友人関係の作り方|活動への参加45.8%と孤独感2.1%の差

友人関係の作り方|活動への参加45.8%と孤独感2.1%の差

友人を増やす前に、どこに居るかを決める

大人になってから友人ができないという感覚の多くは、性格ではなく機会の問題に行き着く。内閣府が令和7年12月1日を期日として実施した孤独・孤立の実態把握に関する全国調査は、満16歳以上の2万人を無作為に選び、11,873人の有効回答を集めている。その中で社会活動への参加状況をたずねた設問では、「いずれかの活動に参加している」が45.8パーセント、「特に参加はしていない」が53.3パーセントだった。

半数強がどの活動にも入っていないという分布は、関係ができない理由の説明になる。知らない人と繰り返し顔を合わせる場がなければ、新しい関係はそもそも発生しない。逆に言えば、人柄を変える必要はなく、同じ人と何度も居合わせる枠を1つ持てば条件は整う。

参加率は年を追って下がっている。令和6年は46.6パーセント、令和5年は47.4パーセントで、令和5年と比べると縮小したと報告書は記している。場が自然に用意される時代ではなくなっているという前提に立つほうが、現実に近い。

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参加が最も細るのは20歳代と30歳代である

どの世代で場が足りないのかは、男女・年齢階級別の集計から読める。調査結果の概要によれば、「特に参加はしていない」と答えた割合は男性が52.8パーセント、女性が53.5パーセントで、男女とも20歳代と30歳代で高い。女性の20歳代は69.5パーセント、30歳代は65.5パーセントに達し、いずれかの活動に参加している割合はそれぞれ30.5パーセント、34.2パーセントまで落ちる。

16〜19歳は事情が違う。スポーツ・趣味・娯楽・教養・自己啓発などの活動に参加している割合が男性47.7パーセント、女性45.6パーセントと高く、部活動がこの項目に含まれていることが効いている。学校を離れた途端に参加率が崩れるのは、用意されていた枠が消えるからである。

年齢階級 男性 女性
16〜19歳 51.6% 52.0%
20歳代 41.2% 30.5%
30歳代 40.3% 34.2%
40歳代 47.1% 47.7%
50歳代 44.1% 46.5%
60歳代 51.7% 50.6%
70歳代 49.6% 53.9%
80歳以上 43.3% 39.3%
全体 46.4% 45.5%
「いずれかの活動に参加している」と答えた割合。内閣府の令和7年調査から作成。PTA・自治会から趣味・ボランティアまで5つの選択肢のいずれかに回答があった人を集計している

活動の種類別では、スポーツ・趣味・娯楽・教養・自己啓発などの活動が30.5パーセントで最も多く、PTA・自治会・町内会などの活動が16.9パーセント、同窓会や信仰上の活動などその他が5.5パーセント、家族以外の人の手助けをする活動が4.3パーセント、それ以外のボランティア活動が4.1パーセントと続く。入口の広さには7倍以上の差がある。

場に入った人と入っていない人で、孤独感は3倍ちがう

参加が関係の数を増やすかどうかは直接測られていないが、孤独感との対応は集計されている。孤独感が「しばしばある・常にある」と答えた割合は、いずれかの活動に参加している5,437人では2.1パーセント、特に参加はしていない6,328人では6.5パーセントだった。3倍を超える差である。

全体の水準も押さえておきたい。調査結果のポイントでは、孤独感が「しばしばある・常にある」が4.5パーセント、「時々ある」が13.7パーセント、「たまにある」が19.5パーセントとなっており、合わせて4割ほどに何らかの孤独感がある。参加している層の2.1パーセントは、全体より半分以下の水準に収まっている。

ここで注意したいのは因果の向きである。孤独感が薄い人ほど参加しやすいという経路も同じ数字を説明できるため、参加すれば孤独が消えるとは言えない。言えるのは、参加している層とそうでない層のあいだに無視できない差があり、入口に立つかどうかが分かれ目として現れているということである。地域の集まりそのものをどう立ち上げるかは地域コミュニティの作り方を扱った記事で整理した。

声をかける側に回る人は、半分に届かない

場に入っても誰も話しかけてこないという経験は、個人の問題ではなく分布の問題でもある。まわりに不安や悩みを抱えている人がいたら積極的に声掛けや手助けを「しようと思う」と答えた人は48.4パーセントで、「しようと思わない」が10.7パーセント、「わからない」が39.6パーセントだった。

この割合は世代で大きく動く。男性は16〜19歳が63.9パーセント、20歳代が64.0パーセントだが、60歳代では39.5パーセントまで下がる。女性は16〜19歳が76.0パーセント、20歳代が65.0パーセントで、全体値は男性45.3パーセント、女性51.4パーセントである。若い世代が集まる場のほうが、声がかかる確率は高い。

半数が声をかけないという前提に立てば、待つ姿勢は不利だと分かる。同時に、自分が声をかける側に回れば相手にとっての48.4パーセントの側になれる。一度の場で関係ができなかったことを自分の資質に結びつける前に、分布のほうを見ておいたほうがよい。

入口を選ぶ3つの条件と、最初の3か月

どの場を選ぶかには判断の軸がある。第一に、同じ顔ぶれが繰り返し集まるかどうかである。一回限りの催しは接点にはなるが、関係が育つ回数に届かない。第二に、目的が関係づくり以外にあるかどうかである。競技や制作、学習、地域の運営のように目的が別にある集まりは、会話の材料が自動的に供給される。種類別の入口としては趣味や自己啓発の活動が30.5パーセントと最も広く、ここから探すのが確率として素直である。地域の催しの形を比べるなら国際交流イベントの種類と選び方を整理した記事が目安になる。

第三に、役割を持てるかどうかである。受付や記録、連絡の担当のような小さな役は、話しかける理由と話しかけられる理由を同時につくる。手助けをする活動は4.3パーセント、それ以外のボランティア活動は4.1パーセントと参加者が少ないため、役割が空いていることが多い。初めて関わるときの心構えはボランティアの5つの軸をまとめた記事にある。地域と若い世代の接点をつくるFLASPOの企画も、役割を割り当てる形で関わりを設計している。

時間の見積もりも必要である。参加の間隔が月1回なら、3か月で顔を合わせる回数は3回にとどまる。週1回の枠を選べば同じ3か月で12回になり、名前と事情を覚える段階まで進む。新しい友人ができないという感覚の内訳は、相性ではなく回数の不足であることが多い。

よくある質問

社会人になってから友人はできますか。内閣府の調査では、いずれかの活動に参加している人が45.8パーセントいる。参加率が最も低い女性の20歳代でも30.5パーセントが何らかの活動に入っており、学校以外の経路が閉じているわけではない。

どの種類の活動から始めるのがよいですか。参加者数で見ると、スポーツ・趣味・娯楽・教養・自己啓発などの活動が30.5パーセントで最も広い。PTA・自治会・町内会などの活動は16.9パーセントで、居住地が決まっていれば入口が明確という利点がある。

人見知りでも場に入れば関係はできますか。声掛けや手助けをしようと思う人は48.4パーセントで、わからないと答えた人が39.6パーセントいる。待つだけでは半分の確率に賭けることになるため、役割のある参加形態を選ぶほうが接点が生まれやすい。

参加すれば孤独感は減りますか。参加している人の「しばしばある・常にある」は2.1パーセント、参加していない人は6.5パーセントという差がある。ただし孤独感が薄い人ほど参加しやすいという向きも考えられるため、参加が原因であると断定はできない。

20歳代と30歳代で参加率が低いのはなぜですか。調査は理由を尋ねていないが、16〜19歳では部活動を含む趣味・教養の活動が男性47.7パーセント、女性45.6パーセントと高く、学校を離れると用意された枠が消えることが読み取れる。

どのくらいの頻度で通えばよいですか。頻度そのものの基準は公的な調査にはない。目安としては、同じ人と月1回会う枠より週1回会う枠のほうが3か月で4倍の回数になり、名前と事情が記憶に残る段階まで届きやすい。


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