年金の保険料はいくら?令和8年度は月17,920円、1,368万人の納め方

年金の保険料はいくら?令和8年度は月17,920円、1,368万人の納め方

月17,920円という額は、どこから出てきたのか

20歳の誕生月に納付案内書が届いても、額の根拠まで確かめる人は少ない。令和8年度の国民年金保険料は月額17,920円である。日本年金機構は第1号被保険者と任意加入被保険者が納める定額保険料としてこの額を示しており、令和7年度の17,510円から410円上がった。厚生労働省が令和8年1月23日に公表した資料では、令和9年度は18,290円となる。

毎年動くのに「保険料水準固定方式」と呼ばれるのは、固定されているのが実額ではなく水準のほうだからである。平成16年の制度改正で段階的な引上げの到達点が決められ、平成29年度に平成16年度水準で16,900円に達して引上げが完了した。平成31年4月に産前産後期間の免除制度が始まったぶん、令和元年度から100円上積みされて17,000円になっている。この17,000円が法律に規定された額で、窓口で払う実額は国民年金法第87条第3項の規定により、名目賃金の変動に応じて毎年度改定される。

別枠で月400円の付加保険料もある。納めた月数に200円を掛けた額が年額として老齢基礎年金に上乗せされるので、2年受け取れば払った分を取り戻す勘定になる。ただし全額免除や一部免除を受けている期間は納められない。

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会社員は「率」で、自営業は「額」で払う

同じ公的年金でも、徴収の形が二通りある。厚生年金保険料は標準報酬月額に保険料率を掛けて計算し、率は18.3%で固定されている。平成29年9月の引上げを最後に動いていない。賞与にも同じ率がかかり、こちらは標準賞与額に掛ける。そして事業主と被保険者が半分ずつ負担するため、給与明細に現れるのは9.15%ぶんである。

標準報酬月額は1等級の8万8千円から32等級の65万円までの32区分に分かれる。報酬がどれだけ高くても65万円で頭を打つ設計で、標準賞与額は1回あたり150万円が上限になる。この上限は令和7年の制度改正で動くことが決まり、厚生労働省は令和9年9月に68万円、令和10年9月に71万円、令和11年9月に75万円へ段階的に引き上げる日程を示している。高報酬層の負担と給付が同時に増える方向の見直しである。

定額と定率の差は、負担の重さの感じ方にそのまま出る。月17,920円は年に21万5千円ほどで、所得が低い人ほど可処分所得を削る。厚生年金は報酬に比例するので、上限に当たらない限り負担は所得と連動する。納める形の違いは給付の差にそのまま続いていく話で、受け取る側の積み上げは令和8年度の満額から年金額を組み立てた記事で扱った。

1,368万人が、どう納めているか

第1号被保険者の全員が毎月払っているわけではない。厚生労働省が令和7年6月27日に公表した加入・納付状況によると、令和6年度末の国民年金第1号被保険者は1,368万人で、前年度末より19万人減った。この中に任意加入被保険者21万人が含まれる。内訳を並べると納め方の分布が見える。

区分 人数 位置づけ
保険料納付者 704万人 定額または前納で納めている
法定免除・申請全額免除者 376万人 免除期間として年金額に一部反映される
学生納付特例・納付猶予者 216万人 受給資格期間には入るが年金額には反映されない
未納者 72万人 24か月ぶん未納。期間にも額にも入らない
第1号被保険者 計 1,368万人 令和6年度末。任意加入21万人を含む
厚生労働省「令和6年度の国民年金の加入・保険料納付状況」(令和7年6月27日公表)より。納付者数は被保険者数から未納・免除・猶予を差し引いた算出値

未納者72万人は前年度より7万人減った。納付率も上がり続けており、令和6年度の最終納付率は84.5%で12年連続の上昇、令和6年度分の現年度納付率は78.6%だった。公的年金の加入者6,755万人全体で見れば未納者は約1%にとどまる。給与から天引きされる会社員の側は取りはぐれが起きにくく、第1号厚生年金被保険者の収納率は98.9%である。払い忘れが起きるのは、自分で納める層に集中している。

申請しないと、払えない月は未納になる

払えないときに黙って止めるのと、申請して免除を受けるのは、後の年金額がまるで違う。全額免除の期間は、保険料を全額納めた場合の年金額の2分の1が受け取れる。納付猶予と学生納付特例は受給資格期間には入るが、年金額には反映されない。未納はそのどちらにも入らず、障害や死亡のときの保障にも穴があく。

区分 前年所得の基準(この額以下) 年金額への反映
全額免除 35万円×(扶養親族等の数+1)+32万円 2分の1
4分の3免除 88万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 8分の5
半額免除 128万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 8分の6
4分の1免除 168万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 8分の7
納付猶予(50歳未満) 全額免除と同じ式 反映されない
学生納付特例 128万円+扶養親族等の数×38万円 反映されない
日本年金機構の案内より。免除は本人・配偶者・世帯主、納付猶予は本人・配偶者、学生納付特例は本人の前年所得で審査する

猶予と特例の期間は、追納で埋められる。承認された月の前10年以内であればさかのぼって納められ、納めた分は年金額に反映される。ただし承認の翌年度から数えて3年度目以降に追納すると、当時の保険料に加算額が上乗せされる。先延ばしの代金が後から付く形なので、就職して余裕が出た年のうちに手を付けるほうが安い。申請できるのは受理された月から2年1か月前までの期間までで、遡れる幅にも限りがある。

前納と早割で下げる、10月に始まった育児免除で止める

納める側で下げられる余地もある。まとめて先に払うと割引が付き、厚生労働省が公表した令和8年度の前納額では、2年前納が口座振替で417,150円、毎月納める場合より17,370円安い。6か月単位でも効くので、収入の波が大きい人は半年ぶんから試せる。

納め方 口座振替 現金・クレジットカード
毎月 17,860円(早割で60円引き) 17,920円
6か月前納 106,300円(1,220円引き) 106,650円(870円引き)
1年前納 210,530円(4,510円引き) 211,220円(3,820円引き)
2年前納 417,150円(17,370円引き) 418,510円(16,010円引き)
厚生労働省「令和8年度における国民年金保険料の前納額について」(令和8年1月23日)より。クレジットカード前納の額は現金納付と同じ

制度の側でも免除の範囲が広がった。令和8年10月1日から、1歳になるまでの子を養育する第1号被保険者の実父母と養父母について保険料が免除される育児免除制度が始まっている。所得要件はなく、免除された期間は納付した期間として老齢基礎年金に反映される。実母は産前産後免除に続く9か月、実父や養父母は養育を始めた月から1歳の誕生日の前月までの最大12か月が対象になる。土台にある産前産後免除は出産予定月の前月から4か月ぶん、多胎妊娠なら3か月前から6か月ぶんで、こちらは平成31年から動いている。

独立や移住で働き方が変わる時期は、こうした届出の期限が家計の足元に効いてくる。地方での仕事と暮らしを扱うFLASPOでも、制度の切り替わり目は見落としやすい箇所として挙がる。納め終えた先の受け取り方については受給開始の時期を60歳から75歳の幅で見た記事が参考になる。

よくある質問

収入が落ちた月だけ払わないでおくのは問題ですか。 手続きを取らずに止めた月は未納として残り、老齢基礎年金の額にも受給資格期間にも入らない。免除や猶予の申請は過去2年1か月ぶんまで遡れるので、気づいた時点で窓口かマイナポータルから出すほうがよい。審査は前年所得で行われるため、住民税の申告を済ませていないと通らないことがある。

学生納付特例を使った期間は、放っておくとどうなりますか。 10年を過ぎると追納の権利が消え、その期間は年金額に反映されないまま確定する。10年以内でも3年度目以降は加算額が付くので、早いほど負担は軽い。受給資格期間には算入されているため、10年の受給資格そのものは満たせる点が未納との違いである。

2年前納は得だと言えますか。 口座振替なら17,370円の割引で、毎月払いとの差は割引率に直すと3.5%前後になる。ただし2年ぶんを一度に出す必要があり、途中で就職して厚生年金に移ると還付の手続きが生じる。転職や独立を控えている年は、1年前納や6か月前納で刻むほうが扱いやすい。

厚生年金の保険料が給与から引かれる額は、どう決まりますか。 4月から6月の報酬で決めた標準報酬月額に18.3%を掛け、その半分が本人負担になる。等級は32区分で、報酬が大きく変われば随時改定が入る。賞与からも標準賞与額に同じ率がかかり、1回150万円を超える部分には保険料がつかない。

付加保険料と国民年金基金はどちらを選ぶべきですか。 どちらも第1号被保険者の上乗せだが、併用はできない。付加保険料は月400円で、納付月数×200円が年額に加わる単純な設計である。基金は掛金が大きく給付も厚いため、所得の安定度と社会保険料控除の効き方を見て選ぶことになる。

出典:日本年金機構「国民年金保険料」、同「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」、同「国民年金保険料の育児免除制度」、同「厚生年金保険の保険料」、厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」、同「令和8年度における国民年金保険料の前納額について」、同「令和6年度の国民年金の加入・保険料納付状況を公表します」、同「厚生年金等の標準報酬月額の上限の段階的引上げについて」


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