を見直す目で動画とSNSに流れる時間を測る記事を読むと、連絡に回せる余地が見つかることもある。

第三に、頻度の目標を低く置く。困った時に頼れる人の種類では「友人・知人」が54.2パーセントで、不安や悩みの相談相手としての58.9パーセントより低い。いざという場面で数えられる関係は、会う回数そのものより継続している年数で決まる面がある。年に1回でも途切れていない関係を数本持つという目標は、週に1回会うという目標より守りやすい。地域と若い世代の継続的な関わりを扱うFLASPOの企画も、一度の接触より往復の回数を軸に組まれている。

よくある質問

友人と会う頻度の平均はどれくらいですか。平均値は公表されていない。内閣府の令和7年調査では、同居していない家族や友人たちと直接会って話す頻度は「月1回程度」が16.9パーセント、「月1回未満」が16.5パーセント、「全くない」が9.7パーセントという分布になっている。

連絡が取れていない友人はどれくらいいるものですか。電話が「全くない」人は16.4パーセント、SNSや電子メールなどが「全くない」人は14.0パーセントいる。両方を合算した非対面型ツールで「全くない」となるのは6.7パーセントで、どちらか一方は残っている人が多い。

会う回数を増やせば孤独感は減りますか。共食の状況別では、ほとんど毎日の層が2.7パーセント、ほとんどない層が17.3パーセントという差がある。一方で週1日程度と月1〜2日程度の差はほとんどなく、回数の多さより途切れていないことが対応している。

久しぶりの連絡は迷惑になりませんか。声掛けや手助けをしようと思うと答えた人が48.4パーセント、思わないと答えた人が10.7パーセントという分布から見れば、拒否を前提にする理由は薄い。返信の形が決まる具体的な用件を1つ添えるほうが相手の負担は小さくなる。

電話よりメッセージのほうがよいのですか。頻度の分布では、週4〜5回以上のやりとりがSNSや電子メールで19.7パーセント、電話では7.6パーセントである。相手が日常的に使っている手段に合わせるという意味では、最初の接触は文字が通りやすい。

いざという時に頼れる友人はどう数えますか。内閣府の調査では、困った時に頼れる人として「友人・知人」を挙げた割合が54.2パーセントだった。頼れる人が「いる」と答えた人は10,880人、「いない」は948人で、友人以外の枠も含めて数えることが前提になっている。


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