全国の1割強が北海道に入っている
寄附先を決めかねたとき、とりあえず北海道の品を眺めてみるという人は多い。その感覚は統計にもあらわれている。総務省が令和8年7月31日に公表したふるさと納税に関する現況調査結果(令和8年度実施)によれば、令和7年度に北海道(道分と市町村分の合計)が受け入れた寄附は1,887.7億円だった。全国の1兆3,314.3億円に対して14.2%にあたる。
件数で見ると比率はもう少し上がる。道内の受入件数は916万4,798件で、全国5,963万件の15.4%を占める。47都道府県のうちの1つが、6件に1件近くを引き受けていることになる。2位の宮崎県は624.7億円、3位の福岡県は602.1億円なので、額では3倍の開きがついている。
この規模は、ひとつの大都市が集めた結果ではない。道内の市町村は179あり、沿岸の漁協がある町、酪農を中心とした町、内陸の農業地帯の市が、それぞれ別の品目で寄附を受けている。扱う品が重ならないぶん、合計すると大きくなるという積み上がり方をしている。上位団体の顔ぶれについてはふるさと納税の自治体ランキング2026|受入額上位20団体の読み方でも整理した。
道内の受入額を押し上げている4つの市町
全国の受入額上位20団体に、北海道からは4つの自治体が入った。1つの都道府県から4団体が入ったのは北海道だけである。その内訳を並べると、集め方の違いが見えてくる。
| 団体名 | 受入額 | 受入件数 | 1件あたり | 全国順位 | 道内に占める割合 |
|---|---|---|---|---|---|
| 白糠町 | 223.3億円 | 1,276,246件 | 約17,500円 | 2位 | 11.8% |
| 別海町 | 211.6億円 | 1,337,531件 | 約15,800円 | 4位 | 11.2% |
| 紋別市 | 124.7億円 | 593,559件 | 約21,000円 | 9位 | 6.6% |
| 根室市 | 122.6億円 | 552,650件 | 約22,200円 | 10位 | 6.5% |
| 4市町の合計 | 682.2億円 | 3,759,986件 | 約18,100円 | — | 36.1% |
4つを足すと682.2億円になり、道全体の36.1%を占める。件数では375万9,986件で、道内の41.0%にのぼる。裏を返せば、残りの6割弱を170を超える市町村が分け合っているということでもある。
1件あたりの額には幅がある。最も低いのは別海町の約15,800円、最も高いのは根室市の約22,200円で、6千円以上の差がついた。乳製品や肉を手に取りやすい価格帯でそろえた町と、海産物の詰め合わせで1件の額を上げた市とで、品ぞろえの設計が分かれている。寄附の上限に余裕がない年は前者、余裕がある年は後者という使い分けもできる。
件数は減ったのに額は増えた
前年度と並べると、北海道の動きには引っかかるところがある。令和6年度の受入額は1,799.6億円だったので、令和7年度は4.9%伸びた。ところが件数のほうは963万2,234件から916万4,798件へと4.9%減っている。額と件数が逆を向いた。
差を埋めているのは1件あたりの額である。令和6年度の約18,700円に対して令和7年度は約20,600円となり、1件につき1,900円ほど上がった。全国平均の約22,300円にはなお届かないものの、その差は縮まっている。
時期を重ねて考えると、令和6年総務省告示第203号によってポイントを付与するサイト経由の募集が令和7年10月から認められなくなったことが思い当たる。制度が変わる前に申し込みを済ませた分が令和6年度の件数を膨らませ、その反動が翌年度に出たという読み方である。ただし現況調査は理由までは記していないので、ここは数字から言える範囲にとどめたい。
全国の動きと比べると、北海道の特徴はいっそうはっきりする。令和7年度の全国の受入額は前年度から4.6%増え、件数も1.4%増えた。額が伸びた点は共通しているが、件数が増えた全国に対して北海道は減っている。寄附の総量が各地に広がるなかで、北海道は1件を厚くする方向に進んだということになる。
受け取る額と手放す額の差
ふるさと納税は受け取る側の話だけで完結しない。道内に住む人が他の地域へ寄附をすれば、その分の住民税は北海道から出ていく。令和8年度課税における道内の住民税控除額は253.8億円で、控除を受けた人は36万8,848人だった。
受入額1,887.7億円から控除額を差し引くと1,633.9億円が残る。都道府県の中でこの差が最も大きいのが北海道である。出し手として知られる東京都が2,350.6億円の控除に対して受入162.0億円であることと比べると、立ち位置はちょうど正反対にある。
とはいえ道内の向きが一様というわけでもない。市区町村別の控除額では札幌市が109.7億円で全国9位に入り、控除を受けた人は18万9,596人いる。道内の控除額の4割以上が札幌市に集まっている計算になる。道庁所在地からは出ていき、沿岸と内陸の市町村には入ってくるという循環が、ひとつの道の中で起きている。
道内の寄附先をどう絞るか
数字を踏まえたうえで、実際にどこへ寄附するかという話に移りたい。品目から入るなら、根室市と紋別市は海産物、白糠町と別海町は乳製品と肉が中心になる。同じ道内でも産地が離れているため、2つの地域に分けて申し込めば返礼品の時期も重なりにくい。
件数の多い自治体は発送の体制が整っている一方で、人気の品は早い時期に締め切られる。年末に慌てて探すと、残っているのは選びにくい品だけということになりがちだ。申込みの段取りは【2026年最新】ふるさと納税のやり方を5ステップで完全ガイドにまとめてある。
使い道から選ぶ道もある。現況調査によると、令和7年度は1,749団体(全体の98.2%)が寄附の使途を選べるようにしており、目標額と期間を定めて特定の事業に募るクラウドファンディング型は516団体が実施して1,547事業に333億円が集まった。返礼品ではなく事業の中身で選ぶと、同じ金額でも関わり方が変わってくる。地域とのつながりを探す入り口はFLASPOにもある。
手続きの軽さも選ぶ基準になる。確定申告をしない給与所得者であれば、寄附先が5団体までならワンストップ特例が使える。令和8年度課税で控除を受けた1,151万4,115人のうち614万2,000人、全体の53.3%がこの特例を利用している。道内で寄附先を分けるときも、5団体という枠を意識しておくと年明けの作業が減る。
よくある質問
北海道へ寄附すると返礼品はいつ届きますか。品目によって大きく異なる。いくらや鮭などの海産物は漁期に合わせた発送になり、申込みから数か月先になることもある。乳製品や加工品は通年で出荷している自治体が多い。
道庁への寄附と市町村への寄附はどちらがよいですか。どちらも控除の対象になる。現況調査の数値は道分と市町村分を合わせたもので、広い範囲の事業に使ってほしいなら道、特定の町を応援したいなら市町村という選び分けになる。
受入額が多い自治体を選べば間違いないですか。額の大小は返礼品の質を直接保証するものではない。件数が多い自治体は在庫と配送の経験が蓄積されている傾向があるが、申込みの時期のほうが選択肢の幅を左右する。
件数が減っているのは人気が落ちたということですか。そうとは限らない。令和7年度は額が4.9%伸びており、1件あたりの単価が上がったことで全体の規模は拡大している。申込みの回数が減り、1回の額が増えたという読み方が素直である。
最新の数値はどこで確認できますか。総務省の現況調査が毎年7月末に更新され、全都道府県の受入額と受入件数、住民税控除額と控除適用者数が一覧で載る。上位20団体の表も同じ資料に含まれている。
ワンストップ特例は北海道の複数の町に寄附しても使えますか。使える。1年のうちに寄附した自治体が5団体以内であれば、同じ道内で分けても問題はない。6団体以上になった場合や医療費控除などで申告をする場合は、確定申告にまとめることになる。
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