地域課題とは?意味と分野別の一覧・具体例、見つけ方と解決の事例

地域課題とは?日本が直面する5つの問題と若者の解決方法を解説

「地域課題」は、ニュースや自治体の計画、高校・大学の探究やレポートのテーマでよく出てくる言葉です。ただ、人口減少のような全国共通の問題と、その土地ならではの問題が一緒に語られることが多く、具体的に何を指すのかはつかみにくいものです。

この記事では、地域課題の意味を整理したうえで、分野別の課題を最新の統計と出典つきで一覧にし、自治体が実際に若者へ出した「お題」の例、探究やレポートで使える見つけ方の手順、解決に向けた取り組みと若者の関わり方までまとめます。

地域課題とは?意味と、いま注目される理由

地域課題とは、ある地域の暮らしや経済を続けていくうえで解決が必要な問題のことです。人口減少や高齢化のように全国の多くの地域に共通するものもあれば、特産品の担い手不足や観光客の滞在時間の短さのように、その地域ならではのものもあります。

似た言葉に「社会課題」がありますが、社会課題が国や社会全体の問題を指すのに対して、地域課題は「どこで・誰が困っているか」がはっきりしているのが特徴です。そのため、国だけでなく、自治体・企業・住民、そして地域の外にいる人が一緒に取り組む対象になります。

注目が高まっている背景には、人口減少で地域の担い手が足りなくなり、自治体や住民だけでは解決しきれなくなってきたことがあります。地域の外から関わる若者や企業の力を借りる「関係人口」の考え方が広がっているのも、そのためです。

地域課題の一覧|分野別の具体例と最新データ

まずは、全国の多くの地域に共通する課題を分野別に一覧にします。数字はすべて国などの公表資料から引いています。

分野 どんな課題か データ 出典
人口減少・高齢化 働き手や税収が減り、学校・病院・交通などの維持が難しくなる 総人口は2070年に約8,700万人、65歳以上の割合は38.7%の見通し 国立社会保障・人口問題研究所(2023年推計)
若者の流出 進学・就職で若者が都市部へ出て、地元に戻らない 東京圏は2025年に12万3,534人の転入超過 総務省 住民基本台帳人口移動報告(2025年)
自治体の存続 若い女性が大きく減り、人口を保てなくなるおそれ 744自治体(全体の43.3%)が「消滅可能性自治体」。2014年の分析では896 人口戦略会議(2024年)
空き家 使われない家が増え、防災・防犯・景観の問題になる 空き家は約900万戸、空き家率13.8%で過去最高 総務省 住宅・土地統計調査(2023年)
農業・一次産業の担い手 農家が減り、農地や地域の産業が続かなくなる 基幹的農業従事者は102万1千人で、5年前より25.1%減(速報) 農林水産省 農林業センサス(2025年)
自治体の人手不足 地域づくりを担う職員や団体が足りない 関係人口施策の課題に「自治体内の人員不足」を挙げた自治体が1,176団体 内閣府 関係人口の取組状況調査(令和7年度)
交通・医療・買い物 路線バスの減便や医師の偏在で、車がないと暮らしにくい 地域ごとの差が大きい。自治体の計画で確かめる 各自治体の地域公共交通計画など

これらは別々の問題ではなく、つながっています。若者が出ていくと人口が減り、担い手がいなくなって空き家や耕作放棄地が増え、暮らしの便利さが下がって、さらに若者が出ていく、という循環です。地域課題を考えるときは、どこでこの循環を断ち切るかという視点を持つと整理しやすくなります。

その地域ならではの課題|自治体が若者に出した実際のお題

全国共通の課題に対して、実際の現場ではもっと具体的な形で課題が語られます。学生・若者向けのアイデアコンテストを運営するFLASPOには、自治体や地域の団体から次のようなお題が寄せられてきました。自治体が自分の地域の課題をどう言葉にしているかの実例として参考になります。

課題の分野 地域 出した団体 実際のお題
関係人口・担い手 北海道羅臼町 羅臼町 知床・らうす未来創造図の実現に向け、若者目線であったらいい企画アイデア
関係人口・担い手 高知県香南市 香南市役所 香南市の地域資源を活用し、若者が地域に関わりたくなる企画アイデア
若者の流出・つながり 愛媛県 愛媛県東京事務所 若者が首都圏から愛媛とつながり続け、地域課題に貢献できる活動・企画
産業・新しい仕事 宮崎県新富町 こゆ地域づくり推進機構 地域資源を活かした「半々ビジネス」
企業の人手不足・DX 静岡県焼津市 焼津市 企業DXチャレンジプログラム ふだん実践しているAIの使い方を、焼津の企業で活かす方法
特産品の若者離れ 静岡県菊川市 菊川市茶業協会 深蒸し菊川茶を若者に届ける新しいキャラクター
観光の滞在時間 福井県坂井市 未来社会デザイン機構 東尋坊に来た若者の観光客が、もっと長く滞在したくなる仕掛け
観光の若者集客 青森県八戸市 八戸市×八食センター 八食センターに若者の来訪者を増やす施策アイデア

どのお題も「人口減少」のような大きな言葉ではなく、「誰に・何をしてほしいのか」まで絞り込まれています。地域課題を自分で考えるときも、この粒度まで落とし込むと、具体的なアイデアにつなげやすくなります。

自治体や地域の団体がFLASPOで若者に実際に出したお題は、観光・まちのにぎわい・担い手など課題の種類ごとに、提出数とあわせて「自治体が実際に出した、地域課題の具体例」にまとめています。

地域課題の見つけ方|探究・レポートで使える4ステップ

高校の探究や大学のゼミ・レポートで「自分の地域の課題」を探すときは、次の4ステップで進めると、根拠のある課題設定ができます。

ステップ やること 使うもの
1. 自治体の言葉で知る その市町村の総合計画・総合戦略を読み、自治体自身が課題に挙げていることを書き出す 自治体のホームページ(「総合計画」「総合戦略」で検索)
2. 数字で確かめる 人口・年齢構成・産業・観光客数などの推移を、近い地域や全国と比べる e-Stat(政府統計の総合窓口)、地域経済分析システム(RESAS)
3. 現場の声を集める 地元の新聞・広報誌・議会の会議録で、住民や議員が何を問題にしているかを見る 地方紙、自治体の広報誌、議会の会議録検索
4. 人に聞く 住民・役場・地元の企業に話を聞き、数字に出ない困りごとを確かめる インタビュー、現地のイベントへの参加

最後に、見つけた課題を「誰が、何に、どれくらい困っているか」の一文にまとめます。たとえば「人口減少」ではなく「〇〇町では高校卒業後に若者の多くが町外へ出て、地元の企業が新しい働き手を採れない」のように書くと、解決策を考える出発点になります。

地域課題を解決する3つのアプローチと事例

全国で成果を上げている取り組みは、大きく3つのアプローチに分けられます。

1つ目は、地域の外の人と継続的につながる「関係人口」づくりです。島根県海士町では、若者が島で暮らしながら働く「大人の島留学」などの仕組みで、島外の若者を継続的に受け入れています。

2つ目は、デジタル技術で距離や人手不足を補う取り組みです。徳島県神山町は、早くから光ファイバー網を整え、IT企業のサテライトオフィスを呼び込んだことで知られています。オンライン診療や、スマート農業も同じ流れにあります。

3つ目は、地域の資源を生かして新しい仕事をつくる取り組みです。徳島県上勝町の「葉っぱビジネス」(料理に添える葉や花の出荷)や、福井県鯖江市周辺で工房を開放する「RENEW」などが代表例です。

3つに共通するのは、地域の人だけで抱え込まず、外の人や若い世代の発想を取り入れていることです。地域課題に若者が取り組んだ具体的な事例は、地域活性化の事例18選|若者・大学生が主役の取り組みで分野別に紹介しています。

学生・若者が地域課題に関わる5つの方法

「地域課題は難しそう」と感じても、学生だからこそ関われる入口はたくさんあります。

方法 どんなことをするか 関わる期間
アイデアコンテストに応募する 自治体や企業が出したお題に、企画を考えて応募する 数週間(オンラインで完結するものも多い)
地方のインターンに参加する 地域の企業や団体で、数週間〜数か月働く。交通費・宿泊費の補助がある募集もある 1週間〜数か月
関係人口として通い続ける 気になる地域のイベントや活動に、年に何度か参加する 続ける限り
地域の魅力を発信する 訪れた地域のことをSNSなどで伝える。現地に行かなくてもできる いつでも
地域おこし協力隊になる(卒業後) 地方に住み、最長3年、地域の仕事に取り組む 1〜3年

地域おこし協力隊は、任期を終えた隊員の約7割が同じ地域に住み続けています(総務省 令和6年度調査で68.9%)。いきなり移住しなくても、コンテストやインターンで「関わってみる」ところから始めて、合えば関わりを深めていく、という順番で考えるのがおすすめです。

自治体・地域の団体のご担当者さまへ

学生・若者向けのアイデアコンテストや地域での体験を入口に、関係人口づくりを進める方法と、これまでの開催事例をまとめた資料をお送りしています。費用は内容に合わせてご相談です。フォームに入力すると、その場でダウンロードできます。

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よくある質問(FAQ)

Q: 地域課題とは簡単に言うと何ですか?

A: その地域の暮らしや経済を続けていくために解決が必要な問題のことです。人口減少・空き家・担い手不足のように多くの地域に共通するものと、特産品や観光など、その地域ならではのものがあります。

Q: 地域課題の具体例にはどんなものがありますか?

A: 人口減少と高齢化、若者の流出、空き家の増加、農業など一次産業の担い手不足、路線バスの減便などの交通の問題、医師の偏在、自治体職員の不足などがあります。分野ごとの最新の数字は、この記事の一覧表にまとめています。

Q: 地域課題と地域活性化の違いは?

A: 地域課題は「地域が抱える問題」、地域活性化は「その問題を解決して地域を元気にする取り組み」です。課題を正しくつかむことが、効果のある活性化策の出発点になります。

Q: 高校の探究で地域課題を調べるには、何から始めればいいですか?

A: まず自分の住む市町村の総合計画を読み、自治体が挙げている課題を書き出しましょう。次にe-Statなどの統計で数字を確かめ、地元の人に話を聞くと、自分だけの根拠のあるテーマになります。

Q: 「消滅可能性自治体」とは何ですか?

A: 2020年から2050年の30年間で、20〜39歳の女性の人口が半分以下になるおそれがある自治体のことです。2024年の人口戦略会議の分析では744自治体が当てはまり、2014年の日本創成会議の分析(896自治体)より少し減りました。

地域の課題には、アイデアで関わることもできます。自治体や企業が出したお題に、学生・若者が企画を応募するコンテストはFLASPOのTRY一覧で探せます。

FLASPOで募集中のコンテスト

自治体や企業が出したお題に、学生・若者がオンラインでアイデアを応募できます。募集中のものも、これまでのお題と結果も、一覧で見られます。