大学生の恋愛と若者|結婚意向73.4%と「できるなら」の3分の1

大学生の恋愛と若者|結婚意向73.4%と「できるなら」の3分の1

若い世代を並べると、大学生の結婚意向は高い側に位置する

「若者は結婚しなくなった」という言い方は、年齢の幅を一つにまとめている。こども家庭庁が2024年11月にまとめた若者のライフデザインや出会いに関する意識調査は、15〜39歳を四つのライフステージに分けて結婚の意向をたずねている。今後結婚したいと答えた割合は、未婚者全体で63.8パーセントだった。

内訳を見ると順番がはっきりする。高校生が74.0パーセントで最も高く、大学生が73.4パーセント、20代の社会人が64.0パーセント、30代の社会人が50.8パーセントである。ステージが上がるほど意向は下がっていく。調査は2024年7月のウェブ調査で、本調査の回収は20,000人、うち未婚者が18,000人だった。大学生の客体数は2,292人である。

つまり在学中の層は、若者のなかで結婚を望む割合が二番目に高い。「若者の恋愛離れ」という言葉で大学生を説明すると、この順位を取り違えることになる。20〜24歳で恋人または婚約者がいる割合は男性23.3パーセント、女性30.7パーセントだが、意向の側はそれよりずっと高い水準にある。

ライフステージ 結婚したい(計) したくない側(計) 客体数
高校生(未婚) 74.0% 14.2% 2,143
大学生(未婚) 73.4% 14.1% 2,292
20代社会人(未婚) 64.0% 19.6% 6,307
30代社会人(未婚) 50.8% 28.1% 6,682
未婚者計 63.8% 19.9% 18,000
こども家庭庁「令和6年度 若者のライフデザインや出会いに関する意識調査 最終報告サマリ」から作成。2024年7月実施、対象は15〜39歳
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「できるならしたい」が3分の1を占めている

73.4パーセントという数字は、強い希望と弱い希望を足したものである。大学生の回答を選択肢ごとに分けると、「結婚はしたい」が39.5パーセント、「結婚はできるならしたい」が33.9パーセントだった。言い切っている人は4割弱で、残りは条件つきの意向にとどまる。

反対側は「結婚はできればしたくない」が5.1パーセント、「結婚はしたくない」が8.9パーセントで、合わせて14.1パーセントである。このほか「法律婚ではなく、事実婚などを考えてみたい」が1.6パーセント、「わからない」が10.9パーセントだった。拒否している層は小さく、保留している層が厚いという形になっている。

この分布は、在学中の判断の多くが先送りになっている事情と対応している。結婚意向のある未婚者のうち88.3パーセントが子どもを希望しており、意向のない未婚者でも31.6パーセントが子どもを希望していた。希望の形は一枚ではなく、段階ごとに別の答えが出てくる。

「一生結婚するつもりはない」が初めて2割を超えた

同じ時期に、別の全国調査が反対方向の変化を記録している。国立社会保障・人口問題研究所が2026年9月11日に公表した第17回出生動向基本調査によれば、18〜34歳の未婚者で「いずれ結婚するつもり」と答えた割合は男性75.1パーセント、女性77.8パーセントとなり、初めて8割を下回った。前回2021年は男性81.4パーセント、女性84.3パーセントだった。

裏返しの「一生結婚するつもりはない」は男性24.0パーセント、女性21.5パーセントで、こちらは初めて2割を超えた。前回は男性17.3パーセント、女性14.6パーセントである。4年間で男性が6.7ポイント、女性が6.9ポイント動いた。

ただし報告書は、この層が固定したわけではないとも書いている。「一生結婚するつもりはない」と答えた人のうち、今後考えが変わる可能性を否定しなかったのは男性で4割程度、女性で5割弱だった。変わる理由として選ばれたのは「結婚したいと思う相手が現れる」が最多で、次に「収入や貯蓄が増える」が続く。18〜34歳という広い枠の平均値であり、在学中の層だけを取り出した数字ではない点にも注意がいる。

壁として挙がるのは、出会いの場がないことである

意向があるのに進まないとき、何が止めているのか。こども家庭庁の調査では、結婚へのハードルとして最も多く選ばれたのは「そもそも出会いの場所・機会がないこと」で、未婚者全体の29.3パーセントが挙げた。ライフステージ別では大学生が30.4パーセント、20代社会人が29.0パーセント、30代社会人が34.1パーセントである。

高校生だけは順番が違い、最も高いのは「恋愛の仕方がわからないこと」の24.6パーセントだった。未婚者と既婚者を比べたとき差が最も大きかった項目もこれで、約14ポイントの開きがある。次が「自分が結婚しているイメージができないこと」で約12ポイント差だった。経験の有無が意識の差として残っている。

出会いの場がなかった理由としては、「自分に自信がないから」が57.1パーセントで最も高く、次に自分から積極的にアプローチすることが得意ではないという回答が続く。場の数だけの問題ではないことになる。知り合うきっかけは学校が最多で、ネット経由が約2割を占めるという経路の構成と合わせると、在学中は場の側の条件が比較的そろっている時期だと読める。

一人でいることの居心地が、以前より良くなっている

変化は希望の有無だけでなく、日々の過ごし方にも出ている。出生動向基本調査の生活スタイルの項目で、「一人の生活を続けても寂しくないと思う」にあてはまると答えた未婚者は男性60.3パーセント、女性55.2パーセントだった。2021年は男性56.7パーセント、女性50.7パーセント、2015年は男性48.4パーセント、女性36.2パーセントである。10年で女性が19.0ポイント上がっている。

同時に「生きがいとなるような趣味やライフワークを持っている」は男性66.6パーセント、女性68.5パーセントまで来た。独身でいる理由として「今は、趣味や娯楽を楽しみたいから」を挙げた18〜24歳は男性22.1パーセント、女性23.5パーセントで、前回の男性20.4パーセント、女性20.8パーセントから増えている。時間の使い道が増えた結果、交際が唯一の選択肢ではなくなった。

一方で「欲しいものを買ったり、好きなことに使えるお金が少ない」は男性48.7パーセント、女性44.5パーセントで、前回から上がっている。在学中の時間とお金の裁量は思ったより小さいため、この制約は在学中の層により強く効く。学校の授業などでライフデザインを学んだ経験がある大学生は38.6パーセント、高校生は43.6パーセントで、進路や家族の形を考える機会そのものはまだ全員に届いていない。地域との関わりから暮らしの選択肢を広げる取り組みはFLASPOでも紹介している。

よくある質問

大学生は結婚したいと思っているのですか。こども家庭庁の調査では73.4パーセントが今後結婚したいと答えています。内訳は「結婚はしたい」が39.5パーセント、「結婚はできるならしたい」が33.9パーセントで、条件つきの意向が3分の1を占めます。

若者全体では結婚意向はどう変わりますか。高校生74.0パーセント、大学生73.4パーセント、20代社会人64.0パーセント、30代社会人50.8パーセントで、年齢が上がるほど下がります。在学中の層は若者のなかで高い側に位置しています。

結婚しないと答える人が増えているのはなぜですか。出生動向基本調査は、結婚に利点を感じない人が増えたことを背景として挙げています。あわせて経済的な問題や交際の難しさを抱える人が、結婚したいができないという捉え方から考えを変えた可能性も指摘されています。

二つの調査で数字が違うのはどういうことですか。対象と設問が違います。こども家庭庁の調査は15〜39歳のウェブ調査で、ライフステージ別に「今後結婚したいか」をたずねています。出生動向基本調査は18〜34歳の未婚者を対象にした全国調査で、生涯の結婚意思を二択でたずねています。比べるときは枠を確認してください。

数字の出どころを確かめる方法はありますか。こども家庭庁の調査は最終報告サマリが公開されており、設問番号つきで結果が載っています。出生動向基本調査は結果の概要に加えて、図表ごとの基礎データがCSVで公開されているので、本文の割合はそこから確かめられます。


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