ブロックは9から6へ|政策アイデアコンテスト2026の応募資料と締切

締切は2026年11月16日の17時だと募集要項に書かれている。募集が始まったのは同年7月6日なので、四か月以上あった受付期間のうち、残りは二週間ほどということになる。内閣府地方創生推進室が主催する「地方創生☆政策アイデアコンテスト」は、RESASやRAIDAで地域のデータを読み、そこから政策の案を組み立てて出す公募だ。前回の2025年の回は11回目で、全国から1,153件が集まっている。今回の回で変わったのは賞の数と審査の区分で、しかもどちらも応募者の通りやすさに直接ひびく。締切前に確かめておきたい変更点と、資料の形式の決まりを募集要項から拾っておく。

最初に決めるのは住所ではなく分析する地域

応募できるのは学生だけではない。募集要項は「地方創生やデータ利活用に関心を持つ学生のほか、地方公共団体、民間企業等所属を問わず、どなたでも応募が可能」と書いていて、個人でも、部や課の単位でも、学校やクラスのようなグループでも出せる。ただし表彰は高校生以下の部と大学生以上一般の部に分かれるので、高校生のチームに大学生が一人でも入ると、扱いは大学生以上一般の部になる。合同チームを組むときはここを先に決めたい。

そして最初に固めるべきは、自分がどこに住んでいるかではなく、どの地域を分析するかだ。審査のブロックは応募者の住所ではなく分析対象地域で決まる。募集要項の例示は分かりやすい。茨城県に住んでいて鳥取県鳥取市を分析したなら、応募先は鳥取県が属するブロックになる。二つ以上の都道府県を扱った場合は、どちらを主たる分析対象にするかを応募者が選べる。石川県と福井県を扱ったなら、石川県として出すか福井県として出すかを自分で決める、という形だ。ブロックごとに競う相手が変わるのだから、この選択は実質的に戦う場所の選択でもある。

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審査の区分が9から6に減り、賞も絞られた

2025年の回は全国を9ブロックに分けていた。北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州、沖縄の9つだ。2026年の回はこれが6つになった。北海道と東北が「北海道・東北」にまとまり、中国と四国が「中国・四国」に、九州と沖縄が「九州・沖縄」になった。関東、中部、近畿の3つは据え置きである。ブロックの数が減るということは、一次審査と二次審査で同じ枠を取り合う応募作の範囲が広がるということだ。たとえば四国の作品は、これまで四国の中で比べられていたが、今回は中国地方の作品と同じ土俵に乗る。

表彰の数も変わった。2025年の回は部門ごとに地方創生担当大臣賞を2作品、優秀賞を3作品だったが、2026年の回は大臣賞が1作品、優秀賞が2作品である。両部門を合わせると10作品から6作品に減る。

項目 2025年の回 2026年の回
募集期間 6月10日〜9月25日17時 7月6日〜11月16日17時
審査ブロック 9ブロック 6ブロック
大臣賞 各部門2作品 各部門1作品
優秀賞 各部門3作品 各部門2作品
最終審査会 2025年12月6日 2027年2月13日(予定)

一次審査は11月17日から25日まで、二次審査は11月26日から12月18日まで、結果の連絡は12月21日の予定とされている。最終審査会が翌年2月13日まで下がったので、締切から結果まで三か月近くかかる。出したあとの空白が長いことは、先に知っておいたほうがいい。

資料は10頁以上20頁以内、表紙に書くのは4項目

形式の決まりは細かいが、どれも機械的に確認できるものばかりだ。提出はPDFで、頁数は表紙を含めて10頁以上20頁以内。ファイルの容量は1つあたり10MB以下。PowerPointなどで作ったあとPDFに変換する前提になっていて、サイズはA4またはPowerPointのスライド相当とされている。最終審査会まで進んだ場合のプレゼン資料は16対9に揃える。

表紙に必ず書くのは、作品名、チーム名、所属の正式名称、応募者全員のフルネームの4つだ。そしてファイル名は作品名と同一にする。作品名やチーム名、所属、氏名はホームページで公表されることがあると明記されているので、匿名で出す前提の公募ではない。中身として必ず入れるべきものは3点で、RESASやRAIDAによる分析、その分析に基づいた政策アイデア、そしてデータや引用文献の出所だ。10頁という下限は、この3点を揃えるとおおよそ埋まる量と考えてよい。

大項目は3つだが、その下に中項目が5つ置かれている

公表されている審査基準は3行に収まる。分析力としてRESAS等を活用したデータ分析を行っていること、ひらめきとして地域の地方創生に資する有効性の高い政策アイデアであること、実現可能性として地域全体を巻き込んだ構想となっていること。ただし2026年8月7日付で別に出された「審査のポイント」を見ると、この3つの下にさらに中項目が置かれている。分析力は「現状分析力」と「課題深堀り力」の2つ、ひらめきは「有効性」の1つ、実現可能性は「実施主体の明確性」と「参入障壁の低減度」の2つで、合わせて5つだ。

中項目の文言は、資料のどこで点が付くかを教えてくれる。課題深堀り力では「地域が抱える課題の原因まで考えられているか」「表面的な問題だけでなく、本質的な課題を捉えているか」が挙がっている。実施主体の明確性では「誰が中心となって取り組むのかが明確か」「行政、企業、学校、住民など関係者が想定されているか」が問われる。参入障壁の低減度では、現在の技術や仕組みで足りるか、法令や制度上の問題がないかまで見られる。つまり、良い案かどうかより先に、誰がやるのかと何が邪魔になるのかが書かれているかを確かめられる。

もうひとつ、独創性の扱いが2026年の回では整理された。課題解決型の提案については独創性を必須要件とせず、地域の強みを生かす提案については独創性を評価する、という書き分けだ。地味な課題解決で勝負してもよい、と読める。そして高校生以下の部については、審査のポイントの冒頭に「下記、1.2 を重視します」と書かれている。分析力と有効性の2つ、ということである。

出典を落とすと分析そのものが無かった扱いになる

落とし穴として明文化されているものが二つある。ひとつは出典の書き忘れだ。RESASやRAIDAのデータを加工してグラフを作る場合、出所としてRESASやRAIDAを必ず記載するよう求められていて、記載がなければ「RESAS、RAIDAによる分析がない、と判断される可能性がありますので、ご注意ください」と注記されている。せっかく分析しても、引用元を書かなければ必須要件を満たしていないと見られる。グラフを並べる前に、図の脇に出所を入れる作業を入れておきたい。

もうひとつは生成AIの扱いだ。作成の過程で生成AIを使う場合は、使用箇所と「生成AIを使用した」旨を明記するよう書かれている。出力の裏付けは応募者が自分で確認したものとみなされるので、数字をそのまま貼ると責任は応募者側に残る。失格となりうる事項も8つ並んでいて、法令違反や公序良俗に反するものに加えて、企業名や特定の商品の広告宣伝を目的とするもの、政治活動や宗教活動に関するものが含まれる。地元企業と組んだ提案を出すときは、紹介が宣伝に寄っていないかを読み返す価値がある。

コンテストそのものの選び方や、審査の二段構えがどう働くかは、地域共創コンテストの審査はどこを見るかと大学生の政策コンテストでも扱っている。出たあとに何が残るのかという話はコンテストに出て何が残るかのほうが詳しい。FLASPOでは学生向けの募集情報をまとめているので、締切の近いものから当たるのも手だ。

よくある質問

締切に間に合わせるには何頁が現実的か。下限の10頁である。表紙を含むので本文は9頁で、現状分析、課題設定、政策アイデア、効果の見積もり、出典一覧を割り振ると一枚あたりの密度はむしろ高くなる。頁を増やすより、中項目の5つに一枚ずつ当てるほうが点になりやすい。

RESASを使ったことがなくても出せるか。出せる。ただし必須要件なので、使っていない資料は要件を満たさない。公式サイトは使い方の紹介も載せているが、残り二週間なら人口動態と産業構造の2画面に絞り、そこから読み取れることだけで課題を立てるのが早い。

地元の自治体や企業に話を聞いたほうが有利か。評価の文言を見るかぎり有利に働く。実施主体の明確性では関係者が想定されているかを見ており、2025年の回では自治体や民間事業主体を巻き込んだ作品に印が付けられていた。ただし2026年の回の募集要項には、各賞で最低1作品をそうした作品に充てるという前回の規定が見当たらない。巻き込みは加点要素として読み、枠が確保されている前提では考えないほうが安全だ。

ひとりで出しても勝てるか。前回の大臣賞4組のうち、大学生以上一般の部では3社の合同チームと4大学の混成チームが選ばれている。人数や所属の幅が効いているのは確かだ。一方で高校生以下の部は一校のクラブ単位の受賞が並ぶ。所属の数より、分析した地域と実際に関わっているかどうかが分かれ目に見える。

出典はどこを見ればよいか。募集要項と審査のポイントはコンテストの公式サイトで公開されている(募集要項、審査のポイント)。前回の結果と受賞作の一覧は内閣府の報道資料にある。前回の募集要項も同じサイトに残っているので、変更点は自分で突き合わせられる。


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