アルバイトの履歴書|厚労省様式例で消えた4欄と項目別の書き方

アルバイトの履歴書|厚労省様式例で消えた4欄と項目別の書き方

コンビニで買った用紙に書き始めて、生年月日の次で手が止まる。性別の欄はどう扱うのか、通勤時間は書くのか、志望の動機にどこまで書けばいいのか。迷う箇所はだいたい共通していて、しかもその多くは国が示した様式例を見れば答えが出る。

履歴書が担っているのは条件の照合

アルバイトの履歴書は、人物を語る文章ではなく、会う価値があるかを判定するための一枚だ。見られているのは、通える距離にいるか、入れる時間帯が募集と合うか、連絡が取れるか、同種の仕事の経験があるか。この4点が読み取れれば書類の役目は果たしている。

そのため、書く側が気負って情報を足す必要はない。むしろ厚生労働省が示す「就職差別につながるおそれがある14事項」には、本人の適性・能力に関係ない事項を含んだ応募書類の使用が挙げられている。関係のない事柄は、企業の側も求めてはいけない建前になっている。

就職活動のエントリーシートとは役割が違う点も押さえておきたい。設問に沿って考えを書かせるESに対し、履歴書は欄が決まっていて、埋める内容も事実が中心になる。この違いはエントリーシートとはで整理されている。

応募先の職種によって重みは動く。塾講師なら学歴と得意科目、飲食なら入れる曜日と時間帯が先に読まれる。職種ごとの性質は大学生のアルバイトの種類を比較で確かめられる。

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様式例から4つの欄が消えた

長く使われてきたのは日本規格協会がJIS規格の解説で示していた様式例だが、令和2年7月にこの様式例全体が削除された。きっかけは、性別欄の削除などを求める要請だった。これを受けて厚生労働省が参考となる様式を作り直し、令和3年4月16日の労働政策審議会職業安定分科会に資料として示している。

項目 JIS規格様式例 厚生労働省様式例
性別 「男・女」の選択式 任意記載欄。未記載も可能
通勤時間 欄あり 欄を設けない
扶養家族数(配偶者を除く) 欄あり 欄を設けない
配偶者 欄あり 欄を設けない
配偶者の扶養義務 欄あり 欄を設けない

削除された4欄は、いずれもプライバシーに深く関わる情報にあたる。配偶者や扶養の有無は仕事の適性と結びつかず、本人に責任のない事項の把握に近づく。性別欄が任意記載に変わったのは、性自認の多様なあり方に対応するためだとされている。

注意したいのは、この様式例に法的拘束力がないことだ。どの用紙を使うかは企業が判断できる立場にあり、市販の用紙には今も通勤時間の欄が残っていることがある。欄がある用紙を渡されたなら埋めて差し支えないが、自分で用紙を選べる場面では、厚生労働省様式例をハローワークのサイトから取得して使うのが筋が通る。

欄ごとに迷う点をつぶす

右上の日付は、提出日か投函日を書く。作成した日のままにしておくと、応募から時間が経った書類という印象になる。氏名はふりがなを忘れずに付け、現住所は郵便番号から都道府県まで省略せずに書く。

学歴は中学校卒業から書き始めるのが一般的で、高校は入学と卒業の両方を行を分けて書く。在学中の大学は「○○大学○○学部○○学科 在学中」とし、卒業見込みの年月を添える。アルバイト経験は職歴ではなく、志望の動機や特技を書く欄にまとめると収まりがよい。

連絡先の欄は、現住所以外に連絡を希望する場合のみ記入する作りになっている。実家に書類を送ってほしいといった事情がなければ空欄でよい。電話番号は日中に出られる番号を書き、留守番電話の設定も確認しておく。採用の連絡がつかないまま次の候補に回ることは、実際によく起きる。

免許・資格の欄は、空のまま出すより持っているものを素直に並べる。普通自動車免許、英語や簿記の検定、調理や食品衛生に関わる資格は、職種によって直接の加点になる。持っていなければ空欄でよく、関係のない趣味の資格で埋める必要はない。

本人希望記入欄は空白にしない。厚生労働省様式例の括弧書きにも、特に給料・職種・勤務時間・勤務地・その他についての希望などがあれば記入とある。アルバイトでは入れる曜日と時間帯をここに書くのが最も実用的で、面接の話もこの欄から始まることが多い。

志望の動機は条件側から書く

志望の動機、特技、好きな学科、アピールポイントなどがまとめられた欄は、多くの人が最後まで残す場所だ。ここで店をほめる文章を作ろうとすると行き詰まる。選んだ理由を自分の条件から書くほうが、短くて具体的になる。

たとえば、大学から自転車で10分の距離で授業後の時間帯に入れる、前の仕事でレジと品出しを任されていたので同じ流れで動ける、長期休暇に日数を増やせる。こうした材料は事実なので書きやすく、読む側にも続けられる見込みとして伝わる。

経験を書き起こすときは、やったことの名前だけで終わらせない。何人の体制で、どの時間帯を担い、覚えるのにどれくらいかかったかまで書くと、仕事の進め方が見える。アルバイト経験を素材として扱う手順はガクチカ アルバイト編が詳しい。

学生の活動を見てきたFLASPOの視点でも、動機の文章量と採用の結果はあまり結びついていない。埋まっていることと、条件が合うことが分かること。この二つが満たされていれば十分だ。

手書きかデータか、出す前の点検

手書きとデータのどちらが有利かという決まりはない。応募がフォーム経由ならデータで送り、持参や郵送なら手書きでも印刷でもよい。判断の基準は読みやすさで、字に自信がなければ印刷のほうが丁寧に見える場合もある。

写真は、必要と指定されたときに用意する。厚生労働省様式例にも、写真をはる必要がある場合として本人単身で胸から上、裏面にのりづけという注意が記されている。私服で撮った写真でも、背景が無地で表情が分かるものなら差し支えない。

提出前の点検は3つに絞ればよい。空欄が残っていないか、日付と連絡先が最新か、入れる曜日と時間帯が募集条件と矛盾していないか。書き損じを修正液で直した書類は避け、面倒でも書き直す。欄の構成を含めた書き方の基本はハローワークインターネットサービスの解説にもまとまっている。

よくある質問

性別欄は書かないと不利になりますか。記載は任意で、未記載も可能という扱いになっている。未記載であることを理由に採否を決めないよう企業側に求められているため、書きたくなければ空けておいて差し支えない。

職歴の欄にアルバイトを書くべきですか。正社員としての勤務歴がない学生なら、職歴欄は「なし」と記して差し支えない。アルバイトの経験は志望の動機や特技を書く欄に回すと、学歴と職歴の並びが読みやすくなる。

複数の店に出すとき、同じ内容を使い回してよいですか。本人の情報は同じでよいが、本人希望記入欄と動機は募集ごとに書き換える。シフトの条件が店によって違うため、使い回すと希望と募集が合わない書類になる。

市販の用紙に通勤時間の欄があったらどう書きますか。欄がある用紙なら、片道の所要時間を分単位で書けばよい。厚生労働省様式例ではこの欄を設けていないが、様式例に法的拘束力はなく、企業が用紙を選べる立場にある。

写真を貼らずに出してもいいですか。募集要項で指定がなければ、貼らずに出して問題になることは少ない。ただし接客の職種では用意を求められることがあるため、迷うなら応募時の問い合わせで確かめておく。

出典

厚生労働省「履歴書の様式例の作成について」(令和3年4月16日 労働政策審議会職業安定分科会資料)/厚生労働省 公正採用選考特設サイト「採用選考時に配慮すべき事項」/厚生労働省履歴書様式例


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