再生可能エネルギーとは|5つの電源の特徴と日本の導入状況をやさしく整理

再生可能エネルギーとは|5つの電源の特徴と日本の導入状況をやさしく整理

電気料金の明細を見ると「再生可能エネルギー発電促進賦課金」という行がある。毎月そこそこの額を払っているのに、その言葉が何を指しているかを説明できる人は多くない。太陽光と風力くらいは思い浮かんでも、地熱やバイオマスが同じ枠に入る理由まではあいまいなままだ。法律上の定義から日本の導入量、支える制度、そして増やすときの壁までを順に見ていきたい。

「再生可能」と呼べる条件はどこにあるか

言葉の輪郭は法律が決めている。エネルギー供給構造高度化法は再生可能エネルギー源を、太陽光や風力その他の非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用することができると認められるものとして政令で定めるもの、と規定している。鍵は「永続的に利用できる」という一点にある。

政令が挙げるのは、太陽光、風力、水力、地熱、太陽熱、大気中の熱その他の自然界に存する熱、バイオマスの七つ。このうち固定価格買取制度の対象になっているのは、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスの五つで、日常的に「再エネ」と呼ばれるのはたいていこの五種類を指す。

紛らわしいのが原子力の扱いだ。燃やしても二酸化炭素を出さないため非化石エネルギーには分類されるが、ウランは掘り出せば減っていく資源なので再生可能には入らない。二酸化炭素を出すかどうかと、使い続けても尽きないかどうかは別の物差しである。

太陽熱や大気中の熱が含まれている点も見落とされやすい。発電だけでなく、給湯や冷暖房として熱をそのまま使う方法も再生可能エネルギーの利用にあたる。詳しい区分は資源エネルギー庁のなっとく!再生可能エネルギーに整理されている。

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五つの電源、それぞれの持ち味と弱点

同じ再エネでも、動き方はまるで違う。発電量が天気に左右されるものと、時間帯を問わず一定量を出し続けるものがある。この差は電力会社が需要と供給を合わせる作業に直結するため、まとめて語ると実態を見誤る。

電源 何から電気をつくるか 出力の性格 つまずきやすい点
太陽光 日射 昼だけ。天候で大きく変動 設置する平地の確保、設備の廃棄
風力 風 夜も動くが変動幅が大きい 適地が北海道や東北に偏る
水力 水の落差と流量 安定。出力の調整もきく 大規模な新規適地が残り少ない
地熱 地下の蒸気や熱水 昼夜を問わずほぼ一定 調査に年数がかかる。温泉地との調整
バイオマス 動植物由来の有機物 燃料さえあれば計画通り 燃料の調達費と持続可能性の確認

太陽光と風力は変動性再生可能エネルギーと呼ばれ、蓄電池や他の電源による調整とセットで考える必要がある。一方で地熱と水力は出力が読みやすく、火力の代わりに土台を支える役割を担える。日本は世界有数の地熱資源を持ちながら開発が進みにくい国としても知られており、この不一致は長く議論の的になってきた。

日本ではどこまで増えたのか

数字を見るときは、どの統計を引いているかを確かめたい。資源エネルギー庁の電力調査統計では、2024年度の電源構成のうち新エネ等が15.6%、揚水を含む水力が7.4%で、合わせると約23%になる。

一方、環境エネルギー政策研究所が2026年7月に公表した速報値では、2025年の暦年で自然エネルギーの割合は26.1%、火力は64.5%で前年の66.1%から下がった。年度と暦年の違い、小規模な自家消費分を含めるかどうかで、同じ国の同じ時期でも数ポイントの差が生まれる。

目標側の数字も押さえておきたい。2030年度の電源構成では再エネ36〜38%程度が掲げられ、内訳として太陽光14〜16%程度、風力5%程度、水力11%程度が想定されている。さらに2025年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画は、2040年度に4割から5割程度という姿を示した。

つまり15年ほどで比率を倍にする計算になる。伸びしろは大きいが、ここまでの増加を引っ張ってきた住宅や工場の屋根置き太陽光は、設置しやすい場所から順に埋まってきた。次の十年は、洋上風力や既存設備の建て替えなど、手間のかかる方法の比重が増していく。速報値の推移は環境エネルギー政策研究所の集計で追える。

買い取り制度が普及を押し上げてきた

日本で再エネが急に増えたきっかけは、2012年7月に始まった固定価格買取制度だった。決められた価格で一定期間買い取ると国が約束したため、事業者は投資を回収する見通しを立てられるようになった。その原資が、冒頭で触れた賦課金である。

買取価格が市場の実勢より高い分は、電気を使うすべての人が使用量に応じて負担する。単価は毎年度決め直され、経済産業省が2026年3月19日に公表した2026年度の単価は1キロワットアワーあたり4.18円。初めて4円を超えた。

年度 賦課金単価 月400kWh使う家庭の負担
2024年度 3.49円/kWh 月1,396円
2025年度 3.98円/kWh 月1,592円
2026年度 4.18円/kWh 月1,672円

負担が増え続けることへの反省から、近年の主役はFIP制度に移りつつある。こちらは発電した電気を市場で売り、その価格に一定のプレミアムを上乗せする仕組みで、市場価格の部分は国民負担の対象から外れる。需要が多く価格が高い時間帯に売れば収入が伸びるため、発電する側にも蓄電池を併設して売る時間をずらす動機が生まれる。年度ごとの単価は経済産業省の公表資料で確認できる。

増やすときにぶつかる三つの壁

日本の太陽光は、導入量で見れば中国、アメリカに次ぐ世界で第3位にあたる。だが総量より示唆的なのは密度のほうだ。平地面積あたりの設備容量は573キロワット毎平方キロメートルに達し、ドイツの1.7倍、アメリカの23倍という水準にある。

背景には国土の事情がある。日本の平地は38万平方キロメートルの国土のうち13万平方キロメートル、およそ34%しかない。残りは山地で、そこへ無理に設置すれば土砂災害や景観の問題を招く。適地がすでに相当埋まっているという現実が、一つ目の壁になる。

二つ目は電気を運ぶ経路だ。風況のよい北海道や東北と、電気を大量に使う首都圏や関西は離れている。送電線の容量が足りなければ、発電できるのに止めてもらう出力制御が起きる。実際、春や秋の需要が少ない晴れた休日には制御が日常的に発生するようになった。

三つ目が地域との合意である。森林を伐採した造成や、工事車両の通行をめぐる摩擦は各地で起きており、条例で設置区域を制限する自治体も増えた。エネルギーの調達構造そのものについては商社のエネルギー事業や商社の資源ビジネスを扱った記事も参考になる。地域で暮らしながら関わる働き方を考えるなら、FLASPOのような地域とつながる場も入口になりうる。

よくある質問

再生可能エネルギーと新エネルギーはどう違うのか。新エネルギーは新エネルギー法にもとづく政策上の区分で、普及を後押しすべき対象という意味合いが強い。大規模水力は再生可能エネルギーだが、すでに普及しているため新エネルギーには含まれない。

賦課金はいつまで払い続けるのか。買い取りには期間の定めがあり、期間を終えた設備から順に対象を外れていく。単価は2026年度に初めて4円台へ乗ったが、いずれ頭打ちになり下がっていくという見通しが政府の資料では示されている。ただし何年からどの程度下がるかは、今後の導入量と市場価格しだいで動く。

家庭や個人にできることはあるか。屋根に太陽光を載せる以外にも、契約する電力プランを再エネ中心のものに切り替える方法がある。使う時間帯を昼にずらすことも、太陽光が余りやすい時間の電気を活かすという意味で効果がある。

再エネだけで電気をまかなえるのか。現時点では難しい。太陽光と風力は天候に左右されるため、夜間や無風の日を埋める調整力が要る。国が2040年度に4割から5割程度という数字を置いているのも、蓄電池や送電網の整備を前提にした現実的な線として描かれているからだ。

地熱がなかなか増えないのはなぜか。有望な区域が国立公園や温泉地と重なることが多く、調査から運転開始まで十年以上かかる例も珍しくない。初期の調査費用が回収できるかどうか読みにくい点も、開発が慎重になる理由になっている。


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