大学の履修登録のやり方|124単位と上限設定から組む時間割

大学の履修登録のやり方|124単位と上限設定から組む時間割

登録画面で決めているのは、科目名ではなく1年分の時間

入学して最初の数日、空いているコマを埋めるつもりで登録画面を開く。友人と同じ科目を選び、1限は避け、気づけば締切の前夜になっている。この順序で組むと、春学期の半ばに時間が足りなくなる。

大学設置基準の第21条第2項は、1単位の授業科目を45時間の学修を必要とする内容で構成することを標準としている。授業そのものに充てる時間は、授業の方法に応じておおむね15時間から45時間の範囲で大学が定める。講義で15時間を授業に充てる設計なら、残る30時間は授業外の学修に回る計算だ。

この換算を卒業要件に当てると規模が見えてくる。124単位に45時間を掛けると5,580時間になり、4年で割ると年1,395時間。第22条が1年間の授業期間を35週にわたることを原則としているので、35で割れば週あたり約40時間である。

つまり登録画面で埋めているのは空きコマではなく、週40時間前後の生活の枠だ。アルバイトの時間と重ねて見ると判断が具体になる。学生の働き方の分布は、週あたりの時間帯に山がある形で把握されている。

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卒業までの総量は124単位。学科によって上へ伸びる

総量が分かっていないと、1年目に何単位取るべきかが決まらない。基準は省令に書かれている。

第32条第1項は、卒業の要件を124単位以上の修得と、そのほか大学が定めるものとしている。医学・歯学は188単位以上、臨床の実践的能力を主目的とする薬学の学科は186単位以上、獣医学は182単位以上と、学科によって水準が変わる。

区分 卒業要件として修得すべき単位数 根拠
一般の学部・学科 124単位以上 第32条第1項
医学・歯学に関する学科 188単位以上 第32条第2項
薬学のうち臨床の実践的能力を主目的とする学科 186単位以上(薬学実務実習20単位以上を含む) 第32条第3項
獣医学に関する学科 182単位以上 第32条第4項
メディアを高度に利用した授業で満たせる上限 60単位まで 第32条第5項
連携開設科目として認定できる上限 30単位まで 第32条第6項

表の下2行は上限の規定だ。メディアを高度に利用して行う授業で満たせるのは60単位まで、他大学と連携して開設する科目として認定できるのは30単位までとされている。遠隔の科目だけで卒業要件を埋めることはできない。

124単位を4年で割れば年31単位、半期あたり15単位から16単位になる。実際には卒業論文や実習が後半に寄るため、1年目と2年目で平均より多めに積んでおく学生が多い。配分は学部の履修要項で確かめたい。

編入学や他大学での既修得単位がある場合は、第30条第4項により認定できる上限が60単位と定められている。入学前の学修を当てにして年次の計画を薄くすると、認定されなかったときに戻せなくなる。

1年に登録できる単位には、上限が置かれている

それなら1年目に大量に登録すればよいかというと、そうはいかない。第27条の2第1項は、学生が各年次にわたって適切に授業科目を履修するため、1年間または1学期に履修科目として登録できる単位数の上限を定めるよう努めなければならないと大学に求めている。

この規定はCAP制と呼ばれ、半期24単位や年48単位といった形で各大学の学則に落ちている。上限の数値は大学ごとに違うので、履修要項の該当ページを先に開くのが確実だ。

上限を設ける理由は、第21条の45時間に戻る。授業外の学修を含めた総量が守れない量を登録すると、単位は取れても学修が成り立たない。上限は妨げではなく、1科目あたりの時間を確保するための線である。

抜け道も用意されている。第27条の2第2項は、所定の単位を優れた成績をもって修得した学生について、上限を超えた登録を認めることができると定めている。多く取りたい場合は、まず前年次の成績を上げる順になる。

登録できる量が決まっていることは、働く時間の設計にも影響する。シフトの入り方で選択肢が変わる点は大学生のアルバイトの種類を比較に整理してある。

シラバスで確かめるのは4つに絞れる

科目一覧を眺めても判断材料は出てこない。見るべき場所は決まっている。第25条の2第1項は、授業の方法および内容と、1年間の授業の計画をあらかじめ明示するよう大学に求めており、これがシラバスにあたる。

1つめは単位数と授業の方法だ。同じ2単位でも、講義か演習か実習かで授業に充てる時間が変わる。実技や実習は授業時間そのものが長くなるため、同じ単位数でも拘束は重い。

2つめは成績評価の基準である。第25条の2第2項は、学修の成果に係る評価および卒業の認定について、客観性と厳格性を確保するため基準をあらかじめ明示し、その基準に従って行うものとしている。試験1回で決まるのか、課題の積み上げなのかで作業量の形が変わる。

3つめは授業計画そのものだ。第15週のあたりに大きな提出物が置かれている科目を4つ並べると、同じ週に期末が重なる。4つめは授業外の学修として指示されている分量で、ここが週の予定に乗らない科目は後半で崩れる。

FLASPOに届く相談でも、履修を減らす判断が遅れて通年の負荷を抱え込んだという話は多い。4点を照らし合わせて組めば、登録の修正期間までに気づける。

授業期間と単位の扱いで、見落としやすいところ

時間割の形は、学期の区切りによっても変わる。第23条は、各授業科目の授業を8週、10週、15週その他の大学が定める適切な期間を単位として行うものとしている。

8週で終わる科目は、同じコマに前半と後半で別の科目を置ける。うまく使えば1つのコマから2単位ずつ取れるが、期末の提出物が学期の中ほどと終わりの2回来ることになる。短い期間の科目を並べすぎると負荷が平らにならない。

単位が与えられる条件も確かめておきたい。第27条は、授業科目を履修した学生に対し、試験その他の大学が定める適切な方法で学修の成果を評価して単位を与えるものとしている。出席しただけでは要件を満たさない。

最後に、登録の修正期間を手帳に書いておくことを勧めたい。履修登録の締切より後に修正の受付が置かれている大学が多く、最初の2週で授業を見てから入れ替えられる。初週に合わないと感じた科目を抱えたまま進む必要はない。

働く時間との配分を決めるなら、同世代の実態と比べるのが早い。従事率や週あたりの時間の分布はアルバイトと若者にまとめた。

よくある質問

1年目は何単位くらい登録すればよいですか。124単位を4年で割った年31単位が下限の目安で、半期では15単位から16単位にあたる。後半に実習や卒業研究が入る学部では、1年目と2年目に数単位ずつ多めに積んでおくと余裕ができる。

上限を超えて登録したいときはどうしますか。前年次までに優れた成績で所定の単位を修得していれば、大学の定めるところにより上限を超えた登録が認められる場合がある。基準は学則に書かれているので、成績の条件を先に確認したい。

遠隔の科目だけで卒業できますか。できない。メディアを高度に利用して行う授業で満たせる単位数は60単位までと定められており、124単位の半分までが限度になる。残りは対面などの方法で埋める必要がある。

落とした科目はどう扱えばよいですか。翌年度に再度登録して修得することになるが、その分が次の年の上限を圧迫する。必修科目は開講される学期が限られていることが多いため、落とした時点で開講時期を調べておくと組み直しやすい。

他大学で取った単位は使えますか。入学前の既修得単位などを認定できる上限は60単位までと定められている。編入学や転学の場合は別の扱いになるため、認定の可否と単位数は所属する大学の窓口で確かめるのが確実だ。

出典

「大学設置基準」(昭和31年文部省令第28号)https://laws.e-gov.go.jp/law/331M50000080028(第21条 単位、第22条 一年間の授業期間、第23条 各授業科目の授業期間、第25条の2 成績評価基準等の明示等、第27条 単位の授与、第27条の2 履修科目の登録の上限、第30条 入学前の既修得単位等の認定、第32条 卒業の要件)

文部科学省「設置認可申請又は届出について(教育課程、履修指導)」https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/ninka/1368424.htm(単位数の計算と履修科目の登録上限に関する解釈)


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