地方創生とは?2014年「まち・ひと・しごと創生法」から始まった政策の全体像
「地方創生」という言葉は就職活動や授業でよく耳にしても、実際に何をしている政策なのかは意外とわからない——という学生も多いはずです。
地方創生とは、人口減少や東京一極集中を是正し、地方が自立的・持続可能に発展できる社会を目指す国の政策と取り組みの総称です。正式名称は「まち・ひと・しごと創生」といい、2014年9月に第2次安倍内閣が「まち・ひと・しごと創生法」を制定したことで本格スタートしました。
背景には深刻な数字があります。2014年に「日本創成会議」が発表した試算では、全国1,799自治体のうち約896自治体が「消滅可能性都市」に該当することが明らかになり、社会に大きな衝撃を与えました。2024年の再分析でも744の自治体が消滅可能性を指摘されています。
政策の4つの基本目標は次の通りです。
①稼ぐ地域をつくり、安心して働けるようにする(雇用創出)
②地方へのひとの流れをつくる(移住・関係人口拡大)
③結婚・出産・子育ての希望をかなえる(少子化対策)
④ひとが集う、魅力的な地域をつくる(まちづくり)
地方創生が単なる「バラマキ政策」と違うのは、各自治体が独自の「地方版総合戦略」を作り、KPI(数値目標)を設定して成果を検証するPDCAサイクルを採用している点です。国が一律に決めるのではなく、地域が主体的に動く設計になっています。
地方創生2.0(2025年)で何が変わった?第1期との違いと若者・女性を重視する5本柱
2025年6月、政府は「地方創生2.0基本構想」を閣議決定しました。2015年から10年間続いた第1期の成果と反省を踏まえ、新たなフェーズへと移行しています。
【第1期(2015〜2024年)の成果と課題】
移住・関係人口の増加や地域おこし協力隊の拡充などの成果がある一方、東京一極集中の是正は目標未達で、2024年時点でも東京圏への転入超過は続いています。「若者・女性の視点が不足していた」という反省が2.0の出発点です。
【地方創生2.0の5本柱】
①若者や女性にも選ばれる地方の実現(働き方・職場改革)
②稼ぐ力を高める地方イノベーション創生(付加価値型経済の構築)
③地方への新たな人の流れの創出(関係人口の量的拡大・ふるさと住民登録制度の創設)
④新時代のインフラ整備とAI・デジタル技術の活用
⑤広域リージョン連携の推進
特に注目なのは「ふるさと住民登録制度」の新設です。住民票がなくても複数の地域とつながる「関係人口」を可視化・拡大する仕組みで、都市部に住みながら地方に関わりたい若者にとって新たな選択肢になります。
また、自動運転・ドローン・AIを「地方でこそ先行実装する」という方針も2.0の特徴です。過疎地での医療・物流・交通における新技術活用が加速する見込みです。
地方創生の成功事例3選|神山町のIT誘致・長野県の移住支援・島根県海士町の挑戦
地方創生は「お題目」にとどまらず、実際に成果を出している地域があります。若者にも参考になる3つの成功事例を紹介します。
【事例①:徳島県神山町——IT企業誘致で人口増加】
人口約4,700人の山間部の町が、町全域への光ファイバー整備をきっかけにIT企業のサテライトオフィスを積極誘致しました。現在はサイボウズ・ソラコムなど多数の企業が拠点を置き、移住者が増加。人口減少が続く中でも若い世代の移住が見られる希少な事例です。「ローカルベンチャーの聖地」とも呼ばれます。
【事例②:長野県——移住支援の充実で全国トップクラスの移住者数】
長野県は「NAGANOインターンシップ補助金」「就職・移住学生支援事業」など、若者の移住を段階的に支援する制度を整備しています。移住者数は全国でも常にトップクラスで、自然環境×都市アクセスのバランスが評価されています。
【事例③:島根県海士町——「ないものはない」の島おこし】
人口約2,200人の離島でありながら、「島前高校の魅力化プロジェクト」で全国から高校生が集まる島へと変貌。岩牡蠣や隠岐牛などの産品をブランド化し、経済的自立を目指す取り組みが注目されています。若者インターンや移住者が増え、日本の離島再生モデルとして世界的にも注目されています。
これらの成功事例に共通するのは「地域の個性を活かした戦略」「外部人材との連携」「若者が関われる仕組みの整備」の3点です。
大学生・20代が地方創生に関わる4つの方法|地域おこし協力隊・インターン・二拠点生活
「地方創生に興味があるけど、自分には何ができる?」という大学生・20代に向けて、実際に参加できる4つの方法を紹介します。
【方法①:地域おこし協力隊】
総務省が推進する制度で、都市部から地方に移住し、地域の課題解決に取り組む活動をしながら月給(20〜25万円程度)と活動費を受け取れます。任期は1〜3年で、終了後に起業・定住する人も多くいます。2023年度の隊員数は約7,200人と過去最多を更新しており、20代の参加者も増えています。
【方法②:地方インターン・フィールドワーク】
大学生が短期間(1週間〜数か月)地方に滞在し、地域の課題に取り組むプログラムです。「ふるさとワーキングホリデー」「TABIPPO」「JOINS」などのプラットフォームが仲介しており、費用を抑えつつ地方体験ができます。単位認定している大学も増えています。
【方法③:二拠点生活・ワーケーション】
都市部に拠点を置きながら、週末や長期休暇を地方で過ごす「二拠点生活」は、リモートワーク普及で現実的な選択肢になっています。就職後でもできる関わり方として、20代社会人に人気が高まっています。
【方法④:関係人口として緩くつながる】
移住や長期滞在が難しくても、クラウドファンディングへの支援・ふるさと納税・SNSでの発信など、都市にいながら地域を応援する「関係人口」としての関わり方があります。地方創生2.0ではこの関係人口の拡大が重点施策の一つです。
よくある質問(FAQ)
Q: 地方創生と地域活性化はどう違いますか?
A: 「地方創生」は2014年の法律に基づく国の政策・取り組みの総称で、人口減少の克服と東京一極集中の是正を目的としています。一方「地域活性化」は、地方創生の結果として地域に活気が生まれたり移住者が増えたりする現象・状態を指す場合が多い言葉です。より広い意味で使われることもあります。
Q: 地域おこし協力隊に参加するにはどんな条件がありますか?
A: 三大都市圏(東京・大阪・名古屋)など都市部に住んでいる方が対象で、移住先の自治体が定める業務に従事することが条件です。年齢制限は多くの場合なく、大学生でも卒業後に参加できます。具体的な応募は各自治体が行っており、総務省の「地域おこし協力隊」公式サイトで全国の募集情報を確認できます。
Q: 地方創生は結局うまくいっているのですか?
A: 第1期(2015〜2024年)は「東京一極集中の是正」という目標に対して不十分な結果でした。一方、移住・関係人口の増加や地域おこし協力隊の拡充、一部の先進地域での成功事例など部分的な成果は出ています。2025年スタートの地方創生2.0では反省を踏まえた新たな取り組みが始まっており、引き続き注目が必要です。
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