結婚した年で区切ると、割合が2倍以上になった
アプリで結婚した人がどれくらいいるのかを知りたいとき、調査の回ごとの数字より結婚した年で区切ったほうが動きが見える。国立社会保障・人口問題研究所の第17回出生動向基本調査 結果の概要は、結婚年次別に恋愛結婚・見合い結婚・ネットを通じた結婚の構成割合を出している。2015年から2019年に結婚した夫婦ではネットを通じた結婚が6.9パーセント、2020年から2024年では18.6パーセントだった。
同じ図表には95パーセント信頼区間も付いている。2015年から2019年は5.3パーセントから9.0パーセント、2020年から2024年は15.6パーセントから22.0パーセントで、両者の幅は重ならない。標本のばらつきで説明できる差ではなく、5年の区切りをまたいで水準そのものが上がったと読める。
同じ区分で恋愛結婚は83.6パーセントから71.4パーセントに下がり、見合い結婚は8.6パーセントから8.9パーセントでほぼ動かなかった。減った恋愛結婚の分がネットに移っている形で、見合いという枠は別に残っている。ネットがどの区分として法律に位置づけられているかはマッチングアプリとはの記事で確かめられる。
調査の回で比べると、職場と並ぶところまで来た
もう一つの見方は、調査時点から過去5年間に結婚した初婚どうしの夫婦にきっかけを尋ねた集計である。第17回の対象は570組で、ネットと答えたのは115組、割合では20.2パーセントだった。職場や仕事が119組の20.9パーセント、友人・兄弟姉妹を通じてが115組の20.2パーセントで、上位3つが1ポイント以内に収まっている。
前回の第16回では、職場25.6パーセント、友人24.9パーセント、学校13.8パーセント、ネット11.0パーセントという並びだった。4年のあいだに職場が4.7ポイント、友人が4.7ポイント下がり、ネットが9.2ポイント上がったことで順位が詰まった。学校は13.8パーセントから14.0パーセントで変わらない。
結婚相談所は6.7パーセントから7.7パーセントへわずかに増え、見合いは2.2パーセントから1.1パーセントに下がった。アプリと相談所と見合いは調査でも別の選択肢として立っているので、7.7パーセントと20.2パーセントを同じ物差しで比べることはできない。費用や支援の手厚さの違いはメリットの記事で整理した。
出会う年齢が3歳ほど高く、初婚年齢も高い
同じ調査には、結婚形態ごとの平均年齢と交際期間を出した図表がある。ネットで知り合った夫婦の平均知り合い年齢は夫29.24歳、妻28.04歳で、全結婚の平均である夫26.19歳、妻24.79歳より3歳前後高い。恋愛結婚の夫24.63歳、妻23.20歳と比べると4歳以上の差になる。
平均初婚年齢で見ると、ネットは夫31.31歳、妻30.08歳である。全結婚の夫30.60歳、妻29.18歳を1歳ほど上回り、見合い結婚の夫33.00歳、妻31.56歳よりは低い。学校や職場という既にある集団の外で相手を探す段になって使われるため、年齢が上がった位置に分布している。
| 結婚形態 | 平均知り合い年齢(夫) | 平均知り合い年齢(妻) | 平均初婚年齢(夫) | 平均初婚年齢(妻) | 平均交際期間 |
|---|---|---|---|---|---|
| 全結婚(総数) | 26.19歳 | 24.79歳 | 30.60歳 | 29.18歳 | 4.47年 |
| 恋愛結婚 | 24.63歳 | 23.20歳 | 30.08歳 | 28.60歳 | 5.52年 |
| ネット(インターネット)で | 29.24歳 | 28.04歳 | 31.31歳 | 30.08歳 | 2.13年 |
| 見合い結婚 | 31.23歳 | 29.64歳 | 33.00歳 | 31.56歳 | 1.81年 |
交際期間は2.13年で、恋愛結婚より3年以上短い
表のいちばん右の列が、経路ごとの性格をいちばんよく表している。ネットで知り合った夫婦の平均交際期間は2.13年である。全結婚の平均は4.47年、恋愛結婚は5.52年なので、知り合ってから結婚するまでの時間が3年以上短い。見合い結婚の1.81年に近い水準にある。
前回調査ではネットの交際期間は2.83年だった。4年で0.7年ほど短くなっており、縮む向きに動いている。結婚を前提に相手を探す段で使われる経路であることと、プロフィールの段階で結婚への意向が見えることが、交際に入ってからの時間を押し縮めていると考えられる。
この短さは利点にも落とし穴にもなる。相手の生活や家族との関係を見る時間が短いぶん、確かめるべき事柄を意識して並べる必要がある。独身であることや年齢の確認がサービス側でどこまで担保されているかは選び方の記事にまとめたが、確認済みの表示が何を根拠にしているかまで遡って読むのが実際的である。
結婚そのものへの意思は下がっている
経路の話と、結婚する人が増えるかどうかの話は別である。同調査で「いずれ結婚するつもり」と答えた18〜34歳の未婚者は男性75.1パーセント、女性77.8パーセントで、前回の男性81.4パーセント、女性84.3パーセントから6ポイント前後下がった。「一生結婚するつもりはない」と答えた人は2割を超えている。
ただし、そう答えた人のうち約4割は考えが変わる可能性があるとしている。結婚の意思は固定された属性ではなく、相手や条件で動くという前提が読み取れる。交際相手がいない未婚者のうち交際を望まない人が3割台を占めることとあわせて考えると、母数そのものが縮んでいる。
経路の割合が上がっても、母数が縮めば結婚の件数は増えない。地域の側で若い世代の接点をどう設計するかという議題をFLASPOが扱っているのも、出会いの手段の数と結婚の数が別の指標だからである。
よくある質問
アプリで結婚した夫婦は何組に1組ですか。調査時点から過去5年間に結婚した初婚どうしの夫婦570組のうち115組がネットで知り合っており、おおよそ5組に1組にあたる。結婚年次で区切った2020年から2024年の数字では18.6パーセントで、見方によって2ポイントほど差が出る。
ネットという区分にはSNSも入りますか。この調査の選択肢はネット(SNS・ウェブサイト・アプリ等)で、アプリだけを切り出した数字ではない。結婚相談所はオンラインを含めて別の選択肢になっているため、相談所の利用はこの20.2パーセントに含まれない。
結婚までの期間が短いのは急いでいるからですか。平均交際期間2.13年という値からは速さだけが読める。知り合った年齢が夫29.24歳、妻28.04歳と高いことを合わせると、結婚を視野に入れた時期に使い始めている人が多い経路だと説明するほうが整合する。
男女で違いはありますか。恋人または婚約者がいる未婚者がネットで知り合ったと答えた割合は男性19.8パーセント、女性23.0パーセントで、女性のほうが3.2ポイント高い。夫婦を単位とする集計では男女別の内訳は出ないため、この差は交際段階の数字で見ることになる。
数字はいつ更新されますか。出生動向基本調査は数年おきの実施で、第16回が2021年、第17回が2025年である。概要版の図表5-1から5-3のグラフデータが公開されているので、次の回が出たら同じ図表番号を引き直せば比較ができる。
費用のことも結婚までの計画に入りますか。アプリは月数千円程度の負担が続く形で、期間が延びるほど合計は増える。自動更新の止め方や解約の条件は料金の記事に書いたが、交際に入ってからの退会手続きを忘れると請求だけが残る。
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