二人がいつ出会ったのかは、結婚した夫婦の記録から逆算できる
在学中のカップルだけを全国規模で数えた統計は、探しても出てこない。代わりに手がかりになるのは、結婚した夫婦に「相手といつ知り合ったか」をたずねた記録である。国立社会保障・人口問題研究所が2026年9月11日に公表した第17回出生動向基本調査によれば、調査時点より過去5年間に結婚した初婚どうしの夫婦のうち、恋愛結婚の組の平均知り合い年齢は夫24.63歳、妻23.20歳だった。客体数は夫375、妻375である。
妻の23.20歳という値は、四年制大学の在学中から卒業直後にあたる。いま在学中に始まった関係の一部は、数年後にこの欄の数字として集計される側へ回っていく。見合い結婚の組では平均知り合い年齢が夫31.23歳、妻29.64歳で、6歳から7歳の開きがつく。学校という場を通るかどうかが、出会う年齢の違いとして残っているとみてよい。
全結婚を合わせた平均では夫26.19歳、妻24.79歳である。つまり結婚に至った組の平均像は、二十代前半で相手と出会っている。恋人がいる割合そのものは20代前半で大きく動くが、その動きの先にこの年齢分布がつながっていると考えると、在学中の交際の位置づけが見えやすくなる。
恋愛結婚の交際期間は平均5.52年まで伸びた
同じ調査は、知り合ってから結婚するまでの平均交際期間も出している。過去5年間に結婚した初婚どうしの夫婦全体で4.47年、恋愛結婚に限ると5.52年だった。前回2021年の調査では恋愛結婚が4.88年だったので、0.6年ほど長くなっている。客体数は全結婚536組、恋愛結婚375組である。
妻が23.20歳で相手と知り合い、そこに5.52年を足すと28.7歳になる。恋愛結婚の組の平均初婚年齢は妻28.60歳、夫30.08歳なので、計算はおおむね合う。在学中に始まった交際は、卒業・就職・転居という生活の切れ目を何度もまたいで続く前提で考えることになる。四年間で完結する関係として設計されていない、という言い方もできる。
この4.47年という平均は、長い目で見ると伸び続けてきた値である。全結婚の平均交際期間は1987年の調査で2.56年、2002年で3.63年、2015年と2021年はともに4.31年だった。40年近くかけて2年ほど長くなっている。出会ってすぐ結婚を決める組が減り、交際を重ねたうえで判断する組が増えた結果と読める。
| 結婚の形 | 平均知り合い年齢(夫/妻) | 平均初婚年齢(夫/妻) | 平均交際期間 |
|---|---|---|---|
| 全結婚(総数) | 26.19歳/24.79歳 | 30.60歳/29.18歳 | 4.47年 |
| 恋愛結婚 | 24.63歳/23.20歳 | 30.08歳/28.60歳 | 5.52年 |
| ネットで知り合った | 29.24歳/28.04歳 | 31.31歳/30.08歳 | 2.13年 |
| 見合い結婚 | 31.23歳/29.64歳 | 33.00歳/31.56歳 | 1.81年 |
同棲している人の割合は、在学中にはまだ小さい
二人で暮らし始める段階になると、年齢の線がはっきり出る。同じ調査の同棲経験をみると、20〜24歳の未婚者で「現在同棲している」と答えたのは男性3.3パーセント、女性3.5パーセントである。「以前はあるが現在はしていない」を足した経験率でも男性5.0パーセント、女性5.8パーセントにとどまる。客体数は男性575、女性648だった。
18〜19歳はさらに少ない。現在同棲している割合は男性0.0パーセント、女性0.4パーセントで、過去に同棲した経験がある人は男女とも0.0パーセントだった。客体数は男性211、女性258である。入学したばかりの層では、同棲という選択がほぼ現れない。
在学中のカップルの大多数は、別々の住まいを持ったまま交際しているということになる。実家か下宿か、どちらの家に行くのかという話し合いが日常の中心になりやすいのは、この構造から来ている。在学中は時間とお金の裁量が小さいため、住まいをまとめるという判断までは届きにくい。
同棲が増えるのは卒業したあとの数年である
25〜29歳に目を移すと景色が変わる。現在同棲している割合は男性6.0パーセント、女性8.1パーセントで、20代前半のおよそ2倍である。経験率は男性10.9パーセント、女性15.7パーセントになり、女性は前回調査の12.9パーセントから増えた。18〜34歳の未婚者全体でも男性6.7パーセント、女性9.8パーセントと、前回の男性6.4パーセント、女性8.2パーセントから微増している。
意識の側も合わせて見ておきたい。「男女が一緒に暮らすなら結婚すべきである」という考え方に賛成する未婚者は男性61.8パーセント、女性52.3パーセントで、反対は男性36.7パーセント、女性45.9パーセントだった。同棲を結婚の前段階として置く見方は、まだ多数派に近い位置にある。
在学中の関係の形がそのまま延長されるわけではない、というのがここまでの要点である。卒業して収入と住居の自由度が上がる時期に、住まいの形と関係の段階が同時に動く。交際期間が5年を超えるという平均値は、その移動の時間を含んだ数字だと読める。
出会い方が違うと、交際の長さも変わってくる
交際期間は出会いの経路によっても差がつく。恋愛結婚の5.52年に対し、アプリやSNSを含む「ネットで」知り合った夫婦は2.13年、見合い結婚は1.81年だった。ネット経由の組は知り合った年齢も夫29.24歳、妻28.04歳と高く、客体数は108組である。結婚を決める時期の近くで出会えば、交際の期間は短く収まる。
在学中の交際はこの逆の位置にある。結婚を判断する年齢から5年以上離れた場所で始まるので、途中で進路や勤務地が変わる確率が高い。知り合うきっかけとしては学校が最多で、ネット経由が約2割に増えているという未婚者側の数字と合わせると、在学中に出会う経路は依然として太いが、時間の試され方が違うとわかる。
地域を離れるか残るかという判断も、この時期に重なってくる。進学で地元を出た二人が就職でどこに住むかを決める場面は、関係の続き方を左右する。暮らす場所と人とのつながりを考える材料はFLASPOでも扱っている。平均値は参考線にすぎないが、自分たちがどの時間軸にいるのかを測るには使える。
よくある質問
大学生で同棲している人はどのくらいいますか。20〜24歳の未婚者で現在同棲しているのは男性3.3パーセント、女性3.5パーセントです。18〜19歳では男性0.0パーセント、女性0.4パーセントで、在学中の同棲はごく少数にとどまります。割合が上がるのは25〜29歳で、男性6.0パーセント、女性8.1パーセントになります。
在学中に出会った相手と結婚する人は多いのでしょうか。出生動向基本調査は出会った場所と結婚の対応を直接は示していません。ただし恋愛結婚の平均知り合い年齢が夫24.63歳、妻23.20歳であることから、在学中から卒業直後に出会った組が相当数を占めると読めます。
交際期間は長いほうがよいのでしょうか。調査の数字は良し悪しを示すものではありません。経路によって1.81年から5.52年まで幅があり、出会った年齢が若いほど結婚までの距離が長くなるという関係があるだけです。自分たちの交際がどの位置にあるかを確かめる目安として使ってください。
同棲を始めるときに確認しておくことは何ですか。統計からは言えませんが、住居費と光熱費の分担、親への伝え方、住民票を移すかどうかという三点は実務として必ず出てきます。賃貸契約は二人入居が可能かどうかを事前に確認する必要があり、学生向け物件では認められない場合もあります。
数字の出どころを確かめたいときはどうすればよいですか。本文の数値はすべて第17回出生動向基本調査の結果概要と、その基礎データとして公開されているCSVから取っています。図表5-1が結婚形態別の年齢と交際期間、図表2-7が年齢別の同棲経験にあたります。
遠距離になった場合の割合は調べられますか。出生動向基本調査には交際相手との距離をたずねる項目がないため、公的な統計からは出せません。進学や就職での転居が交際期間の途中に入ることは、平均初婚年齢が夫30.60歳、妻29.18歳という値から推測できる範囲にとどまります。
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