クレジットカードのデメリット|手数料・延滞・不正利用を数字で見る

クレジットカードのデメリット|手数料・延滞・不正利用を数字で見る

怖いから持たないという判断はよく聞く。ただ何が怖いのかを具体に落とさなければ、持つか持たないかは好みの話で終わってしまう。不利益が実際に発生する場所は三つに絞れる。払い方の選び方、支払いが遅れたときに残る記録、そして番号が他人の手に渡ったときの被害である。いずれも公表資料の数字で輪郭をつかめる。

残高があるかぎり終わらない払い方がある

費用がどこで生まれるかは、支払方式の一覧を見れば分かる。日本クレジット協会の整理では、購入した翌月に一括で支払う1回払いには一般に手数料がかからず、翌のボーナス時期に一括で支払うボーナス一括払いも同様だ。手数料が発生するのは分割払いとリボルビング払いの二つで、前者は利用金額や支払回数に応じて、後者は残高に応じて計算される。

このうち注意が要るのはリボルビング払いの性質である。協会はその特徴を、利用の仕方にかかわらず月々の支払いが常に一定であることと、残高があるかぎり支払いが終わらないことだと説明している。手数料の扱いにも二通りあり、月々の支払額に手数料を含めて一定にするウイズイン方式と、一定額に手数料を上乗せするウイズアウト方式が併存する。

月々の請求額が動かないという設計は、便利さと見分けにくさを同時に持つ。使った額が増えても請求書の数字は変わらないので、増えたこと自体に気づく手がかりが請求額の側から出てこない。残高が手数料の計算対象になるという仕組みと合わせると、気づくのが遅れるほど支払う総額が膨らむ構造になっている。分割払いも、支払回数を多くすれば月々の支払いを少なくできる反面、回数に応じた手数料がそこに乗る。

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半数近くが手数料の有無を取り違えている

仕組みの説明を読めば済む話なら、問題は起きていないはずだ。ところが知識の側の数字は心細い。金融経済教育推進機構が全国の18歳から79歳までの3万人に対して2025年9月26日から10月17日まで行った金融リテラシー調査では、正誤問題の正答率は全体で53.8%にとどまり、前回の55.7%を1.9ポイント下回った。

同じ調査には支払方式そのものを問う設問がある。家計管理やクレジットカードに関する記述のうち適切でないものを選ばせる問題で、正解にあたる「手数料(金利)負担は、リボルビング払いでは生じるが、分割払いでは生じない」を選べた人は47.2%だった。前回の49.6%からさらに下がっている。分割払いにも手数料がかかるという一点を、半数を超える人が押さえていない。

分野別の正答率を見ると、ローン・クレジットは48.2%で前回の52.5%から4.3ポイント下落し、家計管理は46.8%で前回の50.7%を下回った。金融取引の基本が70.0%であることと並べると、低いのは制度の存在を知っているかどうかではなく、費用の発生条件を言い当てられるかどうかの部分だと分かる。制度の骨格はクレジットカードとはで、比べる順番はクレジットカードの選び方で扱っている。

手数料のかかる区分は件数の4.7%にすぎない

では世の中の取引はどちらに寄っているのか。協会がカード発行26社を対象に行っているクレジットカード動態調査では、2025年のクレジットカードショッピングの契約件数は228億3,253万9,087件だった。このうち2月を越える支払は10億7,091万559件で、構成比は4.7%である。翌月一回払いにあたるマンスリークリアは217億6,015万2,000件で95.3%を占めた。

20件に1件という比率は、手数料が多数派の負担になっていないことを示している。だからカード全体を手数料の高い手段として語るのは実態とずれる。問われているのは平均ではなく、自分の取引がどちらの区分に入っているかだ。国民生活センターは、リボ払い専用のカードや初期設定がリボ払いになっているカードがあるとして、申込時に支払方法の設定を確認するよう呼びかけている。

確認の手順は短い。明細の支払区分の表示を一度見て、1回払いになっていなければ変更する。それだけで4.7%の側から95.3%の側へ戻せる。デメリットの大半が選択の結果として発生しているという事実は、裏を返せば設定を見るだけで避けられる範囲が広いという意味になる。得られるものの側はクレジットカードで何が得られるかで整理した。

遅れた記録は、契約が終わってからも残る

支払いが間に合わなかった場合の帰結は、手数料とは別の形で現れる。割賦販売法第35条の3の36第1項と貸金業法第41条の13第1項の規定に基づく指定信用情報機関であるCICは、クレジット情報の保有期間を契約期間中および契約終了後5年間と定めている。支払状況として登録される項目には、報告日、残債額、請求額、入金額、入金履歴に加えて、延滞や保証履行や破産などの異動の有無、異動発生日、延滞解消日が並ぶ。

その規模も公表されている。CICの信用情報統計データによれば、2026年9月20日時点の総登録情報件数は8億3,013万件で、うち異動情報件数は2,503万件だった。全体の3.0%にあたる。カードを使っている人の数と比べれば少数だが、件数としては小さくない。

記録が将来に及ぶ範囲については、法務省が成年年齢の特設サイトで踏み込んだ書き方をしている。支払の滞納が重なり、ちゃんと支払をすることができない人だと扱われてしまうと、後々融資を受ける必要が生じたときに融資を断られてしまうかもしれないという一文だ。住宅ローンを具体例に挙げている点が、時間の射程を伝えている。同じ解説は、滞納している間も手数料は発生するので支払わなければいけない総額はどんどん増え続けると述べ、早めに専門家に相談することが大事だと結んでいる。

番号が渡れば、持っていても使われる

三つ目の不利益は、自分の判断と関係なく降ってくる。協会が主要事業者48社を対象に集計し2026年9月7日に公表した調査では、2026年1月から6月までのクレジットカード不正利用被害額は221.3億円だった。内訳の偏りがこの問題の性格を示している。

区分 被害額(2026年1月〜6月) 構成比
番号盗用被害額 206.1億円 93.1%
その他不正利用被害額 12.3億円 5.6%
偽造カード被害額 2.9億円 1.3%
合計 221.3億円 100.0%
一般社団法人日本クレジット協会「クレジットカード不正利用被害の発生状況(四半期:主要事業者ベース)」2026年9月7日公表より作成。対象は主要事業者48社。構成比は四捨五入のため合計が100%にならない場合がある

被害の9割超が番号盗用である。券面が財布の中にあっても、番号とその付随情報が渡れば決済は成立してしまう。偽造カードは2.9億円で、うち国内が1.7億円、海外が1.2億円という内訳だった。カードそのものを複製する手口は、金額の上ではもう主流から外れている。

発生率の側も見ておきたい。同じ期間のクレジットカードショッピング信用供与額の速報値709,120億円に対し、不正利用発生率は0.031%だった。四半期では1月から3月が0.033%、4月から6月が0.029%である。確率としては低いが、気づく速さは自分の側の習慣に依存する。国民生活センターが挙げる防止策は、推測されにくい暗証番号の設定、カードを他人に貸さないこと、利用明細の定期的な確認、そして身に覚えのない請求があればすぐにカード発行会社へ連絡することだ。地域の活動で立替えが生じる場面なら、FLASPOのような取り組みに関わる前に誰の名義で払うかを決めておくほうが、後の照合が楽になる。

よくある質問

結局いちばん大きな不利益は何かと聞かれることが多い。金額の大きさで言えば支払方式の選び方で、時間の長さで言えば延滞の記録である。前者は設定の確認で避けられ、後者は避けられなかったときに5年の射程を持つ。

リボ払いをすでに使っている場合はどうすればよいか。協会の説明どおり残高に応じて手数料が計算されるので、残高を減らすことが手数料を減らすことに直結する。繰上返済の扱いは会社ごとに異なるため、まず明細で残高と月々の支払額を確かめたい。

一度の延滞でも記録に残るのかという質問もある。CICに登録されるのは入金履歴や延滞解消日を含む支払状況で、異動の有無もその一部だ。どの状態を異動として扱うかは機関の基準によるので、自分の記録は開示を受けて確かめるのが確実である。

不正利用に遭ったら自分で払うことになるのかという不安もよく聞く。協会の集計対象は事業者が把握した被害額であり、個々の負担の扱いは会員規約の定めによる。だからこそ申込書や会員規約に目を通して契約内容を確認することが、協会の心構えの一つに挙げられている。

年会費のあるカードは損なのかという論点も残る。費用としては確実に出ていく一方、付帯サービスの価値は使う頻度で変わるため、一般論では決まらない。手数料と違い、年会費は契約前に金額が確定しているので、判断材料としては扱いやすい側だ。

デメリットを避ける最短の手順を知りたいという声には、三つを挙げている。支払区分の初期設定を1回払いに固定すること、明細を月に一度は目で追うこと、暗証番号を推測されにくいものにすること。どれも費用がかからず、今日のうちに終わる作業である。

出典:一般社団法人日本クレジット協会「クレジットの支払方式の種類」、同「クレジット関連統計」、同「ご利用に当たっての心構え」、金融経済教育推進機構「金融リテラシー調査(2025年)」、株式会社シー・アイ・シー「CICが保有する信用情報」、同「信用情報統計データ」、法務省「大人への道しるべ クレジットカードの利用は慎重に」、独立行政法人国民生活センター「若者向け注意喚起シリーズ<No.7>18歳から大人に!クレジットカードの使い方を考えよう!」


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