地域共創コンテストの審査はどこを見るか|応募1,153件と二段の書類審査

名前は似ていても、主催者が違えば条件が変わる

地域と一緒に何かを作る、という趣旨の募集は毎年いくつも出る。共創や協創という言い方は主催者ごとにばらつくが、応募する側が見るべき場所は決まっている。誰が主催し、誰を対象にし、どの段階で何を見られるか、である。この三つはたいてい募集要項に書かれている。

規模が最も大きいのは、内閣府地方創生推進室が主催し経済産業省が共催する地方創生☆政策アイデアコンテストである。地域経済分析システム(RESAS)や地方創生データ分析評価プラットフォーム(RAIDA)のデータを使い、地域の課題を分析したうえで政策アイデアを出す形をとる。2025年の回は11回目で、全国から1,153件の応募があった。

応募できる人の範囲は広い。募集要項では、地方創生やデータ利活用に関心を持つ学生のほか、地方公共団体や民間企業など所属を問わず応募できるとされ、個人でも、部や課の単位でも、学校やクラスといったグループでも出せる。参加費はかからない。コンテストの種類ごとの違いは地方創生がテーマのコンテストでも整理している。

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書類審査が二回あり、最後は7分のプレゼンで決まる

審査の段取りは三段になっている。2025年の募集要項によると、第一次審査は募集対象地域を全国9ブロックに分けてブロックごとに書類審査を行い、第二次審査への進出者を決める。第二次審査も同じ9ブロックごとの書類審査で、ここを通ると最終審査会へ進む。最終審査会では7分程度のプレゼンテーションを行い、その場で審査される。

9ブロックは、北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州、沖縄である。区分は一般的な地方の区切りと少し違い、関東には新潟県、山梨県、長野県、静岡県が入り、中部は富山県、石川県、岐阜県、愛知県、三重県、近畿は福井県を含む7府県となる。応募先のブロックは、応募者の住所ではなく分析の対象にした地域が属するブロックで決まる。

2つ以上の都道府県を対象にした場合は、どちらを主な分析対象として出すかを応募者が選べる。石川県と福井県を扱ったなら、中部ブロックで出すか近畿ブロックで出すかを選ぶことになる。提出はPowerPoint等で作ったものをPDFに変換する形で、A4サイズかPowerPointのスライドサイズ相当とされている。最終審査会ではスライドサイズを16対9にするよう指定がある。

日程の目安も要項に載る。2025年の回では募集が6月10日から9月25日17時までで、第一次審査が10月上旬から中旬、第二次審査が10月中旬から下旬、最終審査会は12月上旬とされていた。締切から結果が出るまで3か月近くかかる組み立てなので、応募した学年のうちに最終審査会が来るとは限らない。卒業や進級をまたぐ場合は、誰が発表に立つかを先に決めておきたい。

評価軸は三つだけ公開されている

何を書けば通るのかは、要項の「審査のポイント」に三つ挙げられている。地域の地方創生に資する有効性の高い政策アイデアであること、RESAS等を活用したデータ分析を行っていること、地域全体を巻き込んだ構想となっていること。この三つが並列である点が重要で、分析だけが上手くても、実行の輪が自分たちの中で閉じていれば評価は伸びにくい。

三つめの軸には、表彰の側から裏打ちがある。各部門および各賞のうち、それぞれ最低1作品は、地方公共団体や民間事業主体など地域全体を巻き込んだ調査、分析および政策提案に秀でた作品へ授与すると明記されている。つまり、地域の誰かと一緒に動いた記録がある応募には、制度として枠が確保されている。

もうひとつ、審査中の働きかけは禁じられている。審査委員は自らと利害関係にある企業や団体、個人からの応募作品の審査は行わず、応募者が審査員や事務局に応募作品について働きかけた場合は審査の対象外になる。提出後にできるのは、最終審査会に進んだときのプレゼンの準備だけである。資料の組み立て方はコンテスト向け企画書の書き方も参考になる。

高校生以下と大学生以上で、競う相手が分かれる

部門は二つある。高校生以下の部は、高等学校、高等専門学校の1年生から3年生、専修学校高等課程、特別支援学校高等部・中学部、中学校、中等教育学校、小学校などが対象になる。大学生以上一般の部は、地方公共団体や民間企業などの社会人と、大学、大学院、短期大学、専修学校専門課程などに在籍する人が同じ枠で競う。学生が社会人と並ぶのはこちらである。

賞は部門ごとに、地方創生担当大臣賞が2作品、優秀賞が3作品で、いずれも副賞が付く。これに加えて協賛企業賞、経済産業局長賞、沖縄総合事務局長賞がある。2025年の回では12月6日に最終審査会が開かれ、最終審査会の結果として4組に大臣賞が渡った。

受賞作の中身を見ると、扱う範囲の広さがわかる。高校生以下の部では愛知県立猿投農林高等学校が愛知県豊田市を分析し、奈良県立青翔高等学校が奈良県御所市を扱った。大学生以上一般の部では、岩手県一関市・平泉町と宮城県栗原市・登米市をまたぐ提案と、高知県全域の土佐和紙を扱った提案が選ばれ、後者は北海道大学、京都大学、関西学院大学、島根県立大学の学生による混成チームだった。

民間のアワードは賞金と締切の形が違う

同じ時期に動く民間主催の学生向けアワードもある。株式会社マインドシェアが主催し大和ハウス工業が協賛する地方創生ユースイノベーションアワード2026は、全国の学生から86組・330名の応募を集め、一次審査を通過した8組が最終審査会へ進んだ。賞は最優秀賞30万円、優秀賞10万円、ブレイクスルー賞が5万円で、金額が明示されている点が公的なコンテストと異なる。

国の側のコンテストは副賞の内容を前面に出さず、大臣賞という位置づけと、応募の規模が持ち味になる。どちらを選ぶかは、賞金を得たいのか、自治体や省庁に届く経路を得たいのかで変わる。応募時期が重なる年もあるため、締切と最終審査会の日付を先に並べておくと判断しやすい。

項目 地方創生☆政策アイデアコンテスト 地方創生ユースイノベーションアワード2026
主催 内閣府地方創生推進室(共催 経済産業省) 株式会社マインドシェア(協賛 大和ハウス工業)
対象 所属を問わず誰でも(2部門制) 全国の大学生
応募の規模 1,153件(2025年の回) 86組・330名(2026年の回)
審査の形 ブロック別の書類審査2回+プレゼン7分程度 一次審査で8組を選びプレゼンで決定
賞 地方創生担当大臣賞・優秀賞・協賛企業賞ほか 最優秀賞30万円・優秀賞10万円・ブレイクスルー賞5万円

よくある質問

いま応募できるコンテストはありますか

地方創生☆政策アイデアコンテストの2026年の回は、募集期間が2026年7月6日から11月16日17時までとされている。最終審査会は2027年2月13日に内閣府の講堂で開かれる予定で、インターネットでのライブ配信も行われる。ユースイノベーションアワードの2026年の回はすでに応募を締め切り、最終審査会が2026年11月15日に開かれる。

データ分析が苦手でも応募できますか

RESASは地域経済の構造を地図やグラフで見える化した誰でも使えるウェブサイトとして公開されており、専門的な統計処理を前提にしていない。RAIDAは2024年から国が提供しているプラットフォームで、人口減少対策や観光振興を自動で分析するRAIDA-AIという機能も加わった。使った分析の筋道を示せるかが見られる。

個人で出すのとチームで出すのはどちらが有利ですか

要項では個人、部・課単位、学校やクラスなどのグループのいずれでも応募できるとされており、形式による有利不利は書かれていない。ただし評価軸に地域全体を巻き込んだ構想という項目があり、各賞に最低1作品の枠が確保されている点を踏まえると、外の主体と組んだ事実を示せる構成のほうが拾われやすい。

応募件数や受賞作はどこで確かめられますか

応募の総数は所管大臣の記者会見でも触れられる。2025年の回については内閣府特命担当大臣の記者会見要旨に、11回目となる今回は全国から1,153件の応募があったと記録されている。受賞作の一覧は内閣府が公表するPDFで、分析対象地域とチーム名まで載る。学生の関わり方の型はFLASPOでも扱っている。


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