地方就職とFLASPO|現地就労105万人の手前にある入口

地方就職とFLASPO|現地就労105万人の手前にある入口

地域と関わる人は2,263万人、そこで働く人は105万人

地方で働くという選択は、どれくらい珍しいのか。国土交通省が令和7年6月にまとめた関係人口の実態把握によると、令和5年度の調査時点で、日常生活圏や通勤圏の外にある特定の地域と関わりを持つ人は約2,263万人と推計された。18歳以上の居住者の約22パーセントにあたる。

内訳は、現地を訪れる訪問系が1,884万人で18.3パーセント、訪れずに関わる非訪問系が379万人で3.7パーセントだった。逆に特定の地域と関わりのない人は8,012万人、約78パーセントを占めている。

訪問系を関わり方で分類すると、数の落ち方がはっきりする。最も多いのは趣味や消費でその地域に通う層で、最も少ないのがその地域で働く層だった。

関わりの類型 推計人数 18歳以上人口に占める割合 関わりの中身
趣味・消費型 711万人 6.9パーセント 趣味や買い物でその地域に通う
参加・交流型 485万人 4.7パーセント イベントや交流の場に加わる
直接寄与型 437万人 4.3パーセント 地域づくりの取り組みに直接関わる
就労型(テレワーク) 145万人 1.4パーセント 離れた場所から仕事で関わる
就労型(現地就労) 105万人 1.0パーセント その地域で働く

現地で就労している人は105万人、18歳以上人口の1.0パーセントである。地域と関わる人の数に比べれば、そこで働く人は二十分の一ほどしかいない。地方就職は、関わりの連なりのいちばん奥に位置している。

募集中の地域コンテスト

読んだら、地域に行ってみよう

地域が出したお題に、オンラインでアイデアを応募できます。受賞すると、現地に無料で招待されます。

募集中の地域をすべて見る

いきなり就職から入ると、材料が足りない

この分布が示しているのは、関わりの深さには段があるということだ。趣味で通う、イベントに加わる、地域づくりに手を出す、離れた場所から仕事で関わる、現地で働く。段を一つずつ上がるほど人数は減り、必要な覚悟も情報も増える。

求人サイトだけを見て地方の会社を受けると、この段をまるごと飛ばすことになる。給与と勤務地は書いてあっても、その町で平日の夜をどう過ごすのか、雪の日に通勤がどうなるのかは書かれていない。入社してから分かる種類の情報が多すぎる。

一方で、関わりを持ったことがある地域なら判断の材料が増える。顔を知っている人がいれば、求人票に出ない話を聞ける。関係人口という言葉の定義そのものは関係人口とはに整理があるので、概念から確かめたい場合はそちらが早い。

段を上がるには入口が必要になる。旅行として一度行くのと、地域の課題に関わるのとでは、残るものが違ってくる。

同じ調査では、関わりの類型が複数回答でも集計されている。複数回答で見ると趣味・消費型が1,098万人、参加・交流型が681万人、就労型のテレワークが217万人と、いずれも分類結果より大きくなる。一人が複数の関わり方を同時に持っているということで、趣味で通いながら交流の場にも顔を出す形が珍しくないことを示している。

FLASPOが置いているのは、助走のための場

FLASPOは、アイデアで若者と地域・企業をつなぐプラットフォームとして運営されている。地域や企業がテーマを出し、若者がアイデアを提出して賞金を競うコンテストと、現地訪問や交流会、インターンシップなどに参加できるプロジェクトの二つが柱になっている。

コンテストに出すのはアイデアであって、履歴書ではない。選考ではないので落ちても記録に残らず、そのかわり地域が今どの課題で困っているかが具体的に見える。テーマを読むだけでも、その町の産業構成や人の抜け方が分かることがある。

プロジェクトの側は現地に足を運ぶ形が多い。自治体が主催者として並び、知床羅臼町や高知県香南市、福井県坂井市、宮崎県新富町、長野県志賀高原などの企画が掲載されてきた。実際の取り組みの様子は若者の関係人口創出の事例としてこのメディアでも記録している。

ここで得られるのは内定ではなく、判断の材料と顔の見える関係である。表の言い方で言えば、参加・交流型や直接寄与型の段に立つための助走にあたる。就労の段へ進むかどうかは、その先の話になる。

関わりが制度上の要件になることがある

関わりを持っておくことには、制度の面でも意味がある。内閣府の移住支援金は、東京23区に通算5年以上在住または通勤していた人が対象地域へ移り、道府県のマッチングサイトに掲載された求人に就業するなどの要件を満たすと交付される。額は世帯で100万円以内、単身で60万円以内の範囲で都道府県が設定する。

就業の要件には、市町村が独自に定める枠も用意されている。関係人口として認められ、地域の担い手となる要件を満たすという形で、関わりの実績そのものが条件に組み込まれている。どの関わりが認められるかは市町村ごとに違うため、窓口での確認が前提になる。

学生向けには、就職活動に要した交通費の最大2分の1と移転費を対象とする地方就職支援金がある。実施期間と支給額は地方公共団体によって異なると明記されているので、関わりのある地域が実施しているかを早めに調べておきたい。

制度はあくまで初期費用を軽くする仕組みである。関わりを持っていたことが選考を有利にするという公的な根拠はない。期待の置き場所を間違えないほうがよい。

助走で終わらせないために確かめること

関わりが楽しかったという記憶だけでは、就労の段は越えられない。働くことは賃金と求人の構造の上に成り立っていて、そこは好意では動かない。応募を考える段階で、地域の賃金水準と求人の厚みは別に確かめる必要がある。

現実の条件については地方就職のデメリットで賃金と求人、通勤の三点を整理している。人の動きそのものの大きさは地方就職の現状にまとめた。関わりの入口と、就職の条件は、分けて調べたほうが判断が早い。

定着という観点では、地域おこし協力隊の任期後の動きが参考になる。制度を通じて関わった人がその後も住み続けるかどうかは追跡されており、数字として公表されている。地域コミュニティと移住でその内訳を扱っている。

確かめる項目は具体的に決めておきたい。通勤にかかる時間と手段、住まいの家賃の相場、冬や繁忙期の働き方、そして同年代が何人いるか。この四つは現地で半日あれば聞き取れる内容で、求人票には載らない。関わりの場に行くときに質問を用意しておけば、同じ訪問から得られるものが増える。

助走の段で確かめたいのは、仕事の中身と人の顔、そして生活の手触りである。賃金表や求人件数は後から調べられるが、現地の空気は行かないと分からない。順番としては、関わって確かめ、条件で詰める形になる。

よくある質問

コンテストやプロジェクトに参加すると就職で有利になるのか。有利になると示した公的な統計はない。得られるのは地域の課題と人についての具体的な情報であって、選考の加点ではない。ただし応募先の事業内容を理解していることは、面接で話せる材料になる。

関係人口として関わると移住支援金の対象になるのか。移住支援金の就業要件には、市町村が独自に定める関係人口としての要件が含まれている。認められる関わりの内容は市町村ごとに違うため、対象になるかどうかは移住先の窓口で確かめることになる。

現地で働く人が105万人しかいないのは少なすぎないか。18歳以上人口の1.0パーセントという水準で、関わりを持つ2,263万人に比べれば確かに薄い。見方を変えれば、関わりの段から就労の段へ進む人が限られているということでもある。段差の大きさを知っておくほうが準備しやすい。

社会人でも参加できるのか。地域や企業が出すテーマごとに対象は異なるため、募集の条件を個別に見る必要がある。テレワークで関わる就労型が145万人と推計されていることからも、現地に住まずに関わる形は広がっている。働き方を変えずに関わりを持つ道もある。

どの地域から関わればよいのか。出身地や親族のいる地域から始めると、情報の入り方が早い。手がかりがない場合は、関心のある産業や課題からテーマを選ぶ順番でもよい。訪問系が1,884万人と推計されている通り、一度行ってみる段階にいる人は珍しくない。


アイデアコンテストプラットフォーム「FLASPO」

FLASPO

アイデア1つで、地域や企業とつながれる。

FLASPOは、全国の自治体・企業が開催する若者向けアイデアコンテストのプラットフォームです。
地域や企業が抱える課題に対して、あなたのアイデアで解決策を提案できます。

賞金やユニークな地域体験が獲得できるコンテストも多数。誰でも参加無料・オンライン完結で挑戦できます。

コンテストを探す▶︎

FLASPOで募集中のコンテスト

自治体や企業が出したお題に、学生・若者がオンラインでアイデアを応募できます。募集中のものも、これまでのお題と結果も、一覧で見られます。