18歳未満は使えない、という前提から始まる
高校を出る前にアプリを入れてよいのかという問いには、法律の側に先に答えがある。インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律は第2条第1号で児童を「十八歳に満たない者」と定め、第11条で事業者に対し、利用者が児童でないことをあらかじめ確認しなければならないと義務づけている。入口の年齢の関門は利用者の心がけではなく、事業者に課された義務として置かれている。
誘引する側の行為も禁じられている。同法第6条は、この事業を利用して児童を性交等の相手方となるように誘引する行為などを禁止誘引行為と呼び、第33条がこれに違反した者を100万円以下の罰金に処すると定める。条文の主語は「何人も」で、大人だけに向けられたものではない。警察庁の令和7年における少年非行及び子供の性被害の状況では、同年の第6条の検挙7件のうち2件が児童による誘引だった。年齢の低い側が被害者としてだけ数えられているわけではない。
保護者に向けた条文もある。第4条は、児童の保護者が通信端末のフィルタリングを利用するなど、児童による利用を防ぐ措置を講ずるよう努めなければならないとしている。18歳や19歳で登録する人が最初に通るのはこの関門で、確認の方式ごとに精度が違う点は選び方の記事で整理した。
恋人がいる割合は、20代後半で山を迎える
若い世代で実際に恋人がいる人はどれくらいいるのか。国立社会保障・人口問題研究所の第17回出生動向基本調査 結果の概要によれば、18〜34歳の未婚者のうち恋人または婚約者がいる人は男性19.6パーセント、女性27.8パーセントである。総数だけ見ると2割前後にそろうが、年齢で割ると形が出てくる。
男性は18〜19歳の15.2パーセントから20〜24歳で23.3パーセント、25〜29歳で23.9パーセントまで上がり、30〜34歳では11.6パーセントに落ちる。女性も18〜19歳19.8パーセント、20〜24歳30.7パーセント、25〜29歳32.8パーセントと上がって、30〜34歳では20.7パーセントになる。男女とも20代後半が頂点で、そこから先は半分前後まで下がるという共通の形である。
| 年齢 | 恋人等がいる(男性) | 恋人等がいる(女性) | 交際経験なし(男性) | 交際経験なし(女性) |
|---|---|---|---|---|
| 18〜19歳 | 15.2% | 19.8% | 53.1% | 54.3% |
| 20〜24歳 | 23.3% | 30.7% | 39.7% | 38.3% |
| 25〜29歳 | 23.9% | 32.8% | 42.3% | 31.5% |
| 30〜34歳 | 11.6% | 20.7% | 40.5% | 28.9% |
| 18〜34歳(総数) | 19.6% | 27.8% | 42.3% | 36.7% |
30代前半で下がるのは、恋人ができなくなるからではなく、交際した人が順に結婚して未婚者の集まりから抜けていくためである。未婚だけを見ている統計なので、年齢が上がるほど残った集団の性質が変わる。
交際経験がない人が4割を超えた
山の高さより大きく動いたのは土台のほうである。同じ調査で異性との交際経験がないと答えた18〜34歳の未婚者は、男性42.3パーセント、女性36.7パーセントだった。前回の第16回調査では男性37.7パーセント、女性32.7パーセントで、4年のあいだに男女そろって4ポイント前後増えている。
若い層ではさらに高い。18〜19歳では男性53.1パーセント、女性54.3パーセントが交際経験なしと答えており、前回のいずれも45.7パーセントから7ポイント以上増えた。20代前半でも男性39.7パーセント、女性38.3パーセントである。相手がいた経験のない人が多数側に回る年齢帯が、調査のあいだに広がったことになる。
この構成は、アプリが最初のひとりと出会う場になりやすいことを示している。同時に、比べる材料を持たないまま相手を評価する場面が増えるということでもある。相手の素性のどこまでが制度で担保されているかは安全性の記事にまとめたが、法律が確かめているのは年齢までで、職業や独身かどうかは事業者の任意の設計に委ねられている。
経路は学校とネットの二本立てに変わった
恋人または婚約者がいる未婚者に相手と知り合ったきっかけを尋ねた結果を見ると、男性は学校が29.5パーセントで最も多く、次がネットの19.8パーセント、職場や仕事が17.6パーセント、アルバイトが5.5パーセントと続く。女性は学校24.6パーセント、ネット23.0パーセント、職場14.1パーセント、アルバイト9.5パーセントで、こちらは学校とネットの差が1.6ポイントしかない。
前回調査と並べると動いた向きがはっきりする。ネットは男性が11.9パーセントから19.8パーセント、女性が17.9パーセントから23.0パーセントへ伸びた。学校は男性30.1パーセントから29.5パーセント、女性26.8パーセントから24.6パーセントでほぼ横ばいである。減ったのは友人・兄弟姉妹を通じてで、男性18.0パーセントから11.2パーセント、女性17.3パーセントから13.3パーセントへ下がった。伸びた分を明け渡したのは人づての紹介だった。
実数でも確かめておくと、ネットと答えたのは男性65人、女性114人である。恋人または婚約者がいる男性329人、女性496人のなかの数で、1割台から2割台という水準は調査のたびに積み上がってきた変化の延長にある。
交際を望まない人が、望む人を上回る年齢もある
利用者の全体像を見誤らないために、もう一つの数字を置いておきたい。交際相手がいない未婚者に交際の希望を尋ねると、18〜34歳の男性では交際を望む人が32.8パーセント、望まない人が35.7パーセントだった。女性は望む人24.6パーセント、望まない人35.3パーセントである。いずれも望まない側が多い。
年齢で割ると、男性は18〜19歳で望む37.9パーセントに対し望まない36.0パーセントとわずかに上回るが、20〜24歳では28.7パーセント対36.0パーセントで逆転する。25〜29歳は33.6パーセント対31.5パーセントで再び望む側が多く、30〜34歳では35.1パーセント対40.2パーセントに戻る。女性は望む側が24パーセント台から26パーセント台でほとんど動かず、望まない側が18〜19歳の39.1パーセントと30〜34歳の39.9パーセントで高い。
つまりアプリの利用者は、若い未婚者の全体ではなく、交際を望む3割前後の層の一部である。地域の側から若い世代と出会いの接点をつくる取り組みはFLASPOでも扱っているが、望まない人まで含めて母数を取ると、どの施策も効果を見誤る。
よくある質問
18歳になったばかりでも登録できますか。法律が禁じているのは18歳未満の利用で、18歳の誕生日を過ぎれば法の上では利用者になれる。ただし事業者の規約で高校生を除いている場合があり、出会い系サイト規制法施行規則第5条が定める書面の提示やマイナンバーカードの送信、児童が通常利用できない支払方法への同意のいずれかを通ることになる。
20代前半だと相手が少ないのではありませんか。恋人または婚約者がいる割合は20〜24歳で男性23.3パーセント、女性30.7パーセントで、18〜19歳より高い。ネットで知り合ったという回答も2割前後あるため、年齢が若いほど経路として弱いという関係にはなっていない。
大学生のあいだはどの経路が強いですか。学校が最大のきっかけで、男性29.5パーセント、女性24.6パーセントを占める。学内の接点と学外の接点をどう組み合わせるかという話は大学生の恋愛と若者の記事で扱った。
親に伝えたほうがよいでしょうか。保護者の責務を定めた第4条は児童を対象とした条文で、18歳以上の利用には及ばない。制度としての義務はないが、相手の言うことを確かめる相手が身近にいるかどうかで、やりとりの途中で立ち止まれる確率は変わる。
交際経験がないと不利になりますか。18〜34歳の未婚者で交際経験がないと答えた人は男性42.3パーセント、女性36.7パーセントで、18〜19歳では男女とも5割を超える。少数派の属性ではないため、経験の有無を前提にした助言はそのまま当てはまらない。
統計の数字はどこで確かめられますか。本文で挙げた割合は第17回出生動向基本調査の概要版の図表1-2、2-1から2-4のグラフデータ、検挙や被害の件数は警察庁の少年非行及び子供の性被害の状況に載っている。どちらも年次ごとの数字が公開されているため、年が変わったら同じ図表を引き直すのが確実である。
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