Makuakeの手数料20%|All inとAll or Nothingで手取りが変わる

Makuakeの手数料20%|All inとAll or Nothingで手取りが変わる

目標金額を50万円に置いたとして、手元に残るのはいくらか。この問いに答えられないまま掲載を申し込むと、材料費の計算が最後に狂う。Makuakeは料率も入金日も公式ページに書いてあるので、申し込む前に紙の上で一度通しておける。運営会社は株式会社マクアケで、2013年5月1日に設立され、東京証券取引所に上場している(証券コード4479)。

集まった額と使える額の間に、2割の差がある

公式の料金ページが示す料率は、応援購入総額に対して税抜20パーセントである。初期費用はかからず、決済手数料はこの20パーセントに含まれる。消費税率10パーセントを加えると実際に引かれるのは税込22パーセント相当で、50万円が集まった場合は11万円が引かれ、受け取るのは39万円になる。リターンの原価と送料をこの39万円から出すことになるため、目標金額は必要額を1.28倍したあたりが出発点になる。

この料率は据え置きだったものではない。株式会社マクアケが2024年6月21日に出したお知らせによれば、それまでの税抜18.2パーセントから税抜20パーセントへ改定され、適用は2024年7月22日の申し込み分からとされた。掲載申込が2024年7月21日までかつプロジェクト開始が2024年10月1日以降のものも新料率の対象に含まれている。同社はサービス開始から約11年にわたって料率を据え置いてきたと説明しており、サーバー料金を含むコスト上昇を改定の理由に挙げている。古い解説記事が18.2パーセントのまま残っている場合があるので、数字は公式ページ側で確かめたい。

注意したいのは、20パーセントに含まれないものの範囲である。料金ページは手数料の範囲外として、広告配信代行(有償)、プロジェクトページの作成、お客様対応、リターンの梱包と配送を挙げている。ページを自分たちで作り、問い合わせに自分たちで答え、箱に詰めて送るところまでが実行者の仕事だという前提だ。入金は終了月の月末締めで翌月25日となっており、1月に終わったプロジェクトなら2月25日に振り込まれる。先に立て替えが必要な費用があるなら、この1か月以上のずれを資金計画に入れておく。

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目標に届かなかったときの意味が、方式で反転する

同じ50万円という目標でも、選んだ方式によって未達の結果がまったく違う。All or Nothing方式では、期間内に目標金額を達成した場合に限り、手数料を除いた応援購入額を受け取れる。届かなかった場合はサポーターからの申込みがキャンセルされて全額返金となり、リターンも発生せず、運営側の手数料も生じない。公式ページはこの方式を「最低いくら集まったらこれができる」という必要資金が明確なプロジェクトに有効だと説明している。

All in方式では、目標に届かなかった場合でも期間終了日までに集まった額を受け取れる。ただし、必ずサポーターへリターンを届ける義務が残る。目標の半分しか集まらなくても、申し込んだ人の数だけ商品を作って送らなければならない。金型代のように一定数をまとめて作らないと単価が合わない作り方をしているなら、少ない数で義務だけが残る形は危うい。先に材料を買う必要があり、かつ少量では赤字になるなら、返金で白紙に戻せるAll or Nothingのほうが守りは固い。

言い換えると、方式の選択はリスクをどちらに寄せるかの選択である。All or Nothingは「達成できなければ何も起きない」かわりに全額返金の可能性を抱え、All inは「集まった分は必ず使える」かわりに履行義務を必ず背負う。学園祭の模擬店のように収入の柱を複数持つ企画なら、ほかの手段との組み合わせ方も変わってくる。資金の集め方を横に並べて考えたい場合は、学園祭の収入源を並べる|模擬店・協賛・助成と税の線引きも合わせて読んでおくと判断の材料が増える。

最初に詰まるのは企画書ではなく、役所の紙である

学生が個人で挑戦できるのかという点について、ヘルプは明快に答えている。個人か法人かを問わず誰でもエントリーでき、過去には未成年者やNPO法人による実施例もあるという。ただし事前に審査があり、実施は確約されない。審査の基準そのものは公開されていないとヘルプに明記されているため、通るかどうかは申込フォームからの相談を経ないと分からない。

そして、企画を練るより先に手が止まりやすいのが必要書類である。個人の場合に求められるのは、住民票の写しまたは住民票の記載事項証明書、印鑑登録証明書、そして職務経歴書だ。前の2つは発行後3か月以内という期限が付く。印鑑登録証明書が要るということは、実印を市区町村に登録してあることが前提になる。登録を済ませていない学生はここで役所に行く日を1日確保する必要があり、郵送で取り寄せるなら余裕も要る。

申込主体 求められる書類 有効期限
個人 住民票の写しまたは記載事項証明書 発行後3か月以内
個人 印鑑登録証明書 発行後3か月以内
個人 職務経歴書 期限の定めなし
法人 履歴事項全部証明書 発行後6か月以内
法人 法人の印鑑登録証明書 発行後6か月以内
法人(設立6か月以内) 代表者の職務経歴書 期限の定めなし

年齢の線はどこに引かれるか。民法第4条は「年齢十八歳をもって、成年とする」と定めており、大学生の多くはすでに成年にあたる。18歳未満であれば民法第5条第1項により法定代理人の同意が必要で、同条第2項はこれに反する法律行為を取り消すことができるとしている。Makuake側も未成年の実行者には保護者の同意書の提出を求めている。なお申込書そのものは電子押印での提出となるため、紙の押印が要るのは役所から取る証明書の側だと整理できる。団体名義で進めるか個人名義で進めるかを迷っているなら、学生団体の作り方|任意団体のまま進むか法人格を取るかで決めるが判断の軸をまとめている。

「世界初」と書くには、根拠の紙が付いてくる

ページの文章にも制約がある。ヘルプは、世界初・独自開発・革新的といった強調表現を含める場合には、それを証明できる書類の提出が必要だと明記している。審査の厳しさを運営側の慎重さと受け取る人もいるが、背景には法律がある。

不当景品類及び不当表示防止法の第7条第2項は、内閣総理大臣が措置命令に関して、事業者の表示が同法第5条第1号に該当するかを判断するため必要と認めるときは、期間を定めて「当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる」と定める。そして資料が提出されないときは、その表示は同号に該当するものとみなされる。つまり根拠を出せないという事実そのものが、不当表示の認定につながる仕組みだ。

金額の規模も条文に書かれている。同法第8条第1項は、違反行為に係る商品や役務の売上額に100分の3を乗じた額の課徴金納付を命じなければならないとし、その額が150万円未満であるときは納付を命じることができないと定める。売上額が5,000万円を超えれば、その3パーセントは150万円を上回る計算になる。プラットフォームが掲載前に証明書類を求めるのは、実行者と場の両方をこの射程から外すための手続きだと見ておきたい。あわせて、法的に定められた資格や免許が必要な内容であれば、各種資格や証明書の写しの提出も求められる。

決算資料が示す、並んでいる競争相手の数

自分の企画がどれだけ埋もれるのかは、場の規模を見ると見当がつく。株式会社マクアケが2026年7月28日に公表した2026年9月期第3四半期の決算説明資料によれば、当四半期の掲載プロジェクト数は1,357件で、前年同期の1,342件から1.1パーセント増えている。当月に販売期間があったプロジェクトの数は1,055件とされており、ひと月のあいだに1,000件規模の企画が同時に並んでいることになる。

一方で、応援購入の件数は332,336件で前年同期の355,405件から6.5パーセント減っている。にもかかわらず応援購入総額(税込)は60億7,300万円、システム利用料を合わせた流通総額は62億1,600万円で過去最高を更新し、前年同期比では27.2パーセント増えた。月次のプロジェクト単価は188万円で前年同期から22.2パーセント上昇している。会員数は354万4,401人、アクセスのユニークユーザー数は1,187万3,511人である。

指標(2026年9月期第3四半期) 当四半期 前年同期
掲載プロジェクト数 1,357件 1,342件
応援購入件数 332,336件 355,405件
会員数 3,544,401人 3,180,906人
アクセスユニークユーザー数 11,873,511人 8,955,427人

この4つの数字を並べると傾向が読める。見に来る人は3割増え、買う件数は減り、1件あたりの金額と1プロジェクトあたりの金額は上がっている。大型のプロジェクトが総額を押し上げている構図で、小さな企画が自動的に人を集められる場ではない。コンテストや企画の実績を先に積んで支援者候補を作っておく道筋もあり、FLASPOのような学生向けのコンテストプラットフォームで経験と知名度を重ねてから挑戦する順番も選べる。

よくある質問

学生が個人名義で申し込めますか。ヘルプでは個人でも法人でもエントリーできるとされており、未成年者による実施例もあると書かれています。ただし事前審査があり、実施は確約されません。

目標金額に届かなかったら手数料はかかりますか。All or Nothing方式で不成立となった場合はプロジェクト自体が成立しないため、応援購入額の入金も手数料の支払いも発生しないと公式ページに記載があります。All in方式では集まった額に応じた手数料が発生します。

入金までどれくらい待ちますか。終了月の月末締めで翌月25日の入金と案内されています。この入金日は2024年3月1日に改訂されたものです。

ページ制作まで手数料に含まれますか。含まれません。プロジェクトページの作成、お客様対応、リターンの梱包と配送、広告配信代行は手数料の範囲外とされています。

申し込みから公開までどれくらいかかりますか。公式ページには一律の日数は示されていません。必要書類の取得に役所の窓口が絡むため、実印の登録がまだなら、その日数も見込んで逆算してください。

参照した一次資料は次のとおりです。Makuake 料金・手数料、株式会社マクアケ 手数料改定のお知らせ、プロジェクト掲載に必要な書類はなんですか?、株式会社マクアケ 決算説明会資料、不当景品類及び不当表示防止法、民法。会計処理や税の扱いが気になる場合は、サークルの会計|収益事業34業種の線引きと部費を守る帳簿の作り方も参考になります。


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