地方創生とは?2014年に始まった政策の定義と3つの目的(内閣府)
言葉はよく耳にしますが、何を目指しているのかまで理解している人は多くありません。ここでは、国の政策としての定義と目的を整理し、全体像をつかみます。
【地方創生の正式な位置づけ】
地方創生は、2014年に第二次安倍内閣が看板政策として掲げた取り組みで、同年12月に「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」と「第1期まち・ひと・しごと創生総合戦略」が策定されました。内閣府や内閣官房の関連組織が政策を所管し、各省庁・自治体・民間が連携して進める構造になっています。
【3つの目的】
1つ目は「東京一極集中の是正」です。若者を中心とした都市部への人口流入が続くなか、地方の人口減少に歯止めをかけることを目指します。2つ目は「地方での安定した雇用創出」で、地方に良質な仕事を増やし、若者が地元で働ける環境を整えます。3つ目は「地域資源を活かした持続可能な社会づくり」で、各地域の特性を活かして、自律的で持続可能な社会を築くことを掲げています。
【地域活性化との違い】
「地域活性化」は、地方創生の結果として現れる現象(移住者増、交流人口増、税収増など)を指す言葉として使われる傾向があります。地方創生は政策の総称、地域活性化はその成果の表現、と整理すると違いが見えやすくなります。
【SDGsとの関連】
SDGsの17の目標のうち、11番目「住み続けられるまちづくりを」は、地方創生の考え方と強く重なります。地域コミュニティのケア、公共交通の確保、地域リソースの保全と活用、雇用創出などが、政策の具体アクションとして組み込まれています。
【20代の関わり方】
地方創生は、自治体だけが担うものではなく、企業、NPO、個人の活動が積み重なって実現するものです。20代が自分のスキルや関心を持ち寄ることで、地域の未来に主体的に関われる仕組みが整っています。
地方創生の3つの課題と現状|人口減少・消滅可能性都市・一極集中
政策の必要性は、具体的な数字を見ると実感できます。ここでは、公的データに基づく3つの大きな課題を整理します。
【課題1:人口減少】
日本の総人口は2008年をピークに減少に転じました。総務省統計局によると、国内の人口は9年連続で減少を続け、15歳未満と15〜64歳の割合が下がる一方、65歳以上の割合が上昇しています。生産年齢人口が減ることで、地方の産業や社会保障の維持が難しくなっています。
【課題2:消滅可能性都市】
2014年に日本創成会議が公表した試算では、全国の約半数の自治体が「消滅可能性都市」に該当すると発表され、大きな衝撃を与えました。特に20〜39歳の女性人口が減る地域は、出生数の大幅な減少を通じて、長期的な存続自体が難しくなります。
【課題3:東京圏への一極集中】
1997年以降、東京圏(1都3県)では人口の流入増加が続いています。都市部と地方で教育、所得、生活水準の差があり、若者が進学や就職で都市部に集中する傾向が根強く残っています。地方では税収の減少、サービス産業の撤退、若者の流出、という悪循環が続きやすい構造です。
【現状の数字】
内閣官房の調査では、東京圏の20〜50代の約半数が地方移住に関心を持っていると報告されています。コロナ禍以降のテレワーク浸透で、「仕事があるから都市に住むしかない」という制約は弱まりました。一方で、実際の移住者数は関心の高さに追いついておらず、仕事・住まい・コミュニティの不安が足かせになっていると指摘されています。
20代の関心を、実際のアクションにつなげる仕組みが、今後の地方創生のカギを握ります。
地方創生の成功事例5選|徳島県神山町・ヤマガタデザインなど
抽象論では動きづらい領域ですが、具体的な事例を知ると「自分の地域でも」というヒントが得られます。ここでは、特徴の異なる5つの事例を紹介します。
【事例1:徳島県神山町】
人口6,000人規模の町ながら、サテライトオフィス誘致に成功し、地方創生の代表例として全国に知られます。県が全県域でカバー率98.8%のFTTH網を整え、古民家改修費や通信費の支援を組み合わせた結果、10社以上のICTベンチャーが拠点を構えました。2011年には1970年以降はじめて、社会増が社会減を上回る転換点を迎えています。
【事例2:ヤマガタデザイン株式会社(山形県庄内)】
田んぼの中にあるホテル「スイデンテラス」を中心に、教育、観光、農業など多角的な事業を展開し、地方創生大臣賞を受賞しました。地域への投資、雇用創出、定住者増の好循環を生み出した民間主導事例として注目されています。
【事例3:福井県丹南地区の「RENEW」】
鯖江市、越前市、池田町、南越前町、越前町にまたがる伝統工芸7産地で開催される、国内最大級のオープンファクトリーイベントです。普段は非公開の工房を開放し、来場者が作り手の思いを知り、商品を購入できます。地域のものづくり産業を観光資源として活用した事例です。
【事例4:北九州市の「小倉家守構想」】
平成23年度から小倉魚町地区を中心に進められているリノベーションまちづくりです。民間主導で空きビルを活用し、リノベーションスクールや雇用創出の場として再生しました。まちの再生と人材育成を同時に進める取り組みとして高く評価されています。
【事例5:大分県別府市の立命館アジア太平洋大学(APU)】
2000年開学のAPUは、学生の約半数が50か国以上からの留学生、教員の50%が外国人という特色があります。国際色豊かな学生を地方に誘致し、地域活性化につなげた事例として参照されることが多くあります。
成功事例に共通するのは、地域の資源を外部の視点で再発見し、民と行政が手を組んで中長期で取り組んだ姿勢です。
20代の若者が地方創生に関わる3つの方法(地域おこし協力隊・プロボノ・ワーケーション)
地方創生は遠い話ではなく、20代の若者が主役になれる領域です。ここでは、現実的に参加できる3つの方法を紹介します。
【方法1:地域おこし協力隊で住み込み参加する】
総務省の地域おこし協力隊は、20代にとって「給料を得ながら地方での暮らしと仕事を試せる」数少ない制度です。令和6年度は全国で7,910名が活動しています。報償費は最大320万円、活動費は最大200万円の合計最大520万円の予算規模で支援されます。任期1〜3年の後、約70%が地域に定住し、起業や地域団体への就職など多彩な進路に進んでいます。
【方法2:プロボノで本業のスキルを地域に提供する】
都市部で働きながら、本業の空き時間に地方のNPOや自治体を支援する方法です。認定NPO法人サービスグラントなどのマッチング団体に登録すれば、デザイン、マーケティング、IT、ライティングなど、自分のスキルを活かせるプロジェクトを紹介してもらえます。移住せずに地方と関わり続けられるため、大学生や社会人1〜3年目でも無理なく始められます。
【方法3:ワーケーションで関係人口を育てる】
観光地やリゾート地に1週間〜1か月単位で滞在し、仕事をしながら地域と関わるスタイルです。住民にはならなくても、継続的に訪れ、お金を落とし、地域の人と知り合うことで、「関係人口」として地域の支え手になります。ワーケーション自治体協議会には2019年時点で7道県と58市町村が参加しており、滞在環境も整いつつあります。
【3つの方法の組み合わせ】
1つに絞る必要はありません。プロボノで関わりを作り、ワーケーションで訪問し、ゆくゆくは地域おこし協力隊として住み込む、という段階的なコミットメントも現実的な道筋です。20代の試行錯誤こそが、地方創生を支える大きな力になります。
よくある質問(FAQ)
Q: 大学生でも地方創生に関われますか?
A: 十分関われます。インターン、ゼミ活動、地域イベントのボランティア、長期休暇中のお試し移住、地方のNPOでのインターンなどの入り口があります。卒業後に地域おこし協力隊に応募する人もおり、大学時代の地方体験が進路選択に直結するケースも増えています。
Q: 地方創生は成功していると言えるのでしょうか?
A: 全体としての人口減少傾向は止まっていませんが、神山町や海士町、RENEWのように特定地域で大きな成果を上げている事例は着実に増えています。成果が出ている地域に共通するのは、外部人材の受け入れ、地域資源の再発見、中長期的な計画と継続的な取り組みです。成否は地域ごとに異なり、単純に「成功」「失敗」で語れるものではありません。
Q: 地方創生に関わることは、キャリアに不利になりませんか?
A: 近年はむしろキャリアの強みになる時代です。地域と関わる経験は、課題解決力、プロジェクト推進力、多様な立場の人との対話力など、どの業界でも役立つスキルを磨きます。地方で経験を積んだ20代が、都市部の企業や官公庁で評価されるケースも増えており、選択肢を狭めるより広げる効果が期待できます。
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