自己分析の失敗例6つ|手が止まる原因と直し方を場面別に整理 | FLASPO MAGAZINE

自己分析の失敗例6つ|手が止まる原因と直し方を場面別に整理

手が止まる場所は、人によってばらつくようでいて、実際には六通りに収まる。しかもその多くは、やる気や経験の量とは関係がない。書く順番を一か所だけ取り違えているか、評価を気にして材料を先に捨てているか、そのどちらかだ。だから直し方も精神論ではなく、手順の入れ替えになる。以下では、つまずきが現れる形と、その場で打てる手を分けて並べる。

つまずきは六通り、原因は手順の取り違えに寄っている

同じ「進まない」でも、症状を見れば原因は切り分けられる。行数が増えないのか、行はあるのに言葉が出ないのか、言葉は出たが面接で返されるのか。段階が違えば打つ手も変わるため、まず自分がどこで止まっているかを決めてから直しに入る。

つまずき 現れ方 その場で打つ手
書く前に評価している 年表の行数が十行で止まる 評価欄を物理的に別の紙へ移す
一語でまとめてしまう 強みが三語だけで終わる 語を消して出来事の記述に戻す
診断結果を結論にする 適性の型名が答えになっている 型名を仮説に落として出来事で検証する
成功した話しか集めない やめた経験が一行もない やめた判断を同じ密度で書く
盛って整えてしまう 読み返すと他人の話に見える 数と役割を実際の規模に戻す
一人で完結させる 三週間、誰にも見せていない 書いた紙を他人に一度読ませる

切り分けの目安として、紙を見れば判定できる基準を一つ持っておくと早い。年表の行数が二十行に届いているか、理由の欄に迷った場面が書かれているか、書いた紙を他人が一度でも読んだか。この三つのうち欠けている最初の項目が、いま直すべき段を指している。

表の上三つは材料づくりの段で起きるもので、下三つは出力の段で起きるものだ。上で詰まっている人が出力の技術を学んでも効き目は薄い。経験の持ち駒が少ないと感じている段階なら、ガクチカがない大学生必見!経験がなくても作れる3つの方法の拾い方から入ると行数が増える。

書く前に評価すると、材料が十行で足りなくなる

最も多いのは、出来事を書きながら同時に値踏みしてしまう形だ。一行書くたびに「これは選考で使えるか」と考えるため、使えそうにない行が紙に乗らない。結果として年表は十行前後で埋まらなくなり、材料不足のまま次の段へ進むことになる。

打つ手は単純で、評価を書く紙を分ける。出来事を並べる紙には期間と事実だけを書き、自慢できるかどうかは一切問わない。評価は材料が出尽くした後の作業として、別の紙に回す。順番を分けただけで行数が倍になることは珍しくない。

見落とされやすいのは、何もしていなかったと思い込んでいる時期だ。実際には別のことに時間を使っていた例が多く、その時期にこそ本人の選択が出ている。授業の履修記録や写真の日付を手がかりに遡ると、空白だと思っていた半年に行が立つ。

一語でまとめた瞬間に、下にあった具体が消える

次に多いのが、出来事を書き切る前に「主体性」「粘り強さ」といった語へ収めてしまう形だ。語が決まると安心するので手が止まり、その語を支えていた具体が紙から消える。しかもこの語は、選考の場で差がつかない。

厚生労働省の令和5年若年者雇用実態調査では、新規学卒者の採用選考にあたり重視した点として、コミュニケーション能力を挙げた事業所が74.8%、マナー・社会常識が58.6%に達している。事業所調査の有効回答は7,867事業所である。これだけ多くの企業が同じ項目を挙げている以上、その語を名乗ること自体では何も伝わらない。令和5年若年者雇用実態調査の概況に項目ごとの割合が並んでいる。

語に逃げたくなるのは、具体を書くと平凡に見える気がするからだ。ところが読み手の側から見れば順序は逆で、同じ語を名乗る人が大量にいる中では、具体の部分だけが見分けの手がかりになる。平凡に見える記述のほうが、実際には残る。

直し方は、語をいったん消して記述に戻すことだ。誰と、何人の中で、どの役割で、どこで判断を変えたか。語は選考書類を書く段で付ければ足り、材料づくりの段では文章のまま置いておく。続けた経験を言葉にする手順は自己PR「継続力」の書き方|例文と企業が評価するポイントの組み立てが具体的だ。

診断の型名を結論にすると、理由の部分が空く

適性診断や性格検査の結果を貼って終わりにしてしまう形も目立つ。型名は読んで納得しやすいので、そこで作業が完了した気になる。ところが選考で問われるのは型名ではなく、なぜその選択をしたのかという理由の部分だ。ここは診断では埋まらない。

診断は使い道を限ると有効になる。職業や働き方の候補を絞る段で、自力では思いつかない選択肢を出してもらう道具として扱う。出てきた型名は仮説として置き、年表の出来事に当てて合うかどうかを確かめる。合わない場合は、合わないという事実のほうが材料になる。

あわせて起きがちなのが、成功した話しか集めないことだ。やめた経験を書かないと、判断の基準が紙に出ない。続けた理由だけでは傾向はつかめず、やめた理由を並べたときに初めて共通点が見える。長期の実務で確かめたい人には長期インターンとは?短期との違いと始める前に知るべき5つのことで扱われている期間の違いが判断材料になる。

盛って通すと、入社後に同じ問題が返ってくる

出力の段で最後に残るのが、規模や役割を実際より大きく整える形だ。通ることを目的にすれば短期的には合理的に見えるが、受ける側が見る軸と入社後に働く条件は別の話ではない。合わない会社に合わせて書けば、合わない会社に入る確率が上がる。

先の調査では、最終学校を卒業して初めて勤務した会社をやめた理由として「仕事が自分に合わない」を挙げた人が21.7%いる。上位には労働時間や休日の条件が28.5%、人間関係が26.4%と並び、個人調査の有効回答は13,218人だった。合わないという理由が二割を超えている事実は、入口で自分の条件を曲げた分がどこかで戻ってくることを示している。

書類の段で整えるのをやめるには、先に自分の条件を紙にしておくのが効く。勤務地、休みの取り方、収入の下限、転勤の可否。これらが決まっていれば、合わせに行くべき相手かどうかを書く前に判断できるので、盛る必要そのものが減る。

六つ目は、三週間誰にも見せていない状態だ。自分の語彙の中だけで回るため、読み手にどう映るかの情報が入らない。ゼミの指導教員でも友人でも構わないので、一度読ませて質問を受ける。質問された箇所がそのまま、書き足すべき箇所になる。地域で働く選択肢まで含めて相談先を広げたい場合は、FLASPOのように現場を持つ場で話を聞くと、条件の欄に書ける項目が増える。

自己分析の失敗例についてよくある質問

やり直す必要があるのはどの段からか。行数が足りていないなら年表から、行はあるのに語が浮いているなら理由の欄からでよい。全部を白紙に戻す必要はほとんどなく、止まっている段の一つ前に戻れば足りる。

経験の量が少ないのは失敗のうちか。量そのものは問題になりにくい。同じ調査では、業務に役立つ職業経験や訓練経験を重視した事業所は新規学卒者で14.7%にとどまっている。三つの経験について、きっかけと迷った場面と変えた判断が書けていれば材料としては成り立つ。

書いた内容が毎回変わってしまうのはどうか。変わること自体は問題ではなく、変わった理由を記録していないことが問題になる。版を上書きせず日付を付けて残すと、どの時点で何を見直したかが追える。面接で深掘りされたときに、その履歴が答えの土台になる。

他人に見せるのが怖い場合はどうすればよいか。完成版を見せる前提をやめ、年表の段階で見せるとよい。評価を求めるのではなく、読んで分からなかった箇所を指摘してもらう形にすれば、話す内容を取りそろえる前でも成立する。

診断や検査に費用をかけるべきか。公的な無料の診断と相談の窓口が先にある。有料のものを足すかどうかは、無料のものを使い切って足りない項目が明確になってから決めれば遅くない。

いつまでに終えればよいか。終わりを決めるより、選考の形に合わせて組み替えられる状態を先に作るほうが実用的だ。材料が三つ揃っていれば、質問の形が変わっても書き直しは部分で済む。


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