相手がいないが交際は望む、という層が3割前後いる
利点を語る前に、何の不足を埋めているのかを数字で押さえたい。国立社会保障・人口問題研究所の第17回出生動向基本調査 結果の概要は、18〜34歳の未婚者に交際相手の有無と交際の希望をたずねている。交際相手がおらず、かつ交際を望むと答えた人は男性32.8パーセント、女性24.6パーセントだった。
この層は前回調査からほとんど動いていない。第16回は男性31.5パーセント、女性24.6パーセントである。一方で、交際相手がおらず交際も望まないという回答は男性35.7パーセント、女性35.3パーセントまで増えており、前回の男性33.5パーセント、女性34.1パーセントを上回った。望まない人が増えても、望みながら相手がいない人の規模は減っていない。
理由の側からも同じ姿が見える。25〜34歳の未婚者が独身でいる理由として「適当な相手にまだめぐり会わないから」を選んだ割合は男性39.2パーセント、女性39.9パーセントである。第16回の男性43.3パーセント、女性48.1パーセントからは下がったが、依然この年齢層で最も多く選ばれた理由として残っている。出会いの数そのものが足りていない。
出会いの経路として、学校と職場の列に並んでいる
では実際にどれだけ使われているのか。同じ調査は、恋人または婚約者がいる未婚者に、その相手とどこで知り合ったかをたずねている。男女で順位が違うのが特徴で、女性ではネット経由が学校に次ぐ2番目に入っている。
| 出会いのきっかけ | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 学校で | 29.5% | 24.6% |
| ネット(インターネット)で | 19.8% | 23.0% |
| 職場や仕事で | 17.6% | 14.1% |
| 友人・兄弟姉妹を通じて | 11.2% | 13.3% |
| アルバイトで | 5.5% | 9.5% |
| サークル・クラブ・習いごとで | 5.2% | 5.2% |
| 街なかや旅先で | 4.3% | 4.0% |
| 結婚相談所で(オンラインを含む) | 1.8% | 1.4% |
| 見合いで(親せき・上役などの紹介も含む) | 0.0% | 1.4% |
注目したいのは、仲介を職業として行う経路との差である。結婚相談所は男性1.8パーセント、女性1.4パーセントで、見合いは男性では0.0パーセントまで落ちている。仲立ちを人に頼む形が細った分を、ネット経由がそのまま引き受けた形になっている。経路ごとの長期の変化は大学生の出会いの記事で扱った。
費用の水準が、ほかの婚活手段と一桁違う
金額の差は、利点のなかで最も具体的に示せる部分である。こども家庭庁の令和6年度行政事業レビュー公開プロセス説明資料は、婚活支援サービスの特徴比較のなかで価格の目安を並べている。マッチングアプリが月数千円、公的な結婚支援センターが年1万円弱、結婚相談所や仲人業が入会金数万円に月2万円弱、さらに成婚時に20万円という水準である。
1年あたりに直すと、アプリは数万円、公的センターは1万円弱、相談所は20万円を超える計算になる。同資料は全体的な傾向を比べたものであり、具体的には業者やプランによると注記しているので、個別の見積りをこの表で代用することはできない。それでも桁の違いは読み取れる。
この差が効くのは、続ける期間を自分で決められる点である。成婚時に高額の費用が発生する仕組みでは、始めるかどうかの判断に重みが生じる。月額で区切られていれば、合わなければ止めるという選択が取りやすい。費用の低さは結果の良さを保証しないが、試す回数を増やせることは利点として数えられる。
住んでいる場所の制約を外せるが、万能ではない
地理の条件はどうか。先のこども家庭庁の比較表では、カバー地域の評価が逆転している。公的な結婚支援センターは37府県に広がっているとして丸がつき、マッチングアプリは都市部中心という理由で三角がついた。全国どこからでも登録できる仕組みであっても、相手の母数が都市に偏っていれば、地方では期待した数の候補が出てこない。
公的な側の規模も押さえておきたい。同資料によれば、令和2年度の結婚支援センターでのマッチング数は32,018組、成婚数は1,748組である。資料自身が、自治体がその後の交際の経過を必ずしも把握していないため成婚件数は実際より小さい可能性があると補足している。人口の少ない県でこの規模の仕組みが動いているのは、民間だけでは埋まらない部分があるからである。
つまり選択は二者択一ではない。都市圏に住んでいればアプリの母数を生かし、地方では年1万円弱で面談と証明書の確認を伴う公的な仕組みを併せて使う、という組み立てが現実的である。地域の人と接点をつくる経路としては、学生が地域の課題に提案を持ち込むFLASPOのような場も別の線として置ける。
文字から始められることが、人によっては決め手になる
対面の場が苦手な人にとっての利点も、調査の数字から説明できる。25〜34歳の未婚者が独身でいる理由として「異性とうまくつき合えないから」を選んだ割合は男性18.2パーセント、女性13.5パーセントである。18〜24歳でも男性10.3パーセント、女性7.7パーセントが選んでいる。
合コンや街コンのように、その場で会話を組み立てる形式では、この層が最初の段階でつまずく。文字のやりとりから入れる仕組みなら、考える時間を置いて返事ができる。相手の年齢や居住地、興味の対象が先に示されるため、話し始める前に共通点を探す手間も減る。
ただし、先の比較表で相談支援と伴走支援の評価は三角だった。選ぶところまでは仕組みが助けてくれるが、その後をどう進めるかは自分で考えることになる。登録時に面談があり独身証明の提出を求める公的センターや相談所は、この部分で丸がついている。何を助けてほしいかによって、利点の大きさは入れ替わる。
よくある質問
使っている人はどれくらいいますか。
利用者数の公的な統計はない。結果の側では、恋人または婚約者がいる18〜34歳の未婚者のうち相手とネットで知り合った人が男性19.8パーセント、女性23.0パーセントである。
公的な結婚支援センターとどちらが良いですか。
目的によって変わる。費用はセンターが年1万円弱で安く、相談員の支援と登録時の面談もある。候補の数は都市圏ではアプリのほうが多い。センターは37府県にあり、未設置の都府県では選べない。
結婚にまでつながる経路なのですか。
過去5年間に結婚した初婚どうしの夫婦では、ネットで知り合った割合が20.2パーセントで前回調査の11.0パーセントから上がった。詳しい内訳はマッチングアプリとはの記事にまとめている。
費用をかければ結果は良くなりますか。
費用と成果を結びつけた公的なデータはない。確かめられているのは、月数千円から入会金数万円に月2万円弱という価格帯の差と、相談支援の有無という提供内容の差である。
地方に住んでいると不利になりますか。
こども家庭庁の比較では、カバー地域の評価がアプリは都市部中心として三角、公的センターは37府県として丸になっている。候補の母数が都市に偏るため、地方では公的な仕組みや地元の事業者を併せて検討する余地がある。
交際を望む人はどのくらい減っていますか。
交際相手がおらず交際を望む人の割合は、男性が31.5パーセントから32.8パーセント、女性が24.6パーセントで横ばいである。減ったのは望む人ではなく、望まない人の増加によって構成比が動いている。
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