Amazon出品の手数料|大口と小口が入れ替わる月49件の線

Amazon出品の手数料|大口と小口が入れ替わる月49件の線

出品プランは二つで、分かれ目は月に49件

Amazonに商品を出すとき、最初に選ぶのは出品プランだ。選択肢は二つしかない。月額4,900円(税抜)を払う大口出品と、売れた商品1点ごとに100円を払う小口出品である。どちらを選んでも、このあと述べる販売手数料は別にかかる。

金額だけで比べれば、折り返し地点はすぐ出る。4,900円を100円で割ると49になる。月に49点より多く売れるなら大口のほうが安く、それより少ないなら小口のほうが安い。週に10点ほど売れる見込みがあれば大口、月に数点なら小口という目安になる。

ただし件数だけで決めてよい話ではない。大口出品でないと使えない仕組みがいくつもあり、商品ページを新しく作ることや、複数の商品を一括で登録すること、広告を出すことなどが含まれる。既にある商品ページに同じ商品を並べて売るだけなら小口でも回るが、自分の商品を新しく世に出す形なら大口が前提になる。

件数が読めない立ち上げの時期は、小口で数点売ってみて反応を見てから移るほうが損が小さい。プランの切り替えは後からできる。

募集中の地域コンテスト

読んだら、地域に行ってみよう

地域が出したお題に、オンラインでアイデアを応募できます。受賞すると、現地に無料で招待されます。

募集中の地域をすべて見る

販売手数料は、カテゴリーと価格帯の組み合わせで決まる

販売手数料は売れた商品の代金にかかる率で、どのカテゴリーに属するかで大きく違う。さらに同じカテゴリーの中でも、商品1点あたりの売上の合計がいくらかによって率が段階的に変わる。Amazonの料金プランのページに掲載されている主なカテゴリーを並べると次のようになる。

カテゴリー 価格帯 販売手数料 最低販売手数料
メディア(本・DVD・音楽・PCソフト) 一律 15.4% なし
ホーム&キッチン 750円以下/750円超 5%/15.4% 30円
エレクトロニクス 750円以下/750円超 5%/8.4% 30円
食品&飲料 750円以下/1,500円以下/それ超 5%/8.4%/10.4% 30円
ビューティー・ヘルス 750円以下/1,500円以下/それ超 5%/8.4%/10.4% 30円
シューズ 750円以下/7,500円以下/それ超 5%/12.4%/6.4% 30円

眺めていて目を引くのは、率が価格とともに単純に上がったり下がったりしないことだ。シューズは7,500円を超えると6.4%まで下がる。高額品を扱う分野では、ある価格を超えたところで率が緩む設計になっている。扱う商品の値段をどこに置くかで、手数料の負担が思ったほど増えない帯がある。

自分の商品がどのカテゴリーに入るかは、登録の段階で決まる。似た商品が複数のカテゴリーにまたがる場合は、率の違いが利益に直結するため、出す前に確かめておきたい。

最低販売手数料の30円が、安い商品の率を押し上げる

表の右端にある最低販売手数料は、小さな金額のようで効き方が大きい。多くのカテゴリーでは商品1点につき30円が下限として設定されていて、率で計算した金額がこれを下回る場合は30円が適用される。メディアとテレビゲーム・ゲーム用アクセサリのカテゴリーには設定がない。

具体的に見てみる。ホーム&キッチンで300円の商品を売ると、率は5%なので計算上は15円だ。しかし下限の30円が適用されるため、実際には30円が引かれる。売上に対する率に戻すと10%になり、表に書かれた5%の倍だ。

小口出品を選んでいると、ここに1点100円の基本成約料が重なる。300円の商品なら100円と30円で130円、売上の43%が手数料になる。安い商品を少しずつ売る形は、率の面でいちばん不利になりやすい。

対策は値段のほうにある。まとめ売りにして1点あたりの単価を上げるか、送料を含めた価格設計に変えるかで、率は現実的な水準に戻る。数百円の商品を単品で並べる売り方は、Amazonの料金体系とは相性がよくない。

自分で送るか、FBAに預けるかの判断材料

商品を買い手に届ける方法も費用に関わる。自分で梱包して発送する形と、Amazonの倉庫に預けて出荷と問い合わせまで任せるFBAという形がある。FBAを使うと、1点ごとの配送代行手数料と、置いている間の在庫保管手数料がかかる。

サイズ区分 配送代行手数料(1点あたり)
小型 222〜288円
標準 252〜532円
大型 523〜1,756円
特大型 2,689〜5,559円

小型や標準の区分なら、自分で宅配便の伝票を書いて出すよりも安く収まることが多い。箱に詰める時間と持ち込みの手間がなくなる分も含めれば、小さくて軽い商品ほどFBAの側に寄る。逆に大型や特大型では、1点あたり1,000円を超える負担になるため、自分で送ったほうが安い場面が出てくる。

在庫保管手数料は商品の容積と預けた日数で計算される。年末に向けた時期は率が上がる仕組みで、売れ残りを長く置くほど重くなる。回転の速い商品を少量ずつ預け、動きの遅い商品は手元に置くという使い分けが基本になる。

判断の仕方としては、1点あたりの手残りを両方の形で出して比べるのが早い。たとえば2,000円の商品をホーム&キッチンで売ると、販売手数料は15.4%で308円だ。大口出品でFBAの標準サイズに預ければ配送代行が300円前後かかり、仕入れ値を除いた手残りは1,400円弱になる。自分で送る場合は宅配便の実費と梱包材、作業の時間がこの300円と入れ替わる。

どちらの形でも、送料と返品の条件を自分で決めなければならない点は変わらない。この設計の考え方はECサイトの作り方を工程に分けた記事で扱っている。

手数料の先にある、モールに出すということの意味

数字を並べてきたが、Amazonに出す判断は手数料の多寡だけでは決まらない。借りた場所で売る形には、集客を相手の仕組みに頼れる代わりに、買い手が誰なのかが手元に残りにくいという性質がある。同じ商品ページに他の出品者が並ぶ仕組みもあり、値段で比べられる場面が避けにくい。

Amazonという会社そのものの成り立ちは物流と技術の組み合わせを追った記事で扱っている。出店と自前の店をどう使い分けるかという一段上の判断はモールと自社サイトの違いを比べた記事のほうが向いている。

規模の見当としては、経済産業省の令和6年度電子商取引に関する市場調査が示す2024年の国内の消費者向け電子商取引26.1兆円、うち物販系15兆2,194億円という推計がある。買い手が集まっている場所に出す意味は小さくないが、手数料の構造を把握しないまま並べると、売れているのに手元に残らない状態になる。

実際の順番としては、どこで売るかを決める前に、1点あたりいくら残るのかを計算しておきたい。地域の事業者と販路を考える取り組みはFLASPOでも進めている。

よくある質問

大口と小口は、あとから変えられるのか。変えられる。月に売れる点数が49を超えてきた時期に大口へ移す形で問題ない。新しい商品ページを自分で作る必要が出た段階でも、切り替えが必要になる。

月額4,900円は税込みなのか。公表されている金額は税抜きで、実際の請求には消費税が加わる。販売手数料の率と合わせて、税を含んだ金額で採算を計算しておきたい。

販売手数料のほかに、必ずかかる費用はあるか。自分で発送するなら販売手数料と出品プランの費用で済む。FBAに預ける場合は配送代行手数料と在庫保管手数料が加わり、広告を出すならその費用も別になる。

どの価格帯の商品がいちばん向いているか。下限の30円が効く数百円の商品は率が跳ね上がるため不利だ。カテゴリーごとに率が切り替わる価格を見て、その少し上に値段を置けるかどうかを先に確かめるとよい。

本やDVDを売る場合はどう考えるか。メディアのカテゴリーは率が15.4%の一律で、下限の設定がない。安い商品でも率が跳ね上がらない代わり、高く売れても率が緩まないため、仕入れ値との差がそのまま採算を決める。

売れているのに手元に残らないときは、どこを見ればよいか。出品プランの費用、販売手数料、FBAの二つの手数料、広告費の五つに分けて、1点あたりいくらずつ引かれているかを書き出すとよい。率で引かれるものと固定額で引かれるものが混ざっているため、売上の合計からまとめて差し引くと原因が見えなくなる。

届出や表示の準備は、モールに出す場合も要るのか。要る。通信販売としての表示義務や税務の届出は、売り場がどこであっても同じようにかかる。この部分はネットショップの始め方をまとめた記事が順を追って扱っている。


アイデアコンテストプラットフォーム「FLASPO」

FLASPO

アイデア1つで、地域や企業とつながれる。

FLASPOは、全国の自治体・企業が開催する若者向けアイデアコンテストのプラットフォームです。
地域や企業が抱える課題に対して、あなたのアイデアで解決策を提案できます。

賞金やユニークな地域体験が獲得できるコンテストも多数。誰でも参加無料・オンライン完結で挑戦できます。

コンテストを探す▶︎

FLASPOで募集中のコンテスト

自治体や企業が出したお題に、学生・若者がオンラインでアイデアを応募できます。募集中のものも、これまでのお題と結果も、一覧で見られます。