年に48万組、10年で15万組減った
結婚の件数は、家族のかたちが変わる速さをいちばん素直に映す。国立社会保障・人口問題研究所の「人口統計資料集2026」が人口動態統計からまとめた表によると、2024年の婚姻件数は485,092組、婚姻率は人口千人あたり4.0だった。2015年の635,225組から10年で15万組ほど減っている。50万組を初めて割ったのは2023年の474,741組で、2024年はそこから1万組ほど戻した。
| 年次 | 婚姻件数 | 婚姻率(人口千対) | 夫が初婚 | 夫が再婚 |
|---|---|---|---|---|
| 2015年 | 635,225組 | 5.1 | 510,296組 | 124,929組 |
| 2019年 | 599,007組 | 4.8 | 481,113組 | 117,894組 |
| 2020年 | 525,507組 | 4.3 | 423,484組 | 102,023組 |
| 2023年 | 474,741組 | 3.9 | 386,863組 | 87,878組 |
| 2024年 | 485,092組 | 4.0 | 398,426組 | 86,666組 |
減り方は初婚と再婚で均等ではない。夫が再婚の件数は2015年の124,929組から2024年の86,666組へ3割以上落ち、全体に占める初婚の割合は夫82.1%、妻84.4%まで上がった。平均初婚年齢は夫妻とも初婚の組で夫31.1歳、妻29.8歳であり、2020年の夫31.0歳・妻29.4歳から妻の側だけがわずかに上がっている。件数が減るなかで、1組あたりの年齢構成はそれほど動いていない。
結婚の利点から「家族をもてる」が後退した
同研究所が2026年9月に公表した「第17回出生動向基本調査」は、2025年6月に18歳以上55歳未満の独身者6,756人から有効回答を得ている。結婚することに利点があると考える人の割合は、男性で6割台から5割台へ、女性で7割から6割台へ下がった。その一方で独身生活に利点があると考える人の割合はほとんど動いていない。結婚が相対的に魅力を失ったというより、結婚側の評価だけが下がった形である。
中身を見ると、後退したのは家族そのものである。「自分の子どもや家族をもてる」を挙げた女性は、第15回調査(2015年)のピーク49.8%から18ポイント下がって31.6%になった。女性では依然として最も多く選ばれる項目だが、水準は大きく落ちている。男性では「精神的な安らぎの場が得られる」が減り、「自分の子どもや家族をもてる」と並んで27.0%で首位になった。
「経済的に余裕がもてる」は1987年の第9回調査からほぼ一貫して増えていたが、今回は男女とも減って男性7.0%、女性17.1%となった。増えたのは「愛情を感じる人と暮らせる」である。独身生活の利点では「行動や生き方が自由」が男性72.7%、女性77.2%で変わらず首位にあり、新たに「金銭的に裕福」や「家族を養う責任がなく、気楽」が伸びた。結婚を家族を作る手段として見る見方が薄まり、個人どうしの関係として見る見方が残っている。
親の夫婦関係の見え方が、結婚の意思と結びつく
育った家の雰囲気が結婚観を左右するという話は、この調査では数字として扱われている。18〜34歳の未婚者に身近な状況を尋ねた項目のうち、両親の夫婦関係を「うらやましく思う」と答えた男性は、第15回調査で51.2%と半数を超えていたが、今回は47.3%に下がった。女性では結婚している友人を「幸せそうだと思う」割合が58.5%から48.7%へ、10ポイント近く落ちている。
赤ちゃんや小さい子どもとふれあう機会がよくあったと答えた人も、男性38.8%から32.5%、女性48.8%から42.8%へ減った。身近に見える結婚と子育ての手本が、男女ともに細っている。
この評価の違いは意思の違いにつながる。両親の夫婦関係や結婚している友人を肯定的にとらえている人は、そうでない人より「いずれ結婚するつもり」と答える割合が高い。差がとくに大きいのは結婚している友人への評価で、肯定的なグループとそうでないグループの開きは男性で23ポイント、女性で22ポイントに達した。希望する子ども数でも、「いずれ結婚するつもり」と答えた女性のうち肯定的なグループは平均1.84人、そうでないグループは1.37人で、0.47人の差がついている。出会いの経路が変わってきたことはマッチングアプリと結婚で見たとおりだが、意思の側はこうした身近な見聞きに支えられている。
結婚するつもりの人が初めて8割を割った
同じ調査で、18〜34歳の未婚者のうち「いずれ結婚するつもり」と答えた人は男性75.1%、女性77.8%だった。前回調査の男性81.4%、女性84.3%から下がり、男女ともこの調査で初めて8割を下回っている。裏返しの「一生結婚するつもりはない」は男性24.0%、女性21.5%で、前回の男性17.3%、女性14.6%から上がって初めて2割を超えた。
注目したいのは、障害を感じる人が減りながら意思が下がっている点である。1年以内に結婚するとしたら障害があると答えた割合は、男性53.0%から48.1%、女性58.4%から49.1%へ下がった。障害がないと答えた割合はほとんど増えておらず、入れ替わるように増えたのが結婚するつもりはないという回答だった。具体的な障害は「結婚資金」が男性34.5%・女性31.4%で最も多く、次に「住居」が男性20.6%・女性16.8%、「職業や仕事上の問題」が男性11.8%・女性13.1%と続く。
希望する子ども数も下がり続けている。「いずれ結婚するつもり」と答えた人の平均は男性1.64人、女性1.70人で、前回の男性1.83人、女性1.79人から減った。結婚するつもりはないと答えた人を含めた全体では男性1.30人、女性1.36人になる。ただし「一生結婚するつもりはない」と答えた未婚男性の4割程度、未婚女性の5割弱は、今後考えが変わる可能性を否定していない。変わる理由として挙げられたのは、結婚したい相手が現れた場合と、収入や貯蓄が増えた場合だった。学生の時点での意識は大学生の恋愛と若者で扱っている。
結婚後に親と暮らす形は、同居から近居へ移った
結婚が家と家の関係だった時代の名残は、居住のデータで薄れ方が見える。第17回調査で夫の母親と同居している夫婦は7.6%だった。第12回調査(2002年)の18.2%から20年あまりで半分以下になっている。妻の母親との同居は5.2%で、こちらは同じ期間ほぼ横ばいである。かつては夫方との同居が妻方の2倍以上あったが、その差は縮んだ。
同居に代わって残っているのが近居である。同じ市区町村内で別居している割合は夫の母親で27.2%、妻の母親で29.0%あり、この20年ほど大きくは変わっていない。妻の年齢が25歳以上の夫婦では、3割程度が親と同居あるいは近居をしている。一方で妻が25歳未満の層では夫方の母と父との同居が16.1%と高く、妻方の両親との同居も20代では1割近い。若い時期の結婚では、住居費を抑える手段として同居が選ばれやすい。
世帯の統計でも同じ向きが確認できる。三世代世帯は1995年の524万世帯から2020年の234万世帯へ55.4%減った。「その他の一般世帯」という区分の内訳で三世代が占める割合は、75.3%から54.6%に落ちている。結婚後の住まいを決めるとき、親元との距離をどう取るかは地域の選び方とも重なる。移住や二地域での暮らしを含めた選択肢はFLASPOでも扱っている。同居の有無が孤独感と結びつく構図は人間関係と家族で確かめられる。
よくある質問
婚姻件数が2024年に増えたのは回復の兆しなのか。485,092組は2023年の474,741組より1万組多いが、2019年の599,007組には11万組以上届かない。婚姻率も4.0で、2015年の5.1より1ポイント以上低い。1年の増減よりも、10年単位の下げ幅のほうが構造を表している。
結婚に利点を感じない人が増えたのは経済的な理由からか。障害として「結婚資金」を挙げる人は男性34.5%・女性31.4%で最多だが、その割合は2020年以降むしろ減少傾向にある。同じ期間に増えたのは結婚するつもりはないという回答で、経済的な条件が整わないという説明だけでは足りない。利点として「経済的に余裕がもてる」を挙げる人が減ったことも、結婚を家計の解決策と見る見方が弱まっていることを示している。
親から結婚を期待されると意欲は上がるのか。この調査が測っているのは期待の有無ではなく、両親の夫婦関係や既婚の友人をどう評価しているかである。肯定的に見ている人のほうが結婚意思も希望子ども数も高く、友人への評価では男性23ポイント・女性22ポイントの差がついた。促す言葉より、近くにある実例の見え方が効いていると読める。
結婚したら親と同居するのが普通なのか。夫の母親との同居は7.6%、妻の母親との同居は5.2%で、いずれも少数である。多いのは同じ市区町村内での近居で、夫方27.2%、妻方29.0%となる。妻が25歳以上の夫婦で親と同居か近居をしているのは3割程度であり、残りはそれより遠い場所に住んでいる。
アイデアコンテストプラットフォーム「FLASPO」

アイデア1つで、地域や企業とつながれる。
FLASPOは、全国の自治体・企業が開催する若者向けアイデアコンテストのプラットフォームです。
地域や企業が抱える課題に対して、あなたのアイデアで解決策を提案できます。
賞金やユニークな地域体験が獲得できるコンテストも多数。誰でも参加無料・オンライン完結で挑戦できます。
