就職活動が9か月以上に及ぶ人が、半数近くを占める
三年生の秋に「そろそろ就活だ」と言われても、それがどれだけの期間になるのかは実感しにくい。内閣府が2025年12月12日に公表した学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査によれば、就職活動の始まりから終わりまでの期間を「9か月間程度以上」と答えた学生は47.7パーセントだった。公務員と教職員の志望者を除いた2,525人の回答である。
内訳をみると、3か月間程度以内で終えた人は13.6パーセントしかいない。4か月が7.1パーセント、5か月が5.3パーセント、6か月が5.5パーセント、7か月が6.6パーセント、8か月が8.6パーセントで、回答時点でまだ終わっていない人が5.6パーセントいた。短期で区切れる活動ではなく、学年をまたいで続く活動だと数字が示している。
この割合は年々上がってきた。9か月間程度以上と答えた学生は2021年度調査で37.9パーセント、2022年度で41.9パーセント、2023年度で43.1パーセント、2024年度で48.3パーセントである。調査全体の有効回答は4,415人で、うち大学4年生が3,157人、大学院2年生が1,258人だった。
| 就職活動に要した期間 | 今年度調査の割合 |
|---|---|
| 3か月間程度以内 | 13.6% |
| 4か月間程度 | 7.1% |
| 5か月間程度 | 5.3% |
| 6か月間程度 | 5.5% |
| 7か月間程度 | 6.6% |
| 8か月間程度 | 8.6% |
| 9か月間程度以上 | 47.7% |
| まだ終わっていない | 5.6% |
始まりはインターンシップの登録画面だった、という人が多い
では9か月の起点はどこにあるのか。同じ調査は、就職活動が「始まった」と考えるタイミングをたずねている。最も多いのは就職活動の準備に関する項目で45.5パーセント、次がインターンシップに関する項目で27.8パーセント、具体的なアクションに関する項目が21.0パーセントだった。回答者は3,285人である。
細かい選択肢で最も選ばれたのは、「インターンシップと呼称されるもの」に関するウェブサイトに登録した時で18.4パーセントだった。参加そのものより前、登録という手続きの時点を始まりとして記憶している人が最多だということになる。面接や説明会よりずっと手前に線が引かれている。
インターンシップと呼称されるものに参加した学生は約7割で、そのうち複数回参加した人が63.7パーセント、最長で5日以上を経験した人が40.1パーセントだった。5日以上の割合は前年の34.6パーセントから上がっている。参加の時期は大学4年生の回答では大学3年生の7月から本格化していた。三年生の夏休みが、実際の分かれ目になっている。
判断が集中するのは3月から5月の三か月間である
長く続く活動のなかでも、結果が出る時期は狭い。最初の内々定を受けた時期を累積でみると、2月までに約4割、4月までに約7割、5月までに約9割の学生が受けている。月別では3月が最も高く、過去の調査と比べて4月から6月の割合が下がった。前倒しの傾向が年ごとに進んでいる。
説明会の側も早まった。企業説明会やセミナー等へ参加した時期のピークを卒業・修了前年度の9月以前と答えた学生は33.7パーセントで、前年の27.5パーセントから増えている。採用を目的とした説明会に限っても、9月以前とする回答は14.0パーセントで、前年の10.3パーセントを上回った。
学生の受け止め方にも偏りがある。広報活動を3月1日以降とする日程について、「ルールは必要だが現在の開始時期より早い方がよい」または「ルールは必要ない」と答えた学生は合わせて49.5パーセントだった。採用選考活動の6月1日以降については48.1パーセント、正式内定の10月1日以降については35.5パーセントである。この時期に予定を入れにくくなるのは、制度の線と実際の線がずれているからでもある。
「今は学業や仕事にうちこみたい」は独身の理由の上位にある
就活期に交際が後ろに回るという感覚は、全国調査にも現れている。国立社会保障・人口問題研究所の第17回出生動向基本調査では、18〜24歳の未婚者が現在独身でいる理由として「今は、仕事(または学業)にうちこみたいから」を挙げた割合が男性36.6パーセント、女性40.3パーセントだった。回答の総数は男性786、女性906である。
前回2021年の調査では男性34.8パーセント、女性42.1パーセントだったので、水準はほぼ変わっていない。同じ年齢層では「結婚するにはまだ若すぎるから」が男性43.4パーセント、女性43.7パーセント、「結婚する必要性をまだ感じないから」が男性32.6パーセント、女性32.2パーセントで、学業や仕事を理由に挙げる人はこれらと並ぶ位置にいる。
注意しておきたいのは、この項目が結婚を先に延ばす理由をたずねたものであって、交際そのものをやめる理由ではない点である。恋愛を悩みとして挙げる大学生は18.3パーセントで、学年が上がるほど下がるという結果もある。就活が進むにつれて関心の順位が入れ替わる、という形で読むほうが実態に近い。
就活が終わる年齢と、出会いが集まる年齢は重なっている
就職活動はほとんどの学生で結果が出る。厚生労働省と文部科学省が2026年5月22日に公表した令和8年3月大学等卒業者の就職状況では、4月1日現在の大学(学部)の就職率は98.0パーセントで、前年同期と同水準だった。活動が長引いても、出口の数字そのものは高い位置で安定している。
そして活動を終える21歳から23歳あたりは、結婚に至った組が相手と出会った年齢とちょうど重なる。出生動向基本調査によれば、過去5年間に結婚した初婚どうしの夫婦のうち恋愛結婚の組の平均知り合い年齢は夫24.63歳、妻23.20歳である。就活で埋まる時期は、出会いが細る時期ではなく、むしろ密度が高い時期にあたる。
両立の条件を数字から引き出すとすれば、三年生の夏から四年生の春までの約9か月を「予定が読めない期間」として先に共有しておくことだろう。出会いの経路としては学校が最多で、ネット経由が約2割を占めるという構成も、在学中という条件に依存している。進路と住む場所をどう決めるかという論点まで含めて考える材料はFLASPOでも扱っている。
よくある質問
就職活動はどのくらいの期間かかりますか。内閣府の2025年度調査では、9か月間程度以上と答えた学生が47.7パーセントで最多でした。3か月間程度以内で終えた人は13.6パーセントです。学年で言えば三年生の夏から四年生の春までが目安になります。
就活はいつから始まったと考える人が多いのですか。就職活動の準備に関する項目を挙げた人が45.5パーセント、インターンシップに関する項目が27.8パーセントでした。単独の選択肢ではインターンシップ関連のウェブサイトに登録した時が18.4パーセントで最も高くなっています。
内々定はいつ出ますか。最初の内々定を受けた時期は累積で2月までに約4割、4月までに約7割、5月までに約9割です。月別では3月が最も高く、春に判断が集中します。公務員と教職員の志望者はこの集計から除かれています。
就活中に交際を続けるのは難しいのでしょうか。公的な調査で両立の成否を測った数字はありません。わかっているのは、18〜24歳が独身でいる理由として学業や仕事を挙げる割合が男性36.6パーセント、女性40.3パーセントであることと、20〜24歳で恋人または婚約者がいる割合が男性23.3パーセント、女性30.7パーセントであることです。
インターンシップには参加したほうがよいのですか。参加の是非を示す統計はありませんが、参加した学生は約7割で、5日以上を経験した人は40.1パーセントと前年から増えています。参加が多数派である以上、参加しない場合は情報の取り方を別に用意しておく必要があります。
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