地方創生SDGsのアワードを探すと何に当たるか|金融表彰と未来都市

名前で検索しても、その制度は出てこない

ゼミの指導教員から「地方創生SDGsのアワードに出してみたら」と言われて検索すると、話が噛み合わなくなる。その名前の賞は見つからず、代わりに国の表彰、自治体を選ぶ選定、民間団体が主催する催しが混ざって並ぶ。どれも似た語を使うので、応募できるのかどうかが読み取りにくい。

混乱の原因は、SDGsと地方創生を重ねた国の仕組みが一つではないところにある。公募して功績を表彰する形、提案を受けて自治体を選ぶ形、自治体が自分の名前で作る登録制度と、三つの違う作りが並行して動いてきた。応募の主体も、自治体だけのものと、自治体と金融機関が連名で出すものに分かれる。

先に押さえておくと早いのは、学生が個人で出せる枠はこのなかにないという点である。いずれも自治体か事業者が主体で、学生の関わり方は提案の中身に入るか、選ばれた取組の担い手になるかのどちらかになる。

以下では内閣府が公表している資料から、それぞれの制度がいまどの状態にあるのかを確かめる。止まっているものと続いているものを分けておけば、どこを見ればよいかが決まる。

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表彰として作られた枠は第三回で止まっている

内閣府が令和3年11月に創設したのが「地方創生SDGs金融表彰」である。自治体と地域金融機関が連携して地域事業者を支える仕組みを作った取組のうち、特に功績が見られたものを内閣府特命担当大臣が表彰する形で、公募して選ぶ数少ない枠だった。

第1回には全59件の応募があり、そこから5つの取組が選ばれて3月14日に授与式が開かれた。第2回の授与式は令和5年2月13日、第3回は同年11月30日に自見はなこ内閣府特命担当大臣が出席して行われ、静岡県富士市と富士市SDGs応援団、愛知県豊田市と豊田信用金庫などが表彰されている。

ところが内閣府のページに並ぶのは第1回から第3回までで、その先の回は掲載されていない。公募要項に記されていた応募の条件は、地方公共団体等と地域金融機関等の連名に限るという形だった。第3回の公募期間は令和5年7月11日から8月25日までで、以後の公募の告知も見当たらない。

制度の説明と各回の資料は内閣府の地方創生SDGs金融のページにまとまっている。表彰という言葉で探して行き着く先は、現時点ではここで途切れると考えたほうがよい。

毎年続いているのは表彰ではなく選定である

止まっていないのは、提案を受けて自治体を選ぶ側の仕組みである。2018年度に始まった「SDGs未来都市」は、自治体SDGs推進評価・調査検討会が書面で評価して選ぶ形をとっており、昨年度までに215都市が選ばれ、そのなかから自治体SDGsモデル事業が70事業選定されてきた。

九年目となる2026年度は4都市が選ばれた。うち二つは町村で、千葉県佐倉市、神奈川県座間市、京都府京丹波町、鹿児島県喜界町が並ぶ。発表は2026年7月7日、選定証の授与式は同年7月27日に黄川田仁志地方創生担当大臣が出席して行われた。年間の選定数が二桁だった時期と比べると、入口はかなり狭くなっている。

もう一つ、2026年度には「地方創生SDGs課題解決モデル都市」が3自治体選ばれている。発表は令和8年6月12日で、未来都市とは別の募集要領と選定基準が置かれた枠である。どちらも提案書を出すのは自治体であり、授賞式ではなく選定証の授与という形をとる。

2026年度の総評には、2025年度の全国アンケート調査の結果も記されている。回答した1,371自治体のうち1,141自治体、83.2%がSDGsの達成に向けた取組を推進していると答えた一方、課題は小規模自治体でこそ残ると書かれている。資料は2026年度SDGs未来都市の選定についてから読める。

三つの作りを並べて見る

制度 作り 直近の規模 出す主体
地方創生SDGs金融表彰 公募して表彰 第3回(令和5年11月)まで 自治体と地域金融機関の連名
SDGs未来都市 提案を評価して選定 2026年度は4都市、昨年度までに215都市 自治体
自治体SDGsモデル事業 未来都市のなかから選定 昨年度までに70事業 自治体
地方創生SDGs課題解決モデル都市 提案を評価して選定 2026年度は3自治体 自治体
宣言・登録・認証制度 自治体が各自で制度を作る 105自治体が構築 地域の企業・団体

最後の行が、表彰や選定とは性格の違う枠である。内閣府はガイドラインを示すだけで、制度そのものは自治体が自分の名前で作る。札幌市の企業登録と先進企業認証、青森県の取組宣言登録、沖縄県の普及パートナー登録と認証のように、同じ県や市で宣言と登録と認証を使い分ける例もある。

構築した自治体は令和7年10月31日時点で105にのぼる。一覧には都道府県名、市区町村名、制度の型、制度名とURLが並び、どの地域にどんな受け皿があるかを一枚で追える。出典は地方創生SDGs宣言・登録・認証制度の構築自治体一覧である。

学生の側から見て、どこに手が届くか

自治体が出す提案に学生の活動が書き込まれる形は、実際にある。未来都市の提案は地域の課題と資源の分析を求められるため、大学のゼミや学生団体が現地で集めたデータが素材になる。ただし提案書を書くのは自治体であり、応募の名義に学生の団体名が載ることはない。

手が届きやすいのは、地域の企業や団体が対象になる宣言・登録・認証の側である。学生団体が法人格を持たない場合は対象外になることも多いが、制度のページには登録された企業の一覧が載るため、連携先を探す名簿として使える。地域で動く事業者の顔ぶれを知るのに、これより早い資料は少ない。

もう一つの道は、企画を競う場との使い分けである。表彰や選定で評価されるのは続けた期間と残った結果なので、活動が始まったばかりなら、企画の段階で出せるコンテストのほうが向く。地域側の担当者と早い段階で話したい場合は、学生と地域をつなぐ事業者を通す手もある。

国の表彰制度の見分け方は地方創生のアワードの見分け方、自治体のSDGsの取組全体はSDGsと自治体、学生が応募できる競う場はSDGsをテーマにした学生コンテストにまとめてある。地域の窓口を探す段階ではFLASPOのような仲介を使うと話が早い。

よくある質問

金融表彰は終わったと言い切ってよいか。公表資料からは第3回までしか確認できず、終了の告知も出ていない。再開の可能性は残るので、終わったと書くのではなく「第3回以降の公募は確認できない」と書くのが正確である。

未来都市に選ばれた自治体に学生が関わる方法はあるか。ある。選定された自治体はSDGs未来都市計画を作って公開しているため、計画に書かれた事業のうち担い手を募っているものを探せばよい。計画の概要資料は内閣府のページから自治体ごとに読める。

応募資格に学生が入る枠は本当にないか。ここで挙げた四つの国の枠には入らない。学生個人や学生団体が直接応募できるのは、民間団体や企業が主催する企画型のコンテストである。両者は募集要領の冒頭の数行で区別できる。

83.2%という割合は何を意味しているか。回答した1,371自治体のうち、SDGsの達成に向けた取組を推進していると答えた団体の割合である。取組の内容や進み方を評価した数値ではないため、推進していると答えた自治体の中身は幅が広い。

自分の地域に宣言・登録・認証の制度があるかを調べたいときは。一覧のPDFに都道府県と市区町村が並んでいるので、そこで名前を探すのが確実である。載っていない場合でも、県の制度が市町村内の事業者を対象にしていることがあるため、県の欄も合わせて見ておく。


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