プロジェクト概要
EZOHUB(サツドラホールディングス運営)とFLASPOは、北海道にゆかり・関心のある首都圏の若者と北海道内企業をつなぐエゾクラスマッチングイベントを、回を重ねながら継続的に開催しています。
第1回(2025年11月)は参加学生19名・道内企業4社の規模でスタート。その後、FLASPOでのアイデアコンテストを入口に組み込み、第2回(2026年7月)では札幌市の後援を受けて49件の提案・65名の若者が集まりました。第3回(2026年10月)では参加企業が7社まで拡大しました。
コンテストで関心層を集め、東京で企業と直接話し、北海道での現地インターン(交通費・宿泊費無料)まで進む。この一続きの設計を、回を重ねて磨いてきた事例です。
プロジェクト背景
EZOHUBは、サッポロドラッグストアー(サツドラホールディングス)が運営するコワーキング・イベントスペースで、「地域のヒト・モノ・コト・チエをつなぐ」拠点として、道内自治体や企業の実証フィールド、ビジネスピッチの会場などに使われています。
その東京拠点「EZOHUB TOKYO」を舞台に、北海道や地方での就職を検討している学生、地方創生に関心のある若者、北海道本社企業の東京赴任中の若手社員などが集まるU30コミュニティ「エゾクラス」が運営されています。
一方で、北海道内企業の側には次の課題がありました。
- 関東在住の学生と直接話せる機会がなく、UIターン志向の若者に出会えない
- 説明会型のイベントでは、学生の関心が「どの企業か」の前に「どの地域で暮らすか」にあることに応えられない
- 一度接点を持っても、その後の関係が続かず、インターンや採用につながらない
マイナビの調査では、都市部の若者が地元就職を希望しない理由の1位は「志望する企業が無いから」であり、その一方で地元企業のインターンシップ・仕事体験に参加した学生の85.6%が「地元就職を意識するようになった」と回答しています。機会がないことが最大の壁であり、体験さえあれば意識は動く——この前提に立ち、本プログラムは「出会う」だけで終わらせず、現地インターンまでを一続きに設計しました。
第1回|2025年11月:まず「話せる場」をつくる
第1回は、コンテストを挟まず、マッチングイベント単体で実施しました。
- 参加学生:19名(うち就活生17名/女性10名・男性9名)
- 参加企業:4社(株式会社インプル、株式会社電通北海道、株式会社NINAITE、中央コンピューターサービス株式会社)
- 参加者像:地方移住・地方就活に関心がある、北海道に住みたい、北海道出身の都内学生
プログラムは、学生と企業の距離を段階的に縮める3部構成としました。
- 企業ピッチ(各社8分):事業内容・企業文化・北海道で働くことの魅力をプレゼン。学生が全参加企業の概要を把握し、後の面談で聞くことを準備できる
- ブースでのカジュアル面談(5ターム制):少人数で対話。事業内容への踏み込んだ質問から、残業時間や1週間のスケジュールといった実際の働き方まで
- 懇親会(立食形式):サッポロクラシックとケータリングを用意。面談では聞けなかった話題や、学生同士のつながりも生まれる
第1回の結果
学生側は、100%が「満足以上」と回答(とても満足16名=80%/満足4名=20%)。「地域に根ざした事業を展開されている企業から直接話を伺えた」「各企業との面談時間があり、残業時間や1週間のスケジュールなどリアルな話を聞けた」「グループに分かれての座談会だったため友達もできて楽しかった」という声が寄せられました。
企業側の満足度は5点満点で4.8点、5社中4社が最高評価の5点。さらに参加企業の100%が「来年も出展したい」と回答し、3社がインターンシップ・採用の意向を示しました。
株式会社電通北海道からは「全体ピッチ、個別ブース、いずれもとても有意義な時間になりました。学生を引き付ける力やこれまでの積み重ねがとても良い形で結実されていて、今後ももっとワクワクできるコミュニティになっていきそうです」、株式会社インプルからは「関東在住の学生様と直にコミュニケーションを取れる機会がないため、貴重な体験をさせていただきました。また、道内学生より、話し方や思考力は強いと感じたため、次回以降も参加させていただきたい」というコメントをいただいています。
第2回|2026年7月:コンテストを入口に組み込む
第1回の手応えを踏まえ、第2回ではFLASPOでのアイデアコンテストを入口に追加しました。告知に反応した人を集めるのではなく、北海道について考えた人を集めるための設計変更です。
STEP1|オンラインアイデアコンテスト(札幌市後援)
「EZOHUBを起点に若者が首都圏から北海道へ貢献できる方法を考えてください」をテーマに開催。EZOHUBがどんな企業・自治体と連携し、どんなイベントや企画をつくれば若者が北海道と関わり続けられるか、応募者自身を含めた若者目線での提案を募りました。本コンテストは札幌市の後援を受けています(2026年3月決定)。
結果、49件の提案が集まり、チームメンバーを含めると65名の若者が関わりました。このうちアンケートに回答した43名では、39名がイベント参加可能と回答。回答者の在住地は東京都14名・神奈川県8名と首都圏が中心で、大阪府・京都府・兵庫県・福岡県のほか、海外(フランス)在住の応募者もいました。卒業年は27卒8名・28卒11名・29卒11名・30卒7名です。
応募者の北海道との関わりは、旅行・訪問経験22名/企業・地域と関わった経験11名/北海道出身8名/親族が在住7名。将来の関わり方については22名が「関係人口として関わりたい(首都圏在住のまま)」、13名が「北海道に関わる仕事をしたい」と回答しました。「まだ考えていないが、興味はある」も18名おり、関心はあるが具体的な接点を持てていない層が多数を占めていました。
コンテスト詳細:https://flaspo.jp/try/695
STEP2|マッチングイベント(2026年7月11日)
2026年7月11日、EZOHUB TOKYOにて、受賞者・選抜者と北海道内企業のマッチングイベントを開催。第1回で機能した3部構成を踏襲しました。
当日は学生と企業が1人1社でマッチングし、その場で連絡先を交換。インターンの参加可否や日程は学生・企業間で直接調整し、うまく組み合わせられない場合は事務局がサポートに入る運用としました。
STEP3|北海道での現地インターン
マッチングが成立した学生は、北海道内の企業や地域で実際の業務・プロジェクトに参画する現地インターンに参加。交通費・宿泊費は無料とし、首都圏の学生が費用を理由に諦めることのない設計にしました。
「地域として関わる」入口をコンテストでつくり、「リアルな体験と、相談できる人との出会い」をイベントと現地インターンで提供する。この2段構えによって、短期の採用活動ではなく、学生が「いつでも帰っていい」と感じられる関係づくりを狙いました。
第3回|2026年10月:参加企業7社へ
2026年10月10日に第3回を同じEZOHUB TOKYOで開催します。対象を2028年3月卒業予定(28卒)に絞り、参加企業は7社に拡大しました。
- 北海道電力
- 電通北海道
- クロスティホールディングス
- マッチポイントグループ
- 練成会グループ
- 株式会社ダイヤ書房
- 中央コンピュータープラスホールディングス
定員30名・参加費無料で、当日参加者には参加リワード3,000円を進呈。プログラムは5分ピッチ×7社 → ブースでのカジュアル面談(15分×8ターム)→ 懇親会(北海道「MILK DO dore iku?」の生ドーナツ&ケータリング)という構成です。
イベント詳細:https://flaspo.jp/events/ezohub-2026-10-10
成果
参加企業は4社から7社へ。第1回で全社が「来年も出展したい」と回答したことが、そのまま企業数の拡大につながりました。企業側の継続参加意向100%という数字は、このイベントが単発の採用イベントではなく、毎年の接点として企業に位置づけられたことを示しています。
若者側では、第1回で参加学生の100%が「満足以上」と回答。第2回では応募段階で「関係人口として関わりたい」が最多(22名)となり、就職という一点ではなく、関わり方の幅を求めている層が中心であることが確認できました。
設計上の学びとして大きかったのは、第2回でコンテストを入口に組み込んだことです。告知に反応した人を集めるのではなく、北海道について考えたうえで応募した人が集まるため、イベント当日の対話の質が変わります。アンケート回答者43名のうち約9割が北海道との何らかの関わりを持っていたことも、その表れです。
地域としては、すぐに就職に至らなくても、北海道への関心を持つ若者のプールが首都圏に形成されました。コンテスト起点で人を集め、リアルな接点で関係を深め、回を重ねて企業を増やしていく——UIターン採用の接点を継続的な仕組みとして運用できることを示す事例です。
関連リンク
同じような取り組みをご検討の企業・自治体のご担当者様へ
FLASPOでは、全国10万人以上の学生・若者ネットワークから、出身地・在住地・学校・関心で対象を絞り、コンテストからリアルな接点づくりまで一貫してご支援しています。こちらからお気軽にご相談ください。


