CAMPFIREの手数料と成立方式|公式の料率表で手取りを出す

CAMPFIREの手数料と成立方式|公式の料率表で手取りを出す

目標金額を達成しても、その額は振り込まれない

企画書に「目標金額50万円」と書き、達成の見込みも立った。ところが実際に口座へ入るのは50万円ではない。料率の存在を知っていても、計算の順番を間違えると数万円単位でずれる。

国内の購入型クラウドファンディングでよく名前が挙がる事業者のひとつが、株式会社CAMPFIREが運営する同名のサービスである。料率も成立の条件も公式のヘルプページに表で出ているので、推測せずに読み取れる。ここでは公表されている条件だけを使って、手取りが決まる筋道をたどる。

見るべきは四つ。どこからが「成立」なのか、どのサービスに載せるといくら引かれるのか、消費税を含めた実際の差引額はいくらか、そして表に載っていない費用がどこに潜んでいるかである。

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二つの方式で、お金が発生する条件が変わる

先に決めるのは募集の方式だ。ここが手数料の起点になる。

公式のCAMPFIRE掲載時の手数料は、プロジェクトが成立した場合にプロジェクトオーナーが手数料を支払うと定めたうえで、成立を二通りで説明している。All-or-Nothing方式では目標金額を達成したとき、All-in方式では支援金が1円以上集まったときである。

この違いは、達成できなかった場合に効いてくる。All-or-Nothingで目標に届かなければ成立せず、支援金は受け取れない代わりに手数料も発生しない。All-inは1円でも集まれば成立するので、目標の半分で終わっても集まった分は受け取れるが、そのぶんに対する手数料も発生し、リターンを届ける義務も残る。

学生の企画で判断が分かれるのはここである。会場費のように「全額そろわなければ実施できない」性質の費用を集めるならAll-or-Nothingが筋に合う。制作費のように「集まった分だけ規模を調整できる」性質ならAll-inが使える。目標金額を人数と単価に分けて考える手順は、イベントの目的設定で整理されている考え方がそのまま使える。

同ページには、やむを得ない事情で募集をキャンセルする場合にキャンセル手数料がかかるとも書かれている。公開してから方式を考え直す余地は小さい。

料率はサービスごとに別の表になっている

「CAMPFIREの手数料は17%」という説明を見かけるが、これは複数あるサービスのうち一つの数字である。2026年3月10日更新時点の公式の表は、次のように分かれている。

サービス名称 利用手数料(別途消費税) 決済手数料(別途消費税)
CAMPFIRE 12% 5%
machi-ya 20% 5%
CAMPFIRE for Social Good なし なし
CAMPFIREふるさと納税 個別契約により決定 個別契約により決定
CAMPFIRE Community 15% なし
CAMPFIRE Creation なし なし
CAMPFIRE for Entertainment なし〜12% なし〜5%

for Social Goodが「なし」なのは無償という意味ではない。公式の注記によれば、利用手数料7%および決済手数料5%を支援者が協力費として全額負担するため、オーナー側の負担が発生しない仕組みである。for Entertainmentは、オーナーと支援者それぞれの手数料を1%単位で設定でき、オーナー分は利用手数料0%から12%、決済手数料0%から5%の範囲とされている。

表の外側にも条件がある。CAMPFIREとオーナーのあいだで料率について別途合意がある場合はその合意が優先し、また表を原則としつつ手数料を減額するキャンペーンが実施される場合がある、と明記されている。公募要項のように固定された数字ではない。

消費税を含めた手取りを一度計算しておく

料率に消費税が「別途」かかる点が、計算を間違えやすいところだ。

消費税の標準税率は、消費税法第29条第1号が定める百分の七・八と、地方税法第72条の83が定める七十八分の二十二の地方消費税を合わせて10%になる。したがって利用手数料12%と決済手数料5%の合計17%に対し、その10%が上乗せされる。

支援総額が1,000,000円のケースで追うと、手数料の本体は170,000円、これに対する消費税が17,000円で、合計187,000円が差し引かれる。公式ページはオーナーが支援総額から手数料およびその他一切の債務を差し引いた金額を受け取ると書いているので、ほかに債務がなければ手取りは813,000円になる。支援総額の18.7%が引かれる計算だ。

この18.7%は、リターンの原価や送料を引く前の数字である。原価率が3割の品物をリターンにしていれば、手元に残るのは支援総額の半分前後まで落ちる。目標金額を決めるときは、必要な活動費から逆算して、手数料と原価を乗せた額を目標に置くほうが設計としてはまっすぐになる。

機会費用も見ておきたい。公式の説明では、審査は土日祝日と年末年始を除いて対応し、内容に応じて5日程度かかる場合があるとされる。公開日から逆算して準備期間を区切る進め方は、イベント企画の流れで扱っている逆算の手順と同じ要領で組める。

運営会社の素性を自分で確かめる手順

どのサービスを使うにせよ、相手が誰かを一次資料で確かめる癖をつけておくと応用が利く。

運営主体は株式会社CAMPFIREで、同社のプライバシーポリシーは2011年4月28日制定と記載されている。サービス側の紹介ページでは、これまでに12万件以上のプロジェクトが立ち上がり、1,500万人以上から1,200億円以上の支援が生まれたとされ、「国内最大級」という表現には国内クラウドファンディング年間支援成立件数の自社調べという注記が添えられている。第三者が集計した統計ではなく事業者自身の公表値だという点は、読むときに区別しておきたい。

もうひとつ、金融商品取引業の登録の有無も確かめられる。金融庁が公表している金融商品取引業者登録一覧(令和8年8月31日現在)を検索しても、CAMPFIREの社名は出てこない。これは不備ではなく、購入型のクラウドファンディングが金銭の分配を約束しない取引であり、金融商品取引業の登録を要する業態ではないことの裏返しである。逆に、出資や貸付を扱うと説明しているのに一覧に見当たらない事業者があれば、そこで立ち止まる理由になる。

掲載者を個人にするか団体にするかも、公開前に決めておく論点だ。任意団体のままで契約の主体をどう置くかは、サークルの作り方で扱われている組合契約の考え方が参考になる。企画そのものを磨く段階であれば、FLASPOに集まるコンテストの要項を読み比べて、審査される側の目線を先に持っておくと募集ページの説得力が変わる。

よくある質問

Q. 掲載するだけで費用はかかりますか。

A. CAMPFIRE(キャンプファイヤー)とはには、プロジェクトの掲載に費用は一切かからず、発生する費用は達成した合計支援金額に対する手数料のみと書かれている。ただし成立後のキャンセルには別途キャンセル手数料がある。

Q. 目標金額を低めに置いて必ず達成させるのは有効ですか。

A. All-or-Nothingで成立しやすくなる一方、達成後に集まった額にも同じ料率がかかるため、手数料の総額は変わらない。むしろ、低い目標で集めた額が実際の必要額に届かず、リターンの原価と送料で赤字になる事故のほうが起きやすい。

Q. 支援者に手数料を負担してもらうことはできますか。

A. 公式の表では、for Social Goodが支援者負担の仕組みを持ち、for Entertainmentがオーナーと支援者の手数料を個別に設定できるとされている。通常のCAMPFIREでは、支援総額から差し引く形が原則になる。

Q. 表の料率はいつでも同じですか。

A. 別途合意があればそちらが優先し、減額キャンペーンが行われる場合もあると公式に書かれている。引用した数値は2026年3月10日更新時点のもので、掲載前に必ず最新のページを開き直したい。

Q. 集まったお金に税金はかかりますか。

A. 購入型は品物や役務の対価として受け取る取引になるため、受け取る側の課税関係は型ごとに変わる。個人か法人か、継続的な事業といえるかでも扱いが分かれるので、規模が大きくなる見込みなら公開前に税務署か専門家に確認しておくほうが安全である。


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