数えるなら、ブランド名ではなく届出の単位で
広告でよく見るサービス名を並べていくと、種類の多さに圧倒される。ところが行政の統計はサービス名を数えていない。警察庁の令和7年における少年非行及び子供の性被害の状況によれば、出会い系サイト規制法にもとづく届出事業者数は1,393業者、届出サイト数は2,030サイトである。
内訳を見ると、事業者は法人1,155・個人238で、サイトは法人1,706・個人324である。1業者あたりおよそ1.5サイトということになり、ひとつの会社が複数の看板を運営している形が標準に近い。前年は1,322業者・2,124サイトだったので、業者が71増えたのに対してサイトは94減っている。
ここから分かるのは、画面に出ている名前の数と、その後ろにいる運営者の数が一致しないことである。似た作りの画面が別の名前で並んでいても、届出の単位では同じ会社だという場合がある。種類を整理するなら、まず届出という共通の土台があると知ってから分類に入るほうが混乱しない。
運営主体で切ると、民間と公的の二本立てになる
分け方の第一の軸は、誰が運営しているかである。民間企業のサービスのほかに、都道府県が運営する結婚支援センターがある。こども家庭庁の令和6年度行政事業レビュー公開プロセス説明資料は、令和5年度末時点で結婚支援センターが37府県、そのうちAIマッチングシステムの導入が32府県にのぼると整理している。
未設置は群馬・千葉・東京・神奈川・愛知・大阪・奈良・和歌山・熊本・沖縄の10都府県である。人口の多い都市圏が並んでいるのは偶然ではなく、民間のサービスが充実している地域では公的な仕組みの必要度が相対的に低い、という事情が読み取れる。同じ資料は3つの手段を次のように比べている。
| 項目 | マッチングアプリ | 公的結婚支援センター | 結婚相談所・仲人業 |
|---|---|---|---|
| 相談支援・伴走支援 | △ | ○ | ○ |
| 価格 | 月数千円 等 | 年1万円弱 等 | 入会金数万円、月2万円弱、成婚20万円 等 |
| 安全性 | △(業者による) | ○(登録時面談・独身証明) | ○(登録時面談・独身証明) |
| カバー地域 | △(都市部中心) | ○(37府県) | ○(各県地元業者あり) |
公的な側の実績も示されている。令和2年度の結婚支援センターでマッチング数32,018組、成婚数1,748組である。ただし同資料は、自治体がカップルのその後を継続して把握しているわけではないため、成婚件数は実際より小さい数字になっている可能性があると付け加えている。
年齢確認の方式が、最もはっきりした区別になる
利用者から見て判別しやすい軸は、登録のときに何を求められるかである。警察庁が公開している出会い系サイト規制法施行規則の解説は、児童でないことの確認の方法を第5条で定めている。運転免許証など年齢または生年月日を証する書面の該当部分を提示・送付・画像送信する方法、マイナンバーカードを使って生年月日の情報を送信する方法、そしてクレジットカードの利用など児童が通常利用できない方法で支払いへの同意を受ける方法である。
一度確認を受けた人に識別符号を付与している場合、以後の利用ではその符号を送信させることで確認に代えられる。付与の事務は一定の者に委託することもできる。登録のときだけ書類を求められ、次からは何も求められないのは、この仕組みによるものである。
規則には例外もある。特定情報の書き込み、閲覧、伝達のいずれも提供しない場合は、年齢または生年月日を送信させる方法や、児童でないかを問い合わせて回答を得る方法で足りるとされている。自己申告だけで入れる画面があるとすれば、この例外の範囲に自らを置いた設計だと考えられる。書類を求めるか符号で済ますか自己申告で通すかという差は、種類を見分ける具体的な手がかりになる。
掲げる目的は違っても、法律の区分は動かない
恋人探し、結婚相手探し、食事の相手探しといった目的別の呼び分けは、運営側が選んだ設計と宣伝の結果である。法律の側は目的で線を引いていない。面識のない異性との交際を希望する人の情報をインターネットで閲覧できる状態に置き、相互に連絡できるようにする役務であれば、同じ区分に入る。この定義の詳細はマッチングアプリとはの記事で扱った。
利用者の側でも目的の線は意外にあいまいである。国立社会保障・人口問題研究所の第17回出生動向基本調査では、恋人または婚約者がいる18〜34歳の未婚者のうち、相手とネットで知り合ったという回答が男性19.8パーセント、女性23.0パーセントだった。過去5年間に結婚した初婚どうしの夫婦でも、ネットで知り合った割合は20.2パーセントである。
交際の段階と結婚の段階で、ほぼ同じ水準の数字が並んでいる。恋活向けと婚活向けという看板の違いが、結果の違いとしてはっきり表れているとは言いにくい。経路ごとの内訳は大学生の恋愛事情の記事にまとめている。
選ぶ前に、画面のどこを確かめるか
種類を絞り込む作業は、実際には排除する作業になる。確かめやすいのは法第10条が求める表示である。広告や宣伝のときに児童が利用してはならない旨を明らかにすることが義務づけられており、規則第3条は電子メールの広告について、表題部にその文言を表示するか「18禁」と表示するよう定めている。登録画面や広告にこの趣旨の表示がなければ、そこで候補から外せる。
一方で、過去の処分歴から選ぶ方法は実質的に使えない。先の警察庁の統計では、令和7年の行政処分は指示が0件、事業の停止等も0件である。検挙も法第6条の禁止誘引が7件、無届と名義貸しはいずれも0件で、前年の総数21件から7件に減っている。処分の記録はほとんど積み上がっていない。
結局、年齢確認の方式と18歳未満への表示という2点を自分の目で見るほかない。地域の人とのつながりを別の形でつくりたいのであれば、学生が地域の課題に提案を持ち込むFLASPOのような場も、出会いの経路としては並べて考えられる。
よくある質問
種類は全部でいくつありますか。
サービス名の数としては公表されていない。行政の統計で数えられるのは届出の単位で、令和7年は1,393業者・2,030サイトである。1業者が複数のサイトを届け出ているため、名前の数はこれより多くなる。
公的な結婚支援センターはどこにありますか。
令和5年度末時点で37府県に設置されている。未設置は群馬・千葉・東京・神奈川・愛知・大阪・奈良・和歌山・熊本・沖縄である。AIを使ったマッチング機能の導入は32府県となっている。
登録のときに身分証を求められないのは問題ですか。
規則第5条には、特定情報の書き込み・閲覧・伝達のいずれも提供しない場合に自己申告で足りるという定めがある。ただし通常の形で情報の掲載と連絡の仲介を行いながら書類もカードも求めないのであれば、確認の方法として説明がつきにくい。
婚活向けと恋活向けで結果は変わりますか。
公的な調査で分けて集計されたものはない。第17回出生動向基本調査では、恋人または婚約者がいる未婚者で男性19.8パーセント・女性23.0パーセント、過去5年間に結婚した夫婦で20.2パーセントがネットで知り合っており、段階が違っても水準は近い。
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